Craft
2021.02.13

日本古来の色を現代に蘇らせた染織史家、吉岡幸雄。その仕事を細見美術館の特別展で辿る

この記事を書いた人
この記事に合いの手する人

この記事に合いの手する人

突然ですが、みなさんは色の名前をいくつ知っていますか? 赤、青、黄色、緑……。

う〜〜〜ん。ぱっと思いつくのは10色くらい?

まず名前が挙がる代表的な色は、色鉛筆に使われている24色などでしょうか。具体的に、「これは何色?」と尋ねられると、さらに色々な色の名前が出てくるかと思います。では、日本古来の色の名前がいくつ位あるのかご存知でしょうか? 100? 200? 300? 実は、なんと、日本には資料等で確認できるだけでも、466色もの色の名前があるんです。日本人は日々移ろいゆく自然の中に、美しい色合いや微妙な色の変化を発見し、それらに名前を付け、慈しみ、また自然の恵みを使って再現することを試みてきました。

そんなにたくさんあるんですね!一つ一つに日本語名が付いていると思うと驚き。

そっと目を閉じて、466の日本の色に思いを馳せてみてください。果てしなく続く色の海に身を委ねると、現代人がつい日常の忙しさに忘れてしまいがちな心の豊かさが感じられるのではないでしょうか。

そんな日本古来の伝統色を長年研究し、実際にそれらの色の再現を行ったのが、京都の染屋「染司よしおか」五代目当主の吉岡幸雄(よしおかさちお)氏。吉岡氏は化学染料を使わず、植物の花や実、根などの自然の原料から色を抽出し、伝統的な手作業の技法で布や紙を染め上げる、日本の伝統色染色の第一人者です。

今回は、2019年に惜しくも他界された染織史家・吉岡幸雄氏が開拓した、豊饒な日本の色の世界を追ってみたいと思います。

知ってる? 日本の色クイズ

さて、クイズです。

これは何色でしょう?

赤。多くの方はそう思われたのではないでしょうか。確かに広義には赤の一種です。実は、日本には、百色以上という驚くべき数の赤色が存在します。こちらは、その中の「紅(くれない、べに)」という色。(デバイスによって若干見え方が異なりますのでご了承ください。)

「紅」は夏にアザミに似た黄赤色の花をつける「紅花」という植物を使って染めます。摘み取った紅花の花びらを水の中で揉み、黄色の色素を洗い流したあと、藁灰汁(わらあく)を加えるなどして赤色色素を抽出し、染料にします。

この紅花は、エチオピアからエジプトあたりが原産地とされ、古代エジプトの末期王朝時代の遺跡からは紅花とともに、紅花で作った口紅も見つかっています。やがて、シルクロードの交流が盛んになるにつれ、紅花も東へ運ばれ、紀元前2~300年頃には中国にもたらされ、少なくとも3世紀前半には日本にも渡ってきていたと考えられています。中国では、「赤の染料」を意味する「紅藍」と呼び習わされ、日本では「呉の国から渡来した染料」ということで、「呉藍(くれあい)」と発音し、それが「くれない」へと転訛していきました。「紅」は日本で古くから愛された色で、『万葉集』の和歌や『正倉院文書』、『源氏物語』などにも「紅」の文字を見ることができます。

言葉はよく聞きますが「紅」にそんな長〜い歴史があるなんて!

お次の色は、こちら。さて、こちらは何色でしょう?

淡い青色に見えますでしょうか? こちらは、「甕覗(かめのぞき)」というユーモラスな名前の色。

か、かめのぞき? 初耳です。

澄み切った空のような美しい色ですよね。この「甕覗」は、藍を使って染めた色で、もっとも薄い藍染めだそう。色名の由来は二説あり、一つは、布が「藍甕のなかをちょっと覗いただけで出てきてしまった」。つまり、藍甕に布をほんのわずかの時間浸けて引き上げた色、という意味。もう一つは、甕に張られた水に空の色が写ったような淡い色合い、つまり、「空を映す甕を人が覗き見た」色、というもの。どちらも面白い由来ですよね。

これらの色の解説は、吉岡幸雄氏の著書『日本の色辞典』(日本古来の色466色を収録、内209色を伝統染色で再現した色見本/紫紅社)の解説を参考にしてご紹介させていただきました。また、色見本も本書で吉岡氏が検証に基づき実際に紅花や藍で布地を染めて再現した色見本のデータを掲載しています。このように、日本には幾百にも及ぶ豊かな色があり、それら一つ一つの色の名前や染色方法には、ユニークな歴史や物語が隠れていることをお分かりいただけましたでしょうか?

