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2022.03.14

意外と知らない!「伝統的工芸品」ってどんなものを指すの?日本文化初心者が調べてみた【PR】

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「伝統的工芸品」って皆さんはご存知ですか? わかっているようで、説明が難しいですよね。

うーん、工芸品はよく目にするけど「伝統的」ってどういうことなんだろう?

前回の記事「まさに技の産地直送!伝統的工芸品の専門EC『匠市』で気になる商品を探してみた【PR】」では、伝統的工芸品を気軽に購入できるオンラインショッピングモール『工芸百貨 匠市(たくみのいち)』について、紹介しました。

オンラインショッピングモール『工芸百貨 匠市』https://takumi-no-ichi.jp

今回は「そもそも伝統的工芸品とは何か?」を、私瓦谷と、日本文化初心者の和樂webスタッフたちが調べてみました。また『匠市』に掲載されている商品のひとつ「丸亀うちわ」をつくる手技についても迫ります。

左から、とま子さん、chiakiさん、瓦谷、サッチーさん

「伝統的工芸品」の定義を調べてみた!

私が思う「伝統的工芸品」は、長い年月の間、確かな技術でつくり続けられてきた工芸品というイメージですね。また、その土地ならではの材料を取り入れる特色がある気がします。京都でつくられる雛人形の衣装は、西陣織が使われると聞いたことがありますし。

さて『匠市』で「伝統的工芸品とは?」のページを見てみると、こんなふうに書かれていました。どうも色々条件があるようですが……。

1.生活に豊かさと潤いを与えることが出来る、高品質な工芸品です。
2.製品の持ち味に大きな影響を与えるような部分が、職人の手づくりによりひとつずつつくられています。
3.一定の地域で100年以上の歴史を持つ伝統的な技術や技法でつくられたものです。

また、主要部分も伝統的に使用されてきた材料でできています。

この定義から、高品質でしかも長い歴史を有する工芸品だということがわかります。和樂webスタッフにも伝統的工芸品のイメージを聞いてみました。

とま子:今までも気になっていた「伝統的工芸品」ですが、100年以上の歴史があると知ると、より重みを感じます。

サッチー:伝統的工芸品がひとつでも家庭にあると、生活が豊かな気持ちになると思います。そして今後も豊かにしていきたいって、思えるんじゃないかな。例えば、伝統的工芸品の置物をテーブルに飾ろうとすると、自然と机の上をきれいに片付けるだろうし、ていねいな暮らしにつながる気がしますね。

たしかに、確かな技術と伝統があると思うと、ものに対する向き合い方も変わってきます。

とま子さん、サッチーさんのおっしゃるとおり。例えば、お正月に使う漆器は、扱いに気をつけますし、子どもや次の世代にも受け継いでもらいたいと思いますね。伝統的工芸品は、そういうきっかけを与えてくれるもののように思います。

安心の印、シンボルマークが目印になる

どうやら「伝統的工芸品」には、その品質の高さを証明するシンボルマークが存在するそうです。どういうものなのでしょう?

この伝統マークは経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークとして使われています。
各工芸品産地での検査に合格した製品にはこの伝統マークが印刷された「証紙」が貼られており、その工芸品の品質について生産者が誇りと責任をもってお届けするという信頼の証です。

『匠市』には、このように書かれています。たしかに、このマークがあるとなんだか安心できますね。このシンボルマークを見かけたことがある人も、多いのではないでしょうか?

地方出張でお土産にうつわを選ぶとき、見かけたことがありました!

