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2019.09.27

上野で開催の今秋最高の印象派展!「コートールド美術館展」を見逃すな!

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酷暑の夏が終わり、いよいよ本格的な秋の気配が近づいてきましたね。こうなると俄然行きたくなるのが美術館。2019年秋も、東京や大阪、京都といった大都市を中心として、各館が趣向を凝らした今年一番の「勝負展」をぶつけてきています。

そんな中、東京都美術館がぶつけてきた今年の秋の勝負展は「コートールド美術館展」。海外の美術館に詳しい方以外は、あんまり聞き慣れない美術館かもしれませんね?ボストン美術館やエルミタージュ美術館、オルセー美術館といった、日本での企画展常連の美術館とは違い、滅多に海外での所蔵品展をやらないミュージアムのようです。

しかしフタを空けてみればこの「コートールド美術館展」、「印象派展」としてとんでもなくクオリティの高い展覧会でした!モネやセザンヌ、ルノワールといった印象派の作品を中心に来日した約60点は、どれも非常に見応えがあって大満足。これは早速記事にしなくては!ということで、和樂編集部を代表してオープン前日の内覧会で取材してまいりましたので、簡単に見どころや作品の魅力をまとめてみたいと思います!

コートールド美術館について

コートールド美術館 外観

まずは「コートールド美術館」について簡単におさらいしておきましょう。コートールド美術館は、戦前に繊維業の取引で大成功を収めた富豪サミュエル・コートールドの個人コレクションを核として、1932年、イギリス・ロンドンの中心街に建てられました。

主力となる収蔵品は、サミュエル・コートールドがこよなく愛したフランス印象派絵画を核としており、マネ、モネ、ルノワール、ドガ、シスレー、セザンヌ、スーラ、ゴッホ、ゴーガンといった印象派・後期印象派の優品が収められています。また、彼らに続くマティス、モディリアーニ、カンディンスキーといった20世紀前半を代表する巨匠の絵画作品も収蔵しています。

サミュエル・コートールド肖像写真

また、コートールド美術館は本格的なフランス絵画が観られる美術館として凄いだけでなく、美術分野における研究でも世界屈指の実力を有していることです。併設された「コートールド美術研究所」は、ロンドン大学を構成するカレッジの一つとして、最先端の科学技術を応用した美術史研究・美術品修復技術に力をいれており、本展でも同館の調査研究の成果が展示内容に反映されています。

なぜ今回コートールド美術館展が開催されることになったのか

コートールド美術館の屈指の印象派コレクションの数々は、国外へと貸し出されることは滅多にありません。ではなぜ今回同館の主力作品をごっそり借用して大規模な所蔵品展が東京で可能になったかというと、コートールド美術館が大規模な施設修繕のため2018年から2021年まで長期休館中だったからなのです。ラッキーですよね。

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サラリーマン生活に疲れ、40歳で突如会社を退職。日々の始末書提出で鍛えた長文作成能力を活かし、ブログ一本で生活をしてみようと思い立って3年。主夫業をこなす傍ら、美術館・博物館の面白さにハマり、子供と共に全国の展覧会に出没しては10000字オーバーの長文まとめ記事を嬉々として書き散らしている。