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2021.05.11

こんな招き猫見たことない!持ち主の感情を映し出す!?『ミニマル招き子猫』ができました

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愛らしく、ラッキーモチーフでもある招き猫。今までデザイン豊かな招き猫を製作してきましたが、今回は究極に潔い(でもかわいい)招き猫をつくろうと、顔のないデザインにしてみました。いつもよりちょっと小さい、子猫サイズで登場です!

シンプルでかわいい!江戸木目込人形というそうです

江戸木目込人形とは?

京都で280年ほど前に発祥した伝統工芸が木目込人形。人形の型に1、2mmほどの筋を彫り、そこにのりを入れて〝きめ込む〞ことから、この名がつきました。技術はやがて江戸に伝わり、発展したものが「江戸木目込み人形」です。

製作したのは日本有数の江戸木目込人形の名店、柿沼人形

1950年、人形師の初代・柿沼東光によって創業。型づくりから木目込に至るすべての作業を、職人の手で行っています。雛人形や五月人形が有名ですが、数年前に、木目込の技術を世界に広めようと、ラッキーモチーフの招き猫を制作。海外の見本市で話題になり、現在も百貨店の催事などで人気の商品に。和樂と出合ってからは、デザイン豊かな招き猫を、続々とコラボレーションしています。織物文化が盛んな日本の特性を生かし、全国のさまざまな織物を招き猫にした「ご当地フォーチュンキャット」が瞬時に完売するなど、大きな話題になりました。

柿沼人形公式ホームページ

なぜ『ミニマル招き子猫』には顔がないの?

いつの間にか、多くの情報が、滝のごとく流れてくる世の中になりました。さらに昨年からのコロナ禍の影響で、ネット上での仕事のやりとりも加速化。24時間365日、情報にさらされる環境です。一定期間スマホやパソコンと距離を置き、ストレスを解消する「デジタルデトックス」なる言葉が生まれたのも、当然と言えるでしょう。

たしかに、スマホやPCを見る時間は増えたな〜

しかしその反動で、断捨離をはじめとする、生活をよりシンプルにしている人も増えています。自らを「ミニマリスト」と名乗る人も。「たくさんの情報」と「余計なものの淘汰」、ふたつをバランスよく選ぶのが、今らしい生き方となってきました。

今回、顔のない招き猫をつくったのには、そういった背景があります。周りを見渡せば、情報、情報、情報。そういった環境から、少し離れられるものが家にあると、心が安らぐのではないかと。もともと、大変人気の高い江戸木目込人形の招き猫。かわいらしい形と愛嬌のある表情、華やかな生地使いが特徴ですが、一度それを、削ぎ落としたらどうか。招き猫の形だけは残して、あとは可能な限りシンプルに。色も無彩色にし、より情報量を少なく。すると、木目込人形の端正さはそのままに、持ち主の感情を映し出すような、今までにない招き猫が誕生したのです!

余談ですが、飛騨高山の郷土玩具「さるぼぼ」(江戸時代に伝わった赤ちゃん人形)も、同じような理由から顔がないといわれています。実は日本人は昔から、情報のないところに価値を見出す国民性があったんですね。今の時代も、自身を振り返ることのできる場所が大切。この『ミニマル招き子猫』を通して、ときには、そんな時間をもってみてはいかがでしょう。

完成までには意外と困難が!『ミニマル招き子猫』製作ストーリー

今回、「自分の気持ちが投影できるような、顔のない招き猫をつくろう」と、思いついたのはいいものの、実現までには予想以上の手間と時間がかかってしまいました。今までにない「顔なし」という挑戦もあり、型の製作からスタート。

いつもと〝きめ込む〟場所が異なるため型から製作。これをもとに土台をつくります

それをもとに人形の土台をつくり、いざ、きめ込み作業へとなったところで、うまく生地がきめ込めないことが判明したのです! 当初は、なるべくシンプルに、というデザイン意図を汲んだプレーンな生地を用意したのですが、それが土台の形と相性が悪く、なんだかかわいくない仕上がりに……。

試作第1号ではシャツに使用するような、薄いコットン生地を採用しましたが、アラが目立ち却下。全体的に素っ気なさすぎる印象も

個性がありすぎず、人形の形とも相性のよいスラブ生地に変更しました

ディテールを削ぎ落とすということは、それだけごまかしが利かないということ。生地の風合いと木目込技術だけで、完成度の高いものをつくらなくてはならない難しさを、あらためて実感。かといって、華美にしすぎては「ミニマル」というコンセプトから外れてしまう。ディテールも含めて、ギリギリのバランスの試行錯誤を繰り返し、誕生したのが、この『ミニマル招き子猫』なんです。

コンセプトを表現するのに、生地の質感が想像以上に大切だったんですね

装飾を限りなく削いだ分、どこかモダンな雰囲気に。空間にこだわらないデザインとなりましたので、お気に入りの場所に置いて、どうぞかわいがってあげてください。

ミニマル招き猫の魅力を紹介

今回の招き猫は、「顔がない」という特徴が怖く見えないように、 通常より、ひと回り小さいサイズで制作。だから『子猫』なんです。どんなインテリアにもなじみやすい、黒と白の2色展開。丸みを帯びた愛嬌のあるシルエットが、より際立っています。

従来の「和樂の招き猫」にあった、大きな目やかわいい鼻をなくし、形だけで顔を表現

首輪だけは赤にしてアクセントに。鈴の部分には、スワロフスキーを使用

後ろ姿もチャーミング。丸みを帯びた後頭部、ピコンと立ったしっぽなど見どころ満載!

カラーは黒と白の2色です
両方並べてもかわいい〜!

商品名:和樂の招き猫 「Fortune Cat」ミニマル招き子猫
価格:各12,000円(税込)
仕様:約幅8×奥行き6×高さ11.5cm、113g。ウレタン樹脂、ウエッジスラブ(ポリエステル99%、ポリウレタン1%)、レーヨン、スワロフスキークリスタルほか。敷き布、化粧箱、「和樂」のタグ付属。日本製。
限定数:30
※職人による手づくり品のため、サイズ、重量に若干の個体差が生じます。
※追加生産を決定した場合はパルショップHPにてお知らせします。

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編集長から「先入観に支配された女」というリングネームをもらうくらい頭がかっちかち。頭だけじゃなく体も硬く、一番欲しいのは柔軟性。音声コンテンツ『日本文化はロックだぜ!ベイベ』『藝大アートプラザラヂオ』担当。ポテチと噛みごたえのあるグミが好きです。