よ〜〜く分かりました! もっと知りたいです。

展覧会「日本の色-吉岡幸雄の仕事と蒐集-」へ行ってきた!

現在、京都の細見美術館(京都市左京区)で、吉岡幸雄氏の特別展「日本の色-吉岡幸雄の仕事と蒐集-」が開催されています。吉岡氏の生前の仕事と貴重なコレクションを展観できる展覧会の様子をご紹介します。

「日本の色-吉岡幸雄の仕事と蒐集-」展示室

展覧会は4章で構成。第1章は、日本染織史上頂点を極めたといわれる、飛鳥・天平時代の華やかな色彩を再現した「祈りと荘厳の色彩」、第2章は、和様文化が花開いた、平安時代の優美な色の世界を蘇らせた「王朝文学の色」、第3章は、石清水八幡宮への供花などを展示した「神に捧げる 季節の彩り」、第4章は、吉岡氏の愛蔵した古裂(こぎれ)コレクションの一部を公開した「古裂の美-いにしえをたずねて」となっています。

吉岡氏の仕事を改めて振り返って目にすると、その仕事が非常に多岐に渡っていることに驚かされます。今回の記事では、本展の展示を鑑賞しながら、吉岡氏の文字通り「多彩」な顔を見ていきたいと思います。

染織史家・吉岡幸雄氏

吉岡幸雄の「多彩」な顔に迫る!

その1 染色家・「染司よしおか」5代目当主

吉岡氏は、京都で江戸時代から続く染屋「染司よしおか」の長男として生まれ、42歳のときに生家の5代目当主となりました。当時、産業革命で大きな変革を遂げた染色界では化学染料が主流となり、江戸時代以前に使われていた植物などを原料とした天然染料は廃れていました。「染司よしおか」もその例外ではなく、明治20年代頃から化学染料を用いた染色を行うようになっていたそうです。しかし、5代目の吉岡氏は、人類が数千年以上の間、工夫と進歩を重ねて培ってきた天然染料の技と色が失われることを危惧し、化学染料の使用を一切やめることを決意。完全に天然染料だけを使った染屋へと「染司よしおか」を大きく方向転換しました。

大きく方向転換!

新門前通りにある現在の「染司よしおか」店内。生活を彩る草木染の小物や雑貨が手に入る。今回の展覧会場である、細見美術館からは市バスで5分、知恩院前下車徒歩5分ほど

以降、植物染専門の染屋として、先代の時代から「染司よしおか」の染師を務める福田伝士(ふくだでんじ)氏とともに、植物染による日本の伝統色の再現に取り組みながら、国宝修復や社寺の祭祀の再現など、さまざまなプロジェクトに携わるようになりました。

今回の展覧会では、「染司よしおか」が日本古来の技法で制作した数多くの染織品の中でも、代表的な作品をいくつか鑑賞することができます。

こちらがその一つ。第1展示室に展示されている、法隆寺の国宝「四騎獅子狩文錦(しきししかりもんにしき)」の復元です。

国宝「四騎獅子狩文錦(しきししかりもんにしき)」復元(部分)。メインの文様は、翼のある馬に乗って、弓で獅子を射ようとする騎士

遣隋使・小野妹子が随から持ち帰り、聖徳太子御行の御旗に使われたと伝わる豪奢な錦織。聖徳太子没後1380年の節目に同工房に制作を依頼されたものです。ペルシャの伝統的な意匠が見られますが、現物は中国で織られたものと考えられ、幅1.39メートル、長さ2.5メートルの巨大な布の一面には、複雑な文様がびっしりと織りあげられています。もちろん、こちらも全て植物染のみで染色。現物を参考にしながら、地色の鮮やかな赤には紅花、文様には茜、藍、マメ科の槐(えんじゅ)の蕾などを用いて、極細の絹糸を染めて使用しています。この大きな布を織りだすため、高さ4メートル、幅2.5メートル、長さ8メートルの木製の巨大な「空引機(そらびきはた)」(当時世界最大)が作られました。機の上部に織師一人が登って経糸を操作、機の前に織師二人が座って緯糸を通し、三人がかりで制作に挑み、約1年の歳月をかけて完成した大作です。