和樂webスタッフにも、このマークの印象についても聞いてみました。

サッチー:工芸品についての知識がないので、購入しようと思っても、商品を見る目に自信がないです。でも、このマークがあるとわかりやすいし、安心して購入できますね。

とま子:例えば、置物とかにこのマークがついていると、長い歴史を持っていることが一目でわかるのが良いですね。このマークのお蔭で、今まで気にとめていなかった工芸品も、じっくり見るんじゃないでしょうか。

せっかく工芸品を購入するなら、大切に長く使いたいので、やはり品質保証の目印があるのは、ありがたいですね。『匠市』では、証紙が貼られた文字通りの「伝統的工芸品」はもちろん、その確かな技術・技法を活用して作られた工芸品を幅広く取り扱っています。指定産地のみが出店できるオンラインショッピングモールなので安心です。

伝統マークのデザインは、日本デザイン界の雄・亀倉雄策氏!

大切な人へ、工芸品の物語も届けたい

chiakiさんは、「贈り物をするときにこそ、伝統的工芸品を選びたい」と話します。それは、どうしてでしょう? 理由を聞いてみました。

chiaki:普段自分で使う生活雑貨は、どうしても適当に買ってしまうことが多いので、扱いが雑になってしまいます。でも商品が誕生した歴史的な背景があると、ていねいに使うと思うんです。大切な人への贈り物にはやはり、そういう商品を選びたいですし、伝統的工芸品は、まさに贈り物にピッタリですよね。プレゼントするときに、工芸品に込められたストーリーも一緒に手渡せる気がするので。

確かに大切な人の結婚や出産のお祝いや、記念日の贈り物には、長い歴史の中で培われた伝統的工芸品はふさわしいですね。

「伝統的工芸品」を知る入り口にぴったりな『匠市』

一方、サッチーさんは、「『匠市』で気軽に検索して伝統的工芸品を購入すると、知らなかった世界が広がりそう! 」との感想を抱いたそうです。それは、どんな世界なんでしょう? 

サッチー:購入して実際に触れると、ますます伝統的工芸品に興味がわいてくる気がします。日本全国にある他の工芸品のことや歴史も知りたくなりますよね。ひとつの伝統的工芸品が、奥深い工芸の世界への入り口になる気がします。

なるほど、ひとつの工芸品をきっかけにして、その先にある技術や土地、歴史などを探求したくなるという訳ですね。まだまだ知らない工芸品が日本各地にあり『匠市』がその入り口になると思うと、何だかわくわくしますね!

まずは、使ってみたい丸亀うちわ

『匠市』のサイトを通じて「伝統的工芸品」には、地域によってさまさまな技があると知り、驚きました。また同じカテゴリーの工芸品でも、それぞれ技術が違い、バリエーションに富んでいます。

多種多様な工芸品がある中で、一番最初におすすめするならどんな伝統的工芸品が良いだろう? と検索してみて、スタッフ一同の意見が一致した工芸品があります。そのひとつが「丸亀うちわ 網入り柿渋うちわ」です。

約縦41×横27×柄12cmと、かなり大きめのサイズ!

どんな人でも手軽に使えるし、インテリアとして飾るのにも良さそうな一品。特別に産地から商品をお借りして、chiakiさんとサッチーさんに、実際に使ってみた感想を聞いてみました。

chiaki:とても扇ぎやすいです! うちわの風から伝統を感じるっていいですね。

サッチー:触ると、網入りで丈夫なのがわかります。今はキャンプとかアウトドアが流行っているので、外で使うのにも良さそうです。

ただ扇ぐ以外にも、私は酢飯を冷ますのに、うちわを使うことがあります。このうちわは、大きくて風がおこしやすそうなので、ぴったりですね!

47もの工程をひとりで手作業!「丸亀うちわ」の製作に迫る

産地で「伝統的工芸品」がどのようにつくられているのか? 「丸亀うちわ」を製作している、伝統工芸士の長谷川秋義さんに、お話を伺いました。

今回紹介したうちわは、香川県丸亀市の伝統的工芸品であることから「丸亀うちわ」と呼ばれます。「江戸時代の初期に金比羅参りのお土産として重宝されたのが始まりなんですよ」と、長谷川さん。当時は、赤い紙地の真ん中に丸印が描かれ、中に金の文字が入ったうちわが、大ヒット商品となったそうです。

「地元では、『伊予竹で 土佐紙はりて あわ(阿波)ぐれば 讃岐うちわで 至極(四国)涼しい』と歌い継がれてきました。これは、愛媛県の竹に、高知県の紙、そして徳島県産のりを使ってつくられているからなんです」と、長谷川さんが教えてくださいました。この歌から、うちわづくりに必要な材料が、全て近くでそろえられる恵まれた場所だとわかります。

四国の自然の恵みが、うちわの材料になっていたんですね!

