にっこり笑顔の鬼瓦。なんと、鬼の鼻からティッシュが出ているではありませんか……! インパクト大なこちらのティッシュケース。これ実は、産地の伝統と職人の技が詰まった工芸品なんです!
これまで2回にわたって伝統的工芸品を取り扱うオンラインショッピングモール『工芸百貨 匠市(たくみのいち)』について紹介してきました。
前々回の記事:まさに技の産地直送!伝統的工芸品の専門EC『匠市』で気になる商品を探してみた【PR】
前回の記事:意外と知らない!「伝統的工芸品」ってどんなものを指すの?日本文化初心者が調べてみた【PR】
最終回となる今回は、意外なデザインや、はっと目を引く工芸品を、私瓦谷と、和樂webスタッフがセレクト! 伝統的工芸品のイメージが大きく変わるものもあって、興味深いです。つくり手の確かな技と、アイデアが合わさると、可能性は無限なのかもしれませんね。
バリエーション豊かな伝統的工芸品
スタッフと一緒に『匠市』を検索してみて、気づいたことがあります。それは、想像していなかった意外な工芸品に出合えること。伝統的工芸品なので、デザインやフォルムも、オーソドックスなものだろうと思い込んでいました。
ところが、『匠市』にはバリエーションに富んだユニークな商品も、並んでいるのです! 日本全国の伝統的工芸品を、直接産地へ出向いて探そうと思うと、中々大変ですよね。インターネットで検索して、自分の感性に合う商品が見つけられるのも、『匠市』の良さだと思います。
美しい音色を奏でる、おともりん光彩
最初におすすめしたい工芸品は、『おともりん光彩 ローズクオーツ』。その可愛らしい形と、鳴らした時の音色に、皆心を奪われてしまいました! このおともりんは、富山県高岡市の高岡銅器の職人の技でつくられています。
特別に商品をお借りして、スタッフが使い心地を、試してみました。紐がついた美しい天然石のローズクオーツでおりんを鳴らすと、心が穏やかになるやさしい音色が響きます。
chiaki:手にすっぽりと収まる大きさなので、持ち運びにも便利ですね。インテリアとしても、良さそうです。
サッチー:和紙の袋がついていて、中におともりんを収納できます。この袋を畳んだ上に、おともりんをのせて音を鳴らすようになっています。
chiaki:袋のデザインも、可愛いですね!
実は、この袋も富山県の伝統的工芸品『越中和紙』でつくられています。富山県の東西の技が合わさった工芸品と言えますね。
コンパクトなので、お墓参りに持参して、鳴らすのにもぴったり。最近では、スタイリッシュな仏壇を置く家庭もあると聞きます。このおともりんを合わせると、おしゃれな雰囲気になるんじゃないでしょうか。
また仏具としてだけでなく、精神統一したいときなどに鳴らしても、リフレッシュできそう。寝起きや寝る前、仕事の休憩など、一日の区切りで鳴らすと、メリハリができて良いですね。
石はタイガーアイやカーネリアンなどさまざまな種類があり、和紙の色も数種類あります。自分のお気に入りのおりんを選んでみるのは、いかがでしょう。
アイデアが広がる、箱根寄木細工のマウスパッド
次におすすめしたい商品は、とま子さんが一番気になったという、『箱根寄木細工(はこねよせぎざいく)のマウスパッド』。箱根寄木細工とは、神奈川県小田原市および箱根町でつくられている寄木の工芸品です。それぞれの木々が持つ色合いや木目を生かした、幾何学模様のデザインがよく知られています。このマウスパッドは、無垢材のシンプルなデザインで、とま子さんは、そこに惹かれたみたいです。
とま子:日常的に使うなら、このナチュラルな感じがいいなあと思いました。マウスパッドだけじゃなくて、アクセサリーを上においたりして、部屋で飾るのにも良さそうです。
こちらの商品もお借りして、スタッフが使い心地を試してみました。
chiaki:すべすべで、なめらかな肌触り。マウスの滑りも良くて、使いやすいです。花瓶敷きとかにも使えそうですよ。おともりんをのせて、部屋に飾るのもいいんじゃないですか?
なるほど! 『匠市』で自分で好きな工芸品をいくつか選んで、セットで使ってみるのもおもしろそうです! 本来の用途以外にもアイデアを広げて、インテリアに合うコーディネートを考えてみてはいかがでしょう。
スタッフ一押し!鬼瓦ティッシュケース
最後におすすめするのは、和樂webスタッフ全員が、度肝を抜かれた工芸品! その名も三州鬼瓦工芸品の『鬼瓦ティッシュケース』。……えっ! 鬼瓦って屋根にあるものですよね? それがティッシュケースに? しかも鬼の鼻からティッシュが出てくるなんて……!
