意外!坂本龍馬が高杉晋作から貰った拳銃のモデル名を知っているか?

意外!坂本龍馬が高杉晋作から貰った拳銃のモデル名を知っているか?

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幕末の英雄坂本龍馬は、拳銃を所持していた。

それは諸説あるが、当初はスミス・アンド・ウェッソン(以下S&W)のModel 2、寺田屋事件でそれを紛失してからは同社のModel 1を手に入れたとされている。

坂本龍馬が拳銃を持っていたことは有名だが、その拳銃の具体的なモデル名を知っている人は多くないかもしれない。

だが、幕末期は銃の劇的進化の時期とぴったり重なっている。銃を知ることは幕末を知ることと言っても過言ではない。その第一歩として、今回は坂本龍馬の拳銃を取り上げよう。

全米ライフル協会の公式サイトで調査

龍馬の最初の拳銃は、高杉晋作からもらったものである。

この銃は先述の通り、S&WのModel 2だ。弾丸は32口径ロングリムファイアで、装填弾数は6発。

この銃の画像や詳しい開発経緯を載せた日本語のサイトがあまりなく、半ば諦めかけていたが、幸いにも全米ライフル協会の銃器博物館公式サイトのデータベースにModel 2があった。やはり、こういうことはアメリカの専門機関のサイトをチェックするのが一番だ。「32口径って何だ?」と疑問に感じた人もいるかもしれない。ここに出てくる数字はインチ表記で、32口径の場合は銃の内径が0.32インチ即ち約8.1mmという意味だ。現代の感覚で32口径は、やや小さいかもしれない。だが当時の拳銃は耐久性の問題で、あまり口径を大きくすることができなかったのだ。Model 2の生産が始まったのは1861年、45口径の怪物拳銃コルトSAAのそれは1873年である。

また、この頃のS&Wはリムファイア式金属薬莢銃弾で名が知られていた。リムファイア式とは薬莢の底面縁側に発火薬が詰められた設計のもので、S&Wはこのリムファイア式金属薬莢の特許所持者に大金を出して製品化にこぎつけた。

この時点で、拳銃の弾丸は椎の実型であることに注目していただきたい。

ライフリング銃の登場

幕末期の日本人は、欧米の銃や大砲の弾丸が球形でないことに驚愕した。椎の実型の弾丸を、砲身内で回転させながら発射する機構はペリー来航以前の日本人にとって未知のものだったのだ。

いや、それは正確ではない。ライフリング銃を知っていたところで、戦争のない平和な国では何の使い道も見出せなかったと書くべきだろう。

ともかく、日本では1615年の大坂の陣以降、兵器の開発は完全にストップしていた。銃と言えば数百年以来の火縄銃である。火縄銃に使用するのは球形の弾丸だ。一方でアメリカ人は、1775年から始まった独立戦争で既にケンタッキー・ロングライフルを使用していた。これは先込め式のライフル銃即ち椎の実型弾丸を用いる武器。射程距離も命中精度も、従来の銃とは比較にならないほど向上した。

そのライフル銃が、19世紀に入ると急ピッチで小型化されていく。

「小さい銃」を選んだ龍馬

S&Wは、その名前の通りホーレス・スミスとダニエル・ウェッソンが共同で設立した会社である。

このふたりは先述のリムファイア式薬莢と、ライバル企業のコルトの元従業員から特許を得た貫通式シリンダーを使って新しい拳銃を開発した。それがModel 1だ。

Model 1は22口径。メートル法では約5.56mmだが、拳銃弾の22口径とはかなり小さい。場合によっては護身用にすらならないほどだが、Model 1を開発した当時のS&Wは銃の威力よりも新機構の実用性を証明したかったはずだ。そうであるならば、ストッピングパワーに欠けた22口径でも問題はない。

寺田屋事件以降の龍馬は、Model 1を所持していた。どうしてModel 2を買い直さなかったのかという疑問も出てくる。だが、もしかしたら龍馬は威力を犠牲にしてでも「取り回しの良さ」を優先させたのかもしれない。Model 2よりも小型のModel 1であれば携帯性も優れているし、当時のリボルバー式拳銃には必須の作業だったデコッキング(一度起こした撃鉄を、弾丸が発射しないように元の位置へ戻す動作。当時の拳銃でのデコッキングは、僅かなミスで暴発した)がより簡単だった可能性もある。

家の中から拳銃が!?

このS&Wの拳銃だが、現代日本においてもどこかの町の倉庫などで発見される可能性が今も否めない。

実際にそんなことがあった。とある男性が家の中でModel 2を発見し、それを警察に届けたのちに高知県高知市の坂本龍馬記念館へ寄贈したのだ。一時期は展示を巡って記念館と警察が対立していたが、今現在は銃の展示が行われている。リムファイア式及びセンターファイア式金属薬莢の拳銃は、原則として所持ができない。もしそれをどこかで発見したら、当然警察に届け出る必要がある。知らず知らずの銃所持を警察に打ち明けても逮捕されることはないので、そのへんは安心すべきだ。

この記事を読んでS&W Model 2に強い興味が湧いた! ぜひ実銃を見てみたい! という人は、坂本龍馬記念館に足を運ぶのが一番確実だろう。

【高知県立坂本龍馬記念館】
〒781-0262 高知市浦戸城山830番地
TEL.088-841-0001

【参考】
NRA Museum
高知県立坂本龍馬記念館公式サイト

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