Art
2019.09.13

美術界が大注目!田村大さんが描く驚異的なイラスト作品を見逃すな!【ロングインタビュー前編】[アート]

この記事を書いた人

「遅咲き」のアーティスト、田村さんの画業のルーツは小学生時代?!

―ところで、田村さんがイラストを描くきっかけは何だったのでしょうか?

田村:思い返すと、幼少時からかなり絵を描いていました。保育園の時は頭の中にあるものをただ描いてましたね。自宅を建て替えるから、壁に描いていいよっていわれて部屋の壁一面に絵を描いたりしたのも良い思い出です。そういうの全くダメって言わない親で、のびのび描かせてくれたんですけど、結局家建て替える時期がどんどん遅れて、壁を塗り替えるハメになりましたが、塗り直した後またそこに描いてましたね。そして、それをずっと両親が叱らずに褒めてくれていたのは大きかったと思いますね。

―小学生になって、少年ジャンプなどの人気キャラクターを描くようになったんですね?

田村:そうです。父と兄が買ってきたジャンプ・マガジン・サンデーをいつも読んでいました。その中でもドラゴンボールが好きで、内容よりも絵の方を見ていました。自分も鳥山明さんのようにかっこ良くスーパーヒーローを描きたいなと思って、良く自由帳に書き写していました。

―鳥山明さんの絵のどのようなところに惹かれたのでしょうか?

田村:男性を描くのが好きで、鳥山明さんが描く男性の絵、特に筋肉とか、躍動感っていうところにその頃から自分は興味があったのですが、上手ですよね。あの方すごく。人を描かせても上手いし、機械も動物もすべて上手なので。凄いなぁと思ってました。

―でも、高校~大学に進学するあたりまでは、どちらかというと体育会系的なキャリアを歩まれていたのですよね?

田村:小学校では野球をやっていて、中学~大学まで一貫してバスケットボールをやっていました。美術部っていう選択肢もあったかもしれないですが、当時は体を動かすほうが好きで、部活やってるか授業中に絵を描いているかっていう感じでした。でも高校時代の友達に久々に会ったりすると、絵が上手な印象があったっていうふうに言ってくれるんですよね。せいぜいノートの切れ端に絵を描くくらいで、作品を大々的に披露したつもりはないんですけど、周りの人たちは見てくれていたのかもしれないですね。

負けず嫌いな熱さと、冷徹な行動力で頭角を表した専門学校での修行時代

―転機が訪れたのは、大学卒業間際だったのですね?

田村:そうですね。それまでバスケットボール一筋だったんですが、大学3年生で就活の時期を迎えていろいろ考えました。このまま普通の仕事に就いたとして、あれこれまた仕事中の合間に絵を描いて終わってしまうんでは?俺の人生ってその繰り返し?と、ふと考えるとこのまま就職するのが嫌になったんですよね。どこかで絵を極めたいという思いがずっとあったんです。でも、それまで一度もきちんと絵を習ったことがなくて。だったらもう絵の世界に飛び込んで、勉強すれば、そういったハードルを越えられるんじゃないかと思って。親にお願いして、3年生から受験勉強をして桑沢デザイン研究所という専門学校に通うことになりました。

―桑沢デザイン研究所では、絵画よりも主にデザインを学んでいらっしゃったのですか?

田村:もうデザインですね。1年生の時はオールジャンルまんべんなく学びました。ファッションとかプロダクトだとかすべてのものをイチから学んだ上で、2年生で進路を絞るというカリキュラムでした。でもイラストレーションという選択肢が当時は現実的ではなくて。やっぱり絵で食うっていうのが難しいっていうのはすごくわかってたので、デザインの世界に進んで、そこで好きな絵を活かすのがいいのかなって。それで、ヴィジュアルデザインのコースに決めました。

―結構厳しい学校だったそうですね?

田村:いや、もう格別に厳しかったですね。課題が週8個~9個出される超大盛りで…。学校は原宿と渋谷の中間にあって、遊ぶには絶好のロケーションなんですが、遊んでるヒマなんて一切ありません(笑)授業が終わったら真っ先に帰って課題やってました(笑)

―数々の誘惑に打ち勝って?!

田村:そうですね。本当はアルバイトなどをやりながらのほうが良いんでしょうけど、そこでバイトしちゃうとせっかく学校通っているのにもったいないと考えて、そこから仕事してから取り返せばいいやと割り切って勉強に専念しました。

―それがちょうど20代前半の頃だったのですね。

田村:22歳で卒業して、そこから専門学校なので、大学の同級生に比べるとすでに周回遅れですよね。しかも専門学校は補欠合格だったんです。準備が遅かったこともあり、受験生の高いレベルに追いつくことができず、ギリギリ入学できました。ただ、入学してすぐの1年生の前期でクラストップの成績を取ることができたのは嬉しかったですね。やっぱり学校に入ると受験勉強って意味なくて、みんなそのための勉強はしてきているんですが、デザインの勉強になると、一旦リセットしなきゃいけないんです。そこで、「ここはチャンスだ」と思って、すごく一生懸命勉強して、1位を取りました。負けず嫌いな所があるんです。後半へ続く)

田村大さんのプロフィール

田村大(たむらだい)
1983年八王子市出身。イラストレーター/アーティスト。
似顔絵の世界大会であるISCAカリカチュア世界大会にて、2015年4位、2016年総合優勝。インスタグラム(@dai.tamura)のフォロワーは10万人を超え、シャキール・オニールやクリス・ブラウン、デニス・ロッドマンやアレン・アイバーソンなど多くの有名人らにイラストがシェアされ、支持を得ている。2017年までの7年間、似顔絵制作会社に勤務し、累計3万人の似顔絵を制作。2018年より独立し、イラストを通じて企業のマーケティングを支援するDT合同会社(https://dt-ltd.tokyo)を立ち上げ、代表に就任するとともに、2019年からはアーティストとして本格的に活動の場を拡大。アートの分野では、京都で100年の歴史を持つ画廊、松本松栄堂の展示会への出展するなど、新たな挑戦を続けながら着実に実績を積んでいる。

Instagram:@dai.tamura
Facebook:https://www.facebook.com/dai.tamura
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCDvzOm7aeTsgKBVE2zTMfBQ

書いた人

サラリーマン生活に疲れ、40歳で突如会社を退職。日々の始末書提出で鍛えた長文作成能力を活かし、ブログ一本で生活をしてみようと思い立って3年。主夫業をこなす傍ら、美術館・博物館の面白さにハマり、子供と共に全国の展覧会に出没しては10000字オーバーの長文まとめ記事を嬉々として書き散らしている。