第1展示室では、こちらの作品の他にも、「遠山文七条袈裟(とおやまもんしちじょうけさ)」(こちらは東大寺大仏開眼1250年慶讃大法要にあたり作られたものですが、同デザインの制作風景を和楽webでも和樂webでも取材しました)や、吉岡氏が依頼を受けて制作し、現在薬師寺や東大寺に納められている貴重な伎楽装束なども、本展のため特別に許諾を得て展示されています。

遠山文七条袈裟、見逃せないっ

薬師寺の「玄奘三蔵会大祭」で奉納される伎楽の装束。4年の歳月をかけて「染司よしおか」で新調した

太宗皇帝の装束は君主にのみ許された禁色「黄櫨染(こうろぜん)」

その2 染織史家

吉岡氏の制作の源ともなっていた、もう一つの顔は染織史家としての顔です。吉岡氏は、『源氏物語』などの古典文学を始めとした膨大な過去の文献資料をひもとき、色や染織に関する記述を徹底的に読み解くことで、日本の色彩文化の様相を明らかにしていきました。

生前吉岡氏が使用していた文机。机上の文献には夥しい数の付箋が見える(1/15~17の期間、特別展示で公開。以降不定期公開 ※公開日はホームページ、Twitterでお知らせ)

一方、各地に伝わる染料や素材、染織技術を訪ね、日本だけではなく、世界中の国々へ実際に足を運び、地道な史料の調査とダイナミックなフィールドワークを通じて、失われつつある日本の色を探求しました。

そして、このような染織史家としての吉岡氏の研究と「染司よしおか」の染織技術を融合させることにより、日本古来の色と文化を次々と現代に蘇らせたのです。

色を蘇らせる!なんて神秘的な響き。

第二展示室に入ると目に飛び込んできたのは、天井から垂れ下がった色とりどりの布。

平安朝官位の色 九種一覧

こちらは、平安時代の役人が着用した衣装の全官位の色を吉岡氏が再現したもの。目の前に、鮮やかな衣装を身にまとった平安時代の役人がずらりと並んでいるかのような展示はまさに壮観! 最も官位の高い一位の役人の紫根で染めた「深紫(こきむらさき)」(手前)から、九位の役人が着用した蓼藍生葉で染めた「浅縹(あさはなだ)」(奥)まで、九つの色が平安時代同様植物染で再現されています。

『源氏物語』の衣裳の再現

こちらは、『源氏物語』の姫君・女三の宮の衣裳「桜のかさね」の再現。吉岡氏にとって、『源氏物語』は王朝時代の色彩文化を知るための重要なテキストでした。長年にわたり原文にあたって研究を重ね、そこに描かれている色や衣裳の表現を丹念に解読。その研究成果は、著書『源氏物語の色辞典』(紫紅社)に結実しました。本展では、主人公・光源氏の着た「桜のかさね」の直衣(のうし)姿、姫君たちの色彩豊かな衣裳やかさねの色目の再現が展示されています。これらの衣裳を目の前にすると、あたかもそこに作品の中の登場人物たちが等身大になって立ち現れたかのような錯覚を起こし、あでやかな当時の色彩感覚を体感することができます。

平安時代の色を目の前で感じられるなんて不思議……!

『源氏物語』の衣裳の再現

第二展示室の先、古香庵展示室に置かれていたのは、『日本の色辞典』色標本屏風。記事の冒頭でもご紹介した『日本の色辞典』作成のために染められた146色の色見本が一枚の屏風に仕立てられています。

『日本の色辞典』色標本屏風

少し、近くに寄って見てみましょう……。

藍、紺、褐色、鉄紺色、柳色、裏葉色……植物染で生み出された、優しい色合いの日本の伝統色がずらりと並んでいますね。

その3 編集者・文筆家

吉岡氏の業績の中で、忘れてはならない重要なもう一つの仕事が編集者・文筆家としての仕事ではないでしょうか。吉岡氏は若い頃、生家の家業を継ぐのを厭い、ジャーナリストを目指して東京の早稲田大学第一文学部文芸学科へ進学。卒業後は出版社に勤めた後、自ら美術書の出版社「紫紅社」を設立し、美術工芸に関する雑誌や全集、豪華本などを編集・出版しました。

