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2017.11.06

「あこがれの明清絵画」 静嘉堂文庫美術館【2017年】

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2017年12月17日まで、静嘉堂文庫美術館で「あこがれの明清絵画 〜日本が愛した中国絵画の名品たち〜」が開催中です。

明清絵画_チラシ

江戸の絵師も憧れた山水画や花鳥画が一堂に

江戸時代以降の日本で多くの画家の憧れの対象となったのが、中国・明清時代(1368〜1912年)の絵画です。伊藤若冲も円山応挙も谷文晁も夢中になったというその大いなる魅力を、静嘉堂文庫美術館の質の高いコレクションから辿る企画展。李士達の山水画の傑作「秋景山水図」、百種類近くの草花を華麗に描いた余崧「百花図巻」ほか、名品がずらりと並びます。なかでも沈南蘋の代表作「老圃秋容図」は、朝顔の咲く中、猫がカミキリムシを狙って今にも飛びかかろうとする一瞬を描いたもので、写実性と吉祥性を兼ね備えた画風が日本の花鳥画に新風を巻き起こしたというのも納得の作品。ほかにも明末から清初にかけての非常に個性的な書跡など、珍しい作品ばかり。

P4_静嘉堂2v中国語で猫は「マオ」と読み、70歳を意味する「耄」と同じ音であることから、長寿の意味をもつ吉祥画題とされている。沈南蘋 「老圃秋容図」 清時代・雍正9(1731)年 静嘉堂文庫美術館蔵

DMA-P4_静嘉堂1v重要文化財 李士達 「秋景山水図」 明時代・万歴46(1618)年 静嘉堂文庫美術館蔵

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