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2018.04.17

江戸琳派鈴木其一の「朝顔」とゴッホの「ひまわり」。巨匠が描いた大輪の花に心が躍る!

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ぐんぐんと蔓を伸ばしつぼみをふくらませる朝顔にワクワク心躍らせたり、太陽に向かって精一杯に花を開かせるひまわりを見て思わず歓声をあげたり。そんな経験がだれにもあることでしょう。今回は、夏が待ち遠しくなる、大輪の花を色鮮やかに描いた作品をご紹介します。

鈴木其一「朝顔図屏風」

鈴木其一江戸時代後期 六曲一双(上・右隻、下・左隻)各178×380cm メトロポリタン美術館

江戸琳派の奇才・鈴木其一の「朝顔図屏風」に描かれているのは、日本固有の種である群青色の朝顔。光輝く金地を背景に、花と蔓をのびのびと広げています。都会的センスをもつ其一らしい明快な画面は、早朝に咲いて昼にはしぼんでしまう朝顔の、潔い美しさをも表しているよう。植物のたくましい生命力が伝わってきます。其一は朝顔の花を描く際、群青色の岩絵具に混ぜる膠(にかわ)の量を減らしたそう。そうすることで絵具の粒子に光が乱反射する現象を誘い、ビロードのような質感を出したのです。

フィンセント・ファン・ゴッホ「ひまわり」

鈴木其一1898年 ©Bridgeman Images/PPS通信社

いっぽう、この世のユートピアの象徴としてひまわりの花を描いたのは、フランス後期印象派の天才・ゴッホです。生涯に何点か描いたひまわりのうち、浮世絵の影響を受けたアルル時代に描いたのが上の作品。唯一心を許しあえた画家ゴーギャンとの共同アトリエに飾るための一枚です。ゴッホの作品の中でもとりわけ鮮やかな色使いには、友人を思うときの、うれしくてたまらない気持ちがあふれています。本作品は、生命力を表現すべく絵具を厚く塗り重ねて描かれました。明るい色彩は友を迎える喜びの表れですが、同時に、孤独に傷ついていたゴッホのせつなさも滲んでいて、見る者の心を揺さぶります。