会場に展示された紫紅社の書籍。『小紋手鑑』は1973年に刊行した吉岡氏の父・吉岡常雄氏の著書

家業を継いだ後も紫紅社の運営を続け、色や染織に関する自らの研究成果を書籍化し出版すると同時に、日本や世界の美術工芸を中心とした書籍を世に送り出しました。また、他社の雑誌や書籍などでも日本の色や文化に言及した原稿を多数寄稿。これらの書籍や原稿は、日本の色の魅力を世に伝えるとともに、吉岡氏の研究成果を後世に伝え遺しています。

会期中、ミュージアムショップでは、紫紅社の書籍を販売

その4 蒐集家

今回の展覧会では、吉岡氏の蒐集家としての顔も垣間見ることができます。生前、日本・世界各地の染織遺品や文献資料を蒐集していた吉岡氏。実際に、古い資料を目で見て、手で触ることで自身の染色の仕事のお手本にしていたそうです。それらの資料は希少性の高いものも多く、現在、「染司よしおか」には、吉岡氏の父であった4代目の蒐集品も含め、膨大な量の資料が保管されています。

第三展示室では、普段一般に公開されることのない、吉岡氏の貴重なコレクションの一部が展示されています。

正倉院裂(7~8世紀)

最初の展示ケースに納められていたのは、7~8世紀の正倉院裂。素材は絹と麻で、どれも格調高い色を湛えており、当時の高い染織技術を今に伝えています。写真手前の資料は、「赤輪違い文纐纈薄絹(あかわちがいもんこうけちうすぎぬ)」。「纐纈(こうけち)」とは、絞り染めのこと。布の一部を糸でくくるなどして染料が染み込まないようにして文様を染め出しています。

正倉院裂の隣には、平安時代の法典『延喜式』の古写本が。その次に展示されていたのが、こちらの赤星家(滋賀県大津の大名)旧蔵「古代印度更紗裂(こだいいんどさらさきれ)」。

古代印度更紗裂(17~18世紀)

一つ一つ異なる繊細な文様が染め出された小さな布は、眺めているだけでワクワクしますね。「更紗(さらさ)」とは、インドで考案された染織品。インドの特産品である木綿の布に、特殊な技術を用いて植物や鳥獣、人物など、さまざまな模様を多色で染め出したものです。日本には、室町時代から南蛮船や紅毛船でもたらされ、江戸時代には将軍や大名、茶人、そして裕福な町人らの間で衣装や茶道具の仕覆などにともてはやされ、友禅染の技法にも大きな影響を与えました。

中には、こんなにカワイイ文様も……!
たしかに、これはキュ〜ト!

本資料は、「手鑑(てかがみ)」と呼ばれる鑑賞およびコレクションのための見本帳のようなもの。江戸初期に輸入された古渡(こわたり)更紗で、台紙には和歌を手習いした後の和紙が用いられています。

第三展示室では、この他にも、美しい絞りや刺繍がほどこされた江戸時代(16~17世紀)の着物の古裂やメトロポリタン美術館に錦の裂を納めた京都の伝説の古美術商・野村正治郎(のむらしょうじろう)旧蔵の古裂帖など、吉岡氏愛蔵の貴重な資料の数々を鑑賞することができます。

その5 アートディレクター

最後にご紹介する吉岡氏の「顔」は、あまり表に名前が出てこない仕事かもしれません。吉岡氏は日本の色や文化に対する豊富な知見と構成力を生かし、アートディレクターとしての仕事も数多く手掛けていました。

成田空港第2ターミナル到着コンコース アートワーク(写真提供:タウンアート)

こちらは、日本の玄関、成田空港の第2ターミナル到着コンコースのアートワーク。海外からの渡航者や日本への帰国者を最初に出迎えるこの場所の空間展示の企画・監修を吉岡氏が担当しました。日本の伝統色や伝統工芸を用いて、日本の美と伝統の技を感じさせるアートワークを制作。「染司よしおか」で藍と紅花を使って染めた2色の「光屏風」(上)や、本物の素材を使って日本の伝統工芸の技を紹介する壁面展示(下)が今も空港で多くの人々を出迎えています。

成田空港第2ターミナル到着コンコース アートワーク(撮影:フォワードストローク)

吉岡氏のアートディレクターとしての仕事は、東京メトロ南北線溜池山王駅のデザインアートウォール、電通の企業カレンダー、JTの広告、美術館や画廊の展覧会の企画・構成など多岐に渡り、さまざまなイベントや広告、印刷物、空間展示などの制作ディレクションを通じて日本の美と文化を人々に伝えていました。

