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2017.06.13

フォアグラと奈良漬けの奇跡の出会い!リョウリヤステファンパンテルでいただけます!

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フランス人シェフを魅了する京都の食文化が一皿に

-文/藤田 優和樂スタッフ(京都取材歴ナンバーワン。食をはじめ雑貨にも詳しい)-

「出合いもん」は京都の料理に欠かせないキーワードだ。相性のいい食材を上手に取り合わせて、味の相乗効果を生む。在京15年になるフランス人シェフ、ステファンさんもそんな「出合いもん」に魅せられた。今や店の看板となった「フォアグラのコンフィ 奈良漬け巻き 南国フルーツソース」(写真)はその代表作。DMA-_DSC6995京都の老舗の奈良漬店「田中長(たなかちょう)」の大根の奈良漬を口にして、発酵食品のもつ酸味がフォアグラに合う、とひらめいたそうだが、フォアグラが浮かぶところが、パリの星付きレストランで働いてきた料理人ならでは。この料理は「天才!」としか言いようがなく、いつ食べても感心する。それだけでない、堀川ごぼうに炊き昆布、大原の温泉卵に鯖のへしこといった組み合わせに、ジュニパーの香りやラズベリーとビーツのソースといったフレンチのエッセンスが加わるのだから、おいしいを通り越して、愉快な気分になる。
 
ステファンさんの料理を京風といった言葉でくくるのは見当ハズレだ。言えるのは、フランスで一流の腕を磨いた料理人が京都に暮らしたら、こういう料理になりました、ということ。水や食材を地のものに合わせれば、必然的にだしのとり方も変わってきたそうだ。彼はこれまでのキャリアを刷新して京都の食材と向き合い、新しい料理を表現しようとしている。その試みは私にとっても大いに発見があり、学びがある。スクリーンショット 2017-06-08 12.14.09