工芸品の紹介ページを開くと、鼻にティッシュを詰めた男性が、鬼瓦ティッシュケースを手にして微笑んでいます。謎めいた雰囲気の写真に、スタッフも騒然…!
「クオリティと共に、遊び心があって、惹きつけられる」。「鬼瓦が身近に感じられる」など、スタッフだけでなく、高木編集長も大絶賛でした!
鬼瓦ティッシュケース誕生ストーリー
このユニークな工芸品は、どうやって誕生したのでしょう? 誕生までの道のりを知るべく、鬼瓦ティッシュケースを製作する、株式会社鬼福代表の鈴木良さんにお話を伺いました。
「私たちは、愛知県碧南市(へきなんし)で、大正5(1916)年創業以来、瓦の中でも『鬼瓦』と呼ばれる屋根の装飾品を専門に、行ってきました」と鈴木さん。愛知県三河地方は約300年前から日本最大の瓦の産地として発展してきた歴史があります。「三州瓦(さんしゅうがわら)」の国内のシェアは、60%から70%と、トップを誇ってきました。
しかし、時代の変化の波が押し寄せてきて、鬼瓦の注文が減少してしまったそうです。
「歴史ある鬼瓦の技術をどうにか残したくて、他の商品化を模索しました。庭に鬼瓦を置くことを庭師に持ちかけたところ、『インパクトが強すぎて、庭全体ではなく、鬼瓦に視線が集まってしまう』とアドバイスをもらって。そこで、鬼の装飾をしないシンプルな正方形型の瓦キューブを考えました」
庭と調和する和モダンなテイストが好まれて、花を生けたり、盆栽をほどこしたりする形も生まれました。
さらなる商品開発を考えていた頃、フランス・パリでの展示会があり、瓦キューブを出展したそうです。
「そこでフランス人から、真逆の反応をされたんです。鬼瓦の歴史を説明して瓦キューブを見せたら、日本に代々続く鬼のデザインの方がいいと言われてしまって……。」
この時、鈴木さんはひらめきます。「瓦キューブの四角いデザインと、鬼瓦の技術をミックスさせてみてはどうだろうか。ティッシュケースにして、おまけに鼻からティッシュを出したらおもしろいだろうなあ!」
さっそく商品を試しにつくってSNSに掲載すると、大きな反響があったそうです。手応えを感じた鈴木さんは、本格的に鬼瓦ティッシュケースの商品化に踏み切り、現在にいたります。
鬼瓦ティッシュケースは瓦を作るのと同様に、どれもひとつずつ粘土から、金属製のへらで面取りして手作業で行っています。「いぶし銀」と呼ばれる、焼成の最終工程でいぶして発色させる銀色も瓦ならではの持ち味。経年で色が変化していく様子も楽しんで欲しいそうです。
「鬼瓦は屋根にのせる守り神として愛されてきた歴史があります。ティッシュケースのにらみ顔は、魔除け、厄除け。笑った顔は、招福を込めています」
今では、瓦よりも鬼瓦ティッシュケースなど、アイデア商品の注文が増えてきているんだそう。「鬼瓦の技術は決して絶やしてはいけないと思っています。これからもユニークな商品開発をしつつ、鬼瓦の技を守っていきたいですね」
今まで出合ってなかった、伝統的工芸品がネットで買える!
今までありそうで無かった、伝統的工芸品がネットで買える『匠市』の魅力について、紹介してきました。最後に、参加したスタッフに感想を聞いてみると……。
chiaki:予想していたよりも、さまざまな商品があって驚きました!今はなかなか国内旅行に出かけられない状況ですが、検索していると旅気分が味わえて楽しかったです。
サッチー:今まで知らなかった工芸品と出合えるのが良いと思います。『匠市』のおかげで、伝統的工芸品への興味が広がりました。
とま子:自分の住んでいる地域の伝統的工芸品を調べたら、知らなかった工芸品が出てきて新鮮でした。都道府県別に探せるので、興味のある地域のことを気軽に知ることができて、いい機会になりました。
私は今回、スタッフと一緒に『匠市』について調べてみて、工芸品を自分流にアレンジして使うアイデアなど、新しい発見がありました。1人で選ぶのも楽しいですが、こんな風にして誰かと一緒に『匠市』の工芸品を見ていくのも、楽しいんじゃないでしょうか。
興味の赴くままに、自由に『匠市』で、伝統的工芸品と出合ってみてください。
オンラインショッピングモール『工芸百貨 匠市』
公式ウェブサイト:https://takumi-no-ichi.jp