ロボット大国・日本の原点!? 江戸時代の「からくり人形」はとんでもない技術の結晶だった!

ロボット大国・日本の原点!? 江戸時代の「からくり人形」はとんでもない技術の結晶だった!

世界初?! 「からくり専門書」の出版

竹田からくりが大坂で一世を風靡してから約130年。1796年刊行の「機巧図彙(からくりずい)」という本には、和時計の構造と共に、実際に作れる座敷からくり(屋内で遊ぶためのからくり玩具)の構造が全部で9種類も紹介されています。材料には、くじらのひげや木、竹など、当時庶民でも比較的手に入れやすかった素材を使っています。大ベストセラーだったようで、江戸で初版が刊行されたあと、大坂や京都でも重版されています。仕事そっちのけで、座敷からくりや和時計作りに熱中したメカオタクがいたことは安易に想像がつきます。

人の魂生き写し?! 効率化とは無縁の江戸時代「からくり人形」の世界
「機巧図彙」寛政8年(1796年)(国立国会図書館デジタルコレクション)世界初(!)とも言われるからくり技術の専門書。著者は土佐藩出身の細川頼直。生まれも育ちも土佐である頼直は、からくり技術も暦学も国元で学んだという。

作業効率とは無縁! 人間みたいな茶運び人形

現代のロボットは、作業効率化のために作られることが多いですが、江戸時代のからくり人形はそうではありません。たとえば、座敷からくりの代表作と言われる茶運び人形です。

いわく、「茶托にお茶の入った湯呑を載せると人形は向こうへ行く。客が湯呑を取ると止まる。再び湯呑を茶托に戻すと、Uターンして元の場所へ戻る。」

この説明を読むと、現代のサービスロボットを彷彿とさせますが、こちらはスピードや効率性をあげるために作られたのではありません。当然ですが、自分で運んだほうが早いのです。彼らが求めたのは他でもない、客人を驚かせ、感動させるおもちゃです。

人の魂生き写し?! 効率化とは無縁の江戸時代「からくり人形」の世界
茶運び人形(再現)(大野からくり記念館蔵)

茶を運ぶ 人形の車 はたらきて」。井原西鶴の句です。句に添えられた註では、「人形の動きはまるで人間のよう。これを思うと、昔飛騨の匠が鶴を自作し、その身を乗せて飛んだという話も本当に違いない」とまで言って驚きを表現しています。驚きの対象は、その魂を持った人間さながらの動き。からくり人形と客の間には、給仕さんが自分一人のためにお茶を運んでくれるような、ほっとする交流の時間が流れたに違いありません。

人の魂生き写し?! 効率化とは無縁の江戸時代「からくり人形」の世界
「機巧図彙」(国立国会図書館デジタルコレクション)より、茶運び人形の説明と構造の紹介。(一部)

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