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2019.05.09

河井寛次郎、濱田庄司、バーナード・リーチの名品が西武池袋本店で気軽に鑑賞できる!

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国内外の巨匠や人気作家の名品から、次世代を担う注目の若手作家による最新作までピックアップして紹介し、アートを身近に楽しめる空間として人気を集めている西武池袋本店6階の「西武アート・フォーラム」で、5月8日から14日まで「民藝の系譜展」が開催されています。これは、うつわ好きにとって憧れの作家の、優れた作品が、百貨店で自由に鑑賞できるという、見逃せないチャンスです。

西武アート・フォーラム「民藝の系譜展」

民藝運動は、大正末期に思想家で宗教哲学者の柳宗悦と陶芸家の河井寛次郎、濱田庄司、富本憲吉たちによって興された、普段使いの日用雑器の中にすこやかな美を見出そうという運動でした。

やがて方向性の違いから富本憲吉は民藝運動から離れていきますが、この運動からは後に人間国宝となる芹沢銈介(型絵染)や黒田辰秋(木工芸)などの人気工芸作家が生まれました。

「民藝の系譜展」では、民藝運動の草創期を支えた作家たちと、彼らと親交の深かった朋友バーナード・リーチといった、昭和の時代に一世を風靡した名工たちの作品を紹介。日用雑器の「用の美」に触れることができます。

出品予定作家:河井寛次郎、濱田庄司、富本憲吉、芹沢銈介、黒田 辰秋、バーナード・リーチほか ※出品作家および作品は都合により変更となる場合があります。


濱田 庄司「琉球窯赤絵水滴」 径6.7×高さ7.5㎝ 共箱
昭和34(1959)年から再び本土との渡航ができるようになった沖縄で、濱田が作陶を再開した60歳代後半の作品と思われます。中央に描かれている横向きの植物は、濱田が好んで描いたサトウキビの文様。沖縄の素材を用いることで、濱田の作風は明るくのびやかになっていて、このような多角形の水滴は作例として非常に珍しいもの。


バーナード・リーチ「黒釉紋押花瓶」 径15.7×高さ28.2㎝ 共箱
画家として22歳の時に来日したリーチは、日本の陶芸に興味を持ち、25歳から本格的に陶芸を開始。以来、日本と英国を往復しながら、東西の文化を融合させた特徴ある作風を生み出しました。本作は1960年代後半から70年にかけて制作されたと思われるもので、円筒形の中央部に縦に長いS字型の連続模様を型押しすることで、作品全体にエッジの効いた緊張感を与えています。


河井 寛次郎「呉須丸紋花絵大鉢」径39.5×高さ11㎝ 河井紅葩識
柳宗悦や濱田庄司らと立ちあげた民藝運動に最も積極的に参加し、鑑賞するための陶器ではなく、食器や花器など生活の中で使うことを重視していた昭和10(1935)年~昭和15(1940)年に制作された作品。最近は、このような大型の鉢は珍しくなりましたが、蝋抜きした円の中に、青い呉須と赤い辰砂で幾何学文や草花文が描かれています。

西武アート・フォーラム「民藝の系譜展」

2019年5月8日(水)~14日(火)
⻄武池袋本店 東京都豊島区南池袋1-28-1 6階(中央B8)
電話03-3981-0111(⼤代表)
営業時間 10:00~21:00(⽇・祝休⽇は~20:00)※最終日5月14日(火)は、当会場のみ16:00閉場 不定休
西武池袋本店 公式サイト

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通称TAKE-G(たけ爺)。福岡県飯塚市出身。東京で生活を始めて40年を過ぎても、いまだに心は飯塚市民。もともとファッション誌から始まったライター歴も30年を数え、「和樂」では15年超。日々の自炊が唯一の楽しみ(?)で、近所にできた小さな八百屋を溺愛中。だったが、すぐに無くなってしまい、現在やさぐれ中。