Culture
2019.08.21

見るだけで和む。松屋銀座「今森光彦展 写真と切り絵の里山物語」(8/28~9/4)

この記事を書いた人

人と自然がともに生きる、里山

環境省の公式サイトを開くと、自然環境の保全の項目に「里地里山」という言葉が見られます。
その説明を引用すると、「里地里山とは、原生的な自然と都市との中間に位置し、集落とそれを取り巻く二次林、それらと混在する農地、ため池、草原などで構成される地域です。農林業などに伴うさまざま人間の働きかけを通じて環境が形成・維持されてきました」とあり、「里地里山は、特有の生物の生息・生育環境として、また、食料や木材など自然資源の供給、良好な景観、文化の伝承の観点からも重要な地域です」と記されています。
そして、やはりというべきか、その存続が心配されています。

そんな里山にいち早く目を向け、そこで生み出される自然と人の豊かな営みを見つめ続けてきたのが、写真家の今森光彦さんです。

滋賀県・琵琶湖を望む田園風景の中にアトリエを構える今森さんは、四季折々に移り変わる田んぼや里山に集まる生き物をつぶさに観察し、優れたスチールやムービー作品を多数手がけてきました。

また、蝶や鳥、植物をモチーフにした切り絵作品の作家としても知られ、里山に対する深い洞察力と、たった一本のはさみから生み出される作品には、植物の鮮やかさや昆虫の力強さが生き生きと表現されています。
そんな今森さんの里山でのライフスタイルを紹介しながら、その魅力に写真と切り絵から迫る展覧会「今森光彦展 写真と切り絵の里山物語」が、2019年8月28日(水)~9月4日(水)、松屋銀座で開催されます。

「今森光彦展 写真と切り絵の里山物語」

PETしおり 各250円+税

第1章 里山物語:湖西(琵琶湖の西方)を中心に撮影された美しく迫力ある里山の写真を紹介。
第2章 里山の庭とくらし:2019年3月に刊行された写真集『オーレリアンの庭』から、生き物が集まる庭で撮影された写真作品を紹介。庭に集まる蝶や昆虫、四季に合わせて変化する美しい自然のほか、琵琶湖の自然に寄り添って暮らす今森さんのライフスタイルや日々の環境活動についても紹介。
第3章 里山のアトリエ:モノクロやカラーなど、大型の最新作を含む切り絵作品を展示。一本のはさみから生み出された、精緻で生き生きとした作品群は圧巻!

今森光彦 ギャラリートーク&サイン会

撮影秘話や制作の裏話などを聞きながら展覧会会場を巡るギャラリートークを会期中全7回開催。ギャラリートーク終了後のサイン会とあわせて、今森さんの里山に対する想いを知ることができる貴重な機会です。
日時(各回約30分程度):
8月28日(水)①11時~ ②14時~
8月30日(金)①14時~
8月31日(土)①11時~ ②16時30分~
9月1日(日)①11時~ ②14時~
集合場所:展覧会会場内入口(要入場券)
※ギャラリートークが終わり次第、サイン会を開催。サイン会は、物販会場で購入されたすべての書籍のみが対象。ギャラリートークとサイン会は予約不要。

豆皿 各1200円+税

展覧会のオリジナルグッズも充実!

隣接の物販会場で販売されるオリジナルグッズでも注目したいのが、今回初めて受注販売する15種の切り絵作品のジクレー版画。


切り絵作品のジクレー版画イメージ

ほかにも、ステーショナリーや豆皿・マグカップなどの陶器類、Tシャツやトートバッグ、クッションカバーなど、多種多様なアイテムが用意されています。

Tシャツ 各2500円+税

トートバッグ 左・2400円+税 右・2800円+税

「今森光彦展 写真と切り絵の里山物語」概要


会期:2019年8月28日(水)~9月4日(水)
会場:松屋銀座8 階イベントスクエア
時間:10 時~18時 ※9月1日(日)は19 時30 分まで(最終日は17 時閉場 入場は閉場の30 分まで)
入場料:一般1,000円、高校生700円、中学生500円、小学生300円 ※割引設定がある前売券はヤフーパスマーケット、ローソン(L コード:33048)、セブンイレブンにて8月27日(火)まで販売予定。

今森光彦 いまもりみつひこ
1954年、滋賀県生まれ。写真家・切り絵作家。大学卒業後独学で写真技術を学び1980年よりフリーランスとなる。琵琶湖をのぞむ田園風景の中にアトリエを構え活動。自然と人との共存を里山というキーワードで表現し続けている。第20回木村伊兵衛写真賞、第28回土門拳賞、第48回毎日出版文化賞、第56回小学館児童出版文化賞、第42回産経児童出版文化賞大賞など数多くの賞を受賞。

新刊書籍『光の田園物語~環境農家への道~』

今森光彦の新たな挑戦は、農家となり、荒れ果てた土地を里山環境としてよみがえらせること。「光の田園」と名付けた美しい棚田が広がる一角で、荒地を開墾し、生命力あふれる農地を取り戻そうと悪戦苦闘します。放置され続けた竹藪との壮絶な格闘、姿を現した古木や山の神々からの贈り物。里山に生きる写真家が、未来に贈る美しい風景”を取り戻すための挑戦の記録。8月下旬刊行。
B5 変型 208ページ 並製 定価:本体2,500 円+税

特別イベント情報

宇宙で、地球で、科学がげんきだ! 科学絵本大集合の2019年夏!!
今森光彦さんスペシャルトークイベント&サイン会

日時:8月31日(土) 14時~15時15分
場所:クレヨンハウス東京店1F子どもの本売り場
参加費:無料 ※要予約
クレヨンハウス東京店 公式サイト

テレビ番組放送予定

NHK BS4K、BSプレミアムにて「オーレリアンの庭 今森光彦・四季を楽しむ里山暮らし(89分版)」が再放送されます。
<BS4K>8月20日(火)13時~、8月29日(木)6時45分~
<BSプレミアム>8月28日(水)14時45分~
※番組内容は変更になる場合があります。放送時間は番組表でご確認ください。

書いた人

通称TAKE-G(たけ爺)。福岡県飯塚市出身。東京で生活を始めて40年を過ぎても、いまだに心は飯塚市民。もともとファッション誌から始まったライター歴も30年を数え、「和樂」では15年超。日々の自炊が唯一の楽しみ(?)で、近所にできた小さな八百屋を溺愛中。だったが、すぐに無くなってしまい、現在やさぐれ中。