マルチな才能をお持ちだったんですね。

古の日本の色を探求し、現代人に伝える

染色家、染屋の5代目当主、染織史家、編集者、文筆家、蒐集家、アートディレクター……、さまざまな顔を持つ吉岡幸雄氏。(もしかすると、私たちの知らないもっとたくさんの隠れた顔をお持ちだったかもしれません。)染織史家としての研究や自ら蒐集した古今東西の染織資料を土壌として、自身の工房で染色の仕事を行い、染色の現場に実際に身を置くことで、それがまた研究の糧になっていく。研究者、染色家の仕事の中で培った知見を著書や原稿、アートディレクションを通じて世の人びとに伝えていく。そして、編集、執筆、ディレクションの作業を通じた新たな出会いもまた、染色や研究の仕事に還元されていく……。これらの仕事は独立して存在していたのではなく、すべてを循環させながら、吉岡氏は急速な発展の中で忘れ去られそうになっていた日本の色を探求し、現代に伝えてくれました。

本展では、生涯を通じて日本の色の伝道師であった吉岡氏の歩んだ道のりを辿ることができます。ぜひ、古から現代に蘇った豊かな日本の色の世界を実際にご自身の目で見て、体感してみてください。

また、昨今の社会状況に伴って、残念ながら会場に足を運ぶことが難しい……といった方は、まず、吉岡氏の著書で壮大な日本の色の世界に分け入ってみてはいかがでしょうか? 吉岡氏の遺作となった『吉岡幸雄の色百話 男達の色彩』(世界文化社)は、「色」をテーマにした百のエッセイが収録された随筆集。吉岡氏の豊富な知識と実体験にもとづいた色にまつわるお話は、飛鳥時代の日本からヨーロッパ、南米、果ては南太平洋の島々まで、世界中を縦横無尽に駆け巡り、私たちを時代も国も越えた、美しい「色の冒険」へと誘ってくれます。

吉岡幸雄『吉岡幸雄の色百話 男達の色彩』

ちなみに、こちらの本は、展覧会を訪れる予定の方にもおすすめの一冊。展覧会の展示作品の制作秘話や蒐集品の蒐集経緯などのエピソードも掲載されており、本展をさらに深く楽しめる内容になっています。

染司よしおかHP:https://www.somenotsukasa-yoshioka.com/

紫紅社HP:https://www.artbooks-shikosha.com/

紫紅社Twitter:紫紅社@kyoto_shikosha

細見美術館概要

実業家で日本美術コレクターの細見古香庵(ここうあん)に始まる細見家三代の蒐集品を基礎として、1998年に開館。所蔵品は、神道・仏教美術から茶の湯の美術、琳派や伊藤若冲といった江戸絵画など多岐に渡る。所蔵品を中心とした多彩な企画展を年5~6回開催。館内には茶室、セレクトショップ、カフェも併設。

住所:京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
開館時間:10:00-17:00(最終入館は16:30)
休館日:月曜日(祝日の場合翌日休)、展示替え期間、年末年始
アクセス:地下鉄東西線「東山駅」2番出口から北へ徒歩10分
公式webサイト:https://www.emuseum.or.jp/index.html

特別展 日本の色-吉岡幸雄の仕事と蒐集-

開催期間:2021年1月5日(火)~4月11日(日)(前期1月5日(火)~2月21日(日)、後期2月23日(火・祝)~4月11日(日))
※追記;5月9日(日)まで会期延長となりました
※緊急事態宣言の期間中、美術館は臨時休館となります。詳細・最新情報は、美術館のHPをご確認ください。

休館日;月曜日(祝日の場合翌日休)
開館時間:10:00-17:00(最終入館は16:30)
料金:一般 1,400円、学生1,100円

書いた人

大阪府出身。学生時代は京都で過ごし、大学卒業後東京へ。分冊百科や旅行誌の編集に携わったのち、故郷の関西に出戻る。好きなものは温泉、旅行、茶道。好きな言葉は「思い立ったが吉日」。和樂webでは魅力的な関西の文化を発信します。

この記事に合いの手する人

我の名は、ミステリアス鳩仮面である。1988年4月生まれ、埼玉出身。叔父は鳩界で一世を風靡したピジョン・ザ・グレート。憧れの存在はイトーヨーカドーの鳩。