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2019.10.03

都内のアート観光に。東洋美術専門美術館、大倉集古館の基本情報と展覧会レポート!

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美術館そのものを味わう楽しみ~伊東忠太の建物、谷口吉生の水盤~

名建築家の「技」を楽しむ

正面から見た大倉集古館。派手な反り屋根や屋根上の幻獣が印象的なゴージャスです。

優れた美術館は、国宝や重文など一流の名品を所蔵するだけでなく、美術品を展示するための「建物」や「敷地内」も含め、美術館全体を楽しむことができるものです。そして大倉集古館にはまさに「美術館そのもの」を味わう楽しみがあります。

まずチェックしてみたいのが、戦前を代表する著名な建築家・伊東忠太(いとうちゅうた)の手による独特の建物。良い意味で日本離れした東洋風の外観・内装はまさに伊東忠太建築の真骨頂。また、彼は自分が設計した建築物の様々な場所に自ら考案したオリジナルの幻獣を配置することでも有名です。大倉集古館でも館内外のあちこちに「忠太オリジナル」の幻獣がいますので、ぜひ頑張って探してみてください!

今回のリニューアルに合わせて新設された、建物を半包囲する美しい水盤にも要注目です。ひと目見て勘の良い方なら気づかれていたかと思いますが、東京国立博物館(法隆寺宝物館)、京都国立博物館(平成知新館)、鈴木大拙記念館など、「水盤」のある数々の現代の名建築を手掛けてきた現代の巨匠・谷口吉生(たにぐちよしお)の設計により制作されました。

バルコニーから見ると、美しい水盤が美術館を取り巻くように設置されていることがわかります。水盤の周囲には遊歩道も設けられ、水盤に囲まれて植えられた大きな柳の木が中国江南地方の名勝風景を想起させますよね。

ちなみにこの水盤を作るために、大倉集古館の建物全体を6.5m奥へと移動させる大工事を行ったのだそうです。凄いこだわりですよね。道理でリニューアルに時間がかかるわけです・・・

美術館外の周囲にも様々なみどころが!

館外の敷地内にも、中国・朝鮮の石像や銅製彫刻が。具体的な出自等のキャプションは設けられていませんが、どれも丁寧に作り込まれ、歴史と由緒のありそうな文化財です。

もちろん、改修前も正門を守っていた金剛力士像も健在。ガラスケースなども設置されておらず、力動感あふれる「生」の迫力を思う存分味わってみてくださいね。

書いた人

サラリーマン生活に疲れ、40歳で突如会社を退職。日々の始末書提出で鍛えた長文作成能力を活かし、ブログ一本で生活をしてみようと思い立って3年。主夫業をこなす傍ら、美術館・博物館の面白さにハマり、子供と共に全国の展覧会に出没しては10000字オーバーの長文まとめ記事を嬉々として書き散らしている。