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2017.02.17

北斎も歌麿も登場!MOA美術館のリニューアル記念名品展はこんなにすごい

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内覧会狂想曲第3弾!完結編

MOA美術館の総力を結集して、2月5日から開催されている「リニューアル記念名品展」。仏教美術、茶道具、工芸品、墨跡・・・重要文化財のオンパレード!じっくりゆっくり堪能できる展覧会になっています。

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和樂的に注目は、やはり絵画部門。国宝の「紅白梅図屏風」はもちろんですが、琳派と浮世絵にも注目したいところです。

まずは葛飾北斎の肉筆浮世絵「二美人図」。まだ40代だった北斎が描いた、北斎美人画の最高傑作といわれるもの。確かに、ふたりの女性のポーズ、構図、そのなまめかしさは、画鬼北斎の画力を十二分に堪能できる作品です。北斎の真価は肉筆にこそあり、ともいわれますから、その筆致の凄みを、話題の「高透過彽反射」のガラスケース越しに、楽しんでください。まったくガラスケース無しでみているような感じがしますよ!

この作品は北斎作品の中では貴重な重要文化財作品。この機会に是非、みておきたいものです。
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北斎VS歌麿!美人画対決を堪能せよ!

この作品の横には、喜多川歌麿の「桟橋(さんばし)二美人図」も展示されており、北斎と歌麿のふたりの天才が、どう二美人図を描いたか、ふたりの特徴、魅力の違いを比べながら鑑賞するのはこの上なく楽しいことです。

浮世絵では、もうひとつ、勝川春章の重要文化財作品「雪月花図」も見逃せません。三幅対の作品で、美人画の名手として名高かった春章の実力に触れることができるでしょう。雪月花のうちの真ん中に配された、「月図」に描かれた秋模様、赤紅葉・・・女性の美しさだけでなく、日本の四季、風物を感じさせる作品です。

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江戸時代初期の風俗図「湯女(ゆな)図」(重要文化財)や、尾形光琳の「紫式部図」(重要文化財)、俵屋宗達の「軍鶏図」、さらに中国絵画では伝牧谿の「叭々鳥(ははちょう)図」なども見応えがありました。

本阿弥光悦、尾形乾山・・・琳派の優品も見逃せない!

工芸品では、みごとな蒔絵装飾で飾られた「山水人物蒔絵手箱」(重要文化財)。そして実に奇抜な装飾で人々を引きつける「樵夫(きこり)蒔絵硯箱」(伝本阿弥光悦)と「銹絵染付梅花散文蓋物(さびえそめつけばいかちらしもんふたもの)」(尾形乾山)の琳派の二大作品も見逃せないでしょう。

語り出したらきりがない、今回の「リニューアル記念名品展」。これだけ名品が一挙に見られる展覧会は、十年か二十年に一度しか出合えません!なんとしても「いざ、熱海!」の思いで新幹線、もしくは東海道線に乗って(もちろんバスや自家用車でも・・・)、早春の光溢れるMOA美術館を訪れることを強くお勧めします。

今回のリニューアルを機に、レストランも新しくなったそうですからこちらも要チェックです。
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和樂的には、新設されたカフェコーナー「the Café」が超お勧め!おしゃれなカフェコーナーで本格的オーガニックコーヒーが味わえます。カフェコーナーの隣は眺望のよいロビーなので、日本美術のフルコースを味わって、満腹気分の最後に、カフェで一服!最高の美術鑑賞の一日の締めくくりにexcellent!ですよ!

会期は3月14日火曜日まで。急げ!84

MOA美術館

住所/静岡県熱海市桃山町26-2 地図
開館時間/9時30分〜16時30分 (最終入館は16時まで)
休館日/木曜日(祝休日の場合は開館)、展示替日、年末年始
観覧料/一般1,600円 (1,300円)高大生1,000円 (700円)シニア割引1,400円障害者割引800円小中生無料
    
ホームページ/http://www.moaart.or.jp

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