江戸時代後期になると、下級武士の内職として丸亀藩がうちわづくりを奨励したこともあって、うちわづくりは一大産業となりました。現在、香川県丸亀市のうちわの全国シェアは、9割にも上り、日本一の生産量を誇っています。しかし電化製品の普及で、うちわのニーズも変化してきました。工業化が進み、家庭用からイベント用などの大量生産が主流となり、昔ながらのうちわの生産量は減少しているのが現状です。

エアコンや扇風機を使っているから、うちわの自然な風を感じる機会もめっきり減ってしまいました…。

長谷川さんは昔ながらの製法で、47にものぼる工程を、全て手作業で行います。工程は「骨作り」と「貼り」のふたつに大きく分かれます。

「うちわの骨を、通常の半分の薄さに割ることを『小割(こわり)』と呼びます。うちわの種類によっては、1ミリもの薄さでつくることもありますが、全て経験と手の感覚だけが頼りです」

今回、私たちが注目したのは「網入り柿渋うちわ」。漁網(ぎょもう)と呼ばれる網が入っているのが特徴です。

「このうちわは、紙の上に細い網を置いて、のりで広げながら貼り付けていく工程があるんです。長年の勘でやる作業ですね」と長谷川さん。この網が入っていると、丈夫で破れにくい効果があるそう。通常の作業工程は47ですが、この柿渋うちわは、その数を上回り、更なる時間や手間暇がかかるんだそう。

「柿渋は匂いがきついので、塗るのは屋外の作業になります。太陽の日差しが強くなると、つやがうまく出ないので、冬の時期しかつくれないんですよ」と長谷川さん。

天候にも左右されるんですね……!

柿渋本来の色を出すために、配合や塗り方にもこだわって仕上げています。「じっくり扇いで、色を楽しんでもらいたいです。また毎年使うごとに色が変化していくので、その味わいも感じて欲しいですね」

経年変化の味わいも、「伝統的工芸品」ならではの楽しみですね。

かつては七輪などの火起こしに、柿渋うちわは重宝されていました。現代の生活シーンでは、キャンプの火起こしなどアウトドア用品として人気があるとか。和樂web編集部も気になった「丸亀うちわ」。「伝統的工芸品」に触れるはじめの一歩にいかがでしょう。

次回はインパクト大!な伝統的工芸品を紹介

「伝統的工芸品」とは何かを調査し、「丸亀うちわ」を取材した今回。次回は、強烈なインパクトを放つ、意外な伝統的工芸品をご紹介します。次回もお楽しみに!

オンラインショッピングモール『工芸百貨 匠市』

公式ウェブサイト:https://takumi-no-ichi.jp

※本記事で紹介した商品は、職人の手作業でつくられた数に限りのあるものです。また季節によって取り扱いのないものがございます。店頭に在庫がない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

書いた人

幼い頃より舞台芸術に親しみながら育つ。一時勘違いして舞台女優を目指すが、挫折。育児雑誌や外国人向け雑誌、古民家保存雑誌などに参加。能、狂言、文楽、歌舞伎、上方落語をこよなく愛す。十五代目片岡仁左衛門ラブ。ずっと浮世離れしていると言われ続けていて、多分一生直らないと諦めている。

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我の名は、ミステリアス鳩仮面である。1988年4月生まれ、埼玉出身。叔父は鳩界で一世を風靡したピジョン・ザ・グレート。憧れの存在はイトーヨーカドーの鳩。