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2020.09.18

時空を超える胸キュン時代劇漫画『アシガール』、実写ドラマで伊藤健太郎がブレイク!

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少女漫画の魅力とは何でしょうか? それはやはり、主人公がすてきな男性と出会って恋をすることでしょう。もどかしい展開にはらはらしながらも、ヒロインに感情移入してキュンキュンして現実を忘れられる! これが一番ではないでしょうか?

女子高校生が足軽に!!

2012年に連載が始まった森本梢子(もりもとこずえこ)による『アシガール』は、戦国時代を舞台にしたラブコメディです。

足が速いことだけが取りえの女子高校生、速川唯(はやかわゆい)16歳。無気力な日々を過ごしていますが、天才的な能力を持つ弟が発明したタイムマシンによって、戦国時代にタイムスリップします。そこで出会った戦国武将・羽木九八郎忠清(はぎくはちろうただきよ)に一目惚れします。あろうことか、初恋の相手が戦国武将!

とても恋が実りそうにもない相手なのですが、イケメンで凜々しい忠清こと若君にぞっこんとなった唯。「若君を守る」と決意して驚く行動に出ます。でたらめに「唯之助」と名乗ると周囲は男の子と勘違い。唯はこの状況を利用し、自ら志願して足軽の役職を得るのです。この展開はヒロインが王子様と出会って、守ってもらいたいと願うかつての少女漫画とは異なりますね。

アシガール1巻』森本梢子(集英社)

そもそも足軽って?

足軽とは下級の兵士のことを指します。普段は農業に従事している農民たちが、戦に駆り出されて足軽となったようです。戦国時代の合戦では、より多くの兵力を集めた方が勝ちをおさめました。そのため、戦国大名は足軽をかき集めるのに必死になったと言います。この足軽の地位から出世した者もいて、代表的なのは豊臣秀吉です。

『アシガール』の唯も得意の脚力を生かして、順調に出世していきます。戦になると、若君と共に果敢に前線に出る姿には、ほろっとさせられます。恋心を募らせながらも、若君を守るために男として生きる唯。応援したくなっちゃいますね。

実写版ドラマが大評判!

2017年にはNHKで黒島結菜(くろしまゆいな)主演でドラマ化されます。すがすがしいヒロインの魅力が溢れた作品は評判になりました。また難役と言われた若君役を見事に演じた伊藤健太郎は、この演技がブレイクのきっかけになったと言われています。放送終了後も度々アンコール放送される人気作品で、DVDも発売されています。

アシガール2巻』森本梢子 (集英社)

ドラマの中では、若君が負傷して命の危機が訪れた時、唯が考えた必殺アイデアで、若君は現代へとタイムスリップ。回復してしばらくは、戦国時代との違いに戸惑いつつ唯の家族たちと過ごすことになります。ここで若君が見せる今風の男の子の学生服姿が、武将姿とギャップがあって萌えます! 主人公たちが戦国時代と現代とを行き来しながら、どちらの時代でも人々と交流する姿がハートフルに描かれています。

ところで、唯の恋は実ったのでしょうか……? それは、是非原作の漫画でお確かめ下さい。漫画は第1部終了後、新章を連載中です。

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アイキャッチ:国立国会図書館デジタルコレクションより

書いた人

幼い頃より舞台芸術に親しみながら育つ。一時勘違いして舞台女優を目指すが、挫折。育児雑誌や外国人向け雑誌、古民家保存雑誌などに参加。能、狂言、文楽、歌舞伎、上方落語をこよなく愛す。十五代目片岡仁左衛門ラブ。ずっと浮世離れしていると言われ続けていて、多分一生直らないと諦めている。