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2020.10.12

傾城の美女「阿波の小少将」夫の部下と不倫?さらにその部下を愛人に?スゴすぎる男遍歴

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傾城の美女、そう呼ばれる女性が歴史上に存在する。その美しさのあまり男を惑わし、政治や国をも揺るがしてしまう妖艶な女のことを指す。

ご紹介するのは「阿波の小少将(こしょうしょう)」と呼ばれる、まさに一城を破滅に導いた女性だ。生まれ持った美貌を存分に活かし、50歳近い年齢を迎えてなお敵将の心をも掴んだと言われる。そんな阿波の小少将は、どんな男たちと関わり、どのように政治に影響を及ぼしたのだろうか。

最初の夫・細川持隆~正妻の侍女から側室に~

阿波の小少将は、戦国時代末期に生きた女性。西条東(さいじょうひがし)城(徳島県阿波市)の城主・岡本牧西(おかもとぼくさい)の娘である。

父の岡本牧西は、阿波守護の細川持隆(ほそかわ もちたか)に取り入るべく、美しく成長した小少将を持隆の居城・勝瑞(しょうずい)城にいる正室に侍女として出仕させた。当然、持隆は美貌の少女を放っておくはずがなく、側室となった小少将は妊娠し長男・真之が生まれた。正室には子どもがいなかったので、おのずと小少将の息子が跡継ぎとなる。小少将は跡継ぎを生んだ側室として、勝瑞城を取り仕切るようになったのだ。

夫の部下・三好実休と不倫~下剋上の乱が発生~

夫・細川持隆は不在がちだったうえに、小少将よりかなりの年上だった。これに満足できなかった小少将は、夫の部下・三好実休(みよし じっきゅう)を誘惑する。実休は持隆より30歳も若いばかりか、豪胆でたくましい性格だったとされ、小少将は実休との不倫に熱中した。主君の妻との「禁断の恋」に実休も酔っていたことだろう。

そもそも実休は持隆の政治に強い不満をもっており、2人は対立していた。しかも妻を寝取られたとあれば、持隆は黙っていない。天文21(1552)年8月19日、ついに「見性寺(けんしょうじ)の乱」が発生した。

持隆は、実休を殺すため見性寺(当時は龍音寺)に宴を口実に呼び出すが、それが実休の耳に入った。実休は、2千の兵を集めて持隆を殺害。これによって主君不在となった阿波は三好氏のものとなる。この乱の一因となった小少将は、不倫相手・実休の妻におさまった。

実休の部下・篠原自遁を愛人に~勝端城が大きく傾く~

実休の子を3人もうけた小少将だったが、その幸せは長く続かず、実休は久米田(くめだ)の戦いにおいて36歳で討死してしまう。

この時、小少将は29か30歳。まだまだ女盛りだった小少将は新しい男を求め、三好家の有力家臣・篠原長房(しのはら ながふさ)とその弟・自遁(じとん)に迫る。長房には断られたものの、自遁を愛人にした小少将。2人の熱愛ぶりは、領民たちにおもしろおかしく噂され、長房は「亡き主人への無礼になるから恋愛をやめろ」と2人を諫めた。

これに怒った小少将は、息子長治(ながはる、実休との子)に命じ長房を追放。自遁も加勢し、長房は自害したと伝わっている。宣教師ルイス・フロイスも手腕を褒めた長房は、善政を行った人物として知られ、長房を失った勝端城には破滅の闇が迫ってきた。

アラフィフにして敵将・長宗我部元親の心を掴む?~息子も愛人も見捨てて~

暴政をふるった三好長治は、守護・細川真之と対立するようになる。2人とも小少将の息子であるが、両者の対立は内乱に発展し、敗れた長治は25歳で自刃した。

小少将は、長治の跡をその弟に継がせる。しかし、内乱でしっちゃかめっちゃかになった阿波は長宗我部元親に攻められ、勝端城にも大軍が攻め寄せる。愛人の自遁や息子は逃亡し、父・岡本牧西は討ち死に。小少将も命を落としたか……と思われるが、ここは傾城の美女の本領発揮。なんと、敵将だった長宗我部元親の心を射抜き、土佐で新たな人生を送ったという伝承が残っているのだ。

これが事実だとしたら、この時小少将は50歳に近い年齢。しかも「長宗我部系図」によると、小少将は元親の子どもを産んでいるのだ。美しさのあまり一国を傾け、息子や愛人を破滅に導きながら、自らは将来有望な武将の妻におさまる……。「ペンは剣より強し」という言葉があるが、それ以上に「美貌は剣より強し」かもしれない。

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書いた人

大学で源氏物語を専攻していた。が、この話をしても「へーそうなんだ」以上の会話が生まれたことはないので、わざわざ誰かに話すことはない。学生時代は茶道や華道、歌舞伎などの日本文化を楽しんでいたものの、子育てに追われる今残ったのは小さな茶箱のみ。旅行によく出かけ、好きな場所は海辺のリゾート地。