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2019.09.23

俳句の季語まとめ。おもしろ季語一挙紹介、春夏秋冬、あの言葉も季語だった!

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テレビ番組「プレバト!!」の「俳句の才能査定ランキング」の人気とともに、俳句に対する注目が高まってきています。

毎回、季節の写真から芸能人・有名人が詠んだ俳句に対する、夏井いつき先生の講評が痛快で面白く、添削後の変わりようも素晴しいの一語! 番組の影響で、俳句のすごさが広く知られるようにもなりました。

そもそも俳句とは何か?

俳句は、五文字・七文字・五文字の計17文字(17音)でつくった日本独自の定型詩です。

国語の授業で取り上げられることから、多くの人が俳句に親しんできた経験をもっていて、日本の俳句人口はなんと800万人とも1000万人ともいわれるほど!

今では日本語のみならず、外国語にも”HAIKU”が広がっていて、世界的なスケールになってきています。


春の季語「山笑う」の光景。イチさんによる写真ACからの写真

同じ五七五の俳句と川柳、どこが違う?

俳句も川柳も同じ「五七五」の形式です。

その分類には細かい内容もあるのですが、最もわかりやすいのが、俳句には季語があり、川柳には季語がないということです。

俳句は基本的に、自然を文語で詠嘆するものなので、四季折々の自然を象徴する季語が欠かせません。

それに対して、川柳の対象となるのは人や世の中。それを口語で表現するというところに大きな違いがあります。


夏の季語「滝」。涼を求めて(達沢不動滝) © Koichi_Hayakawa クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)

特定の時季を表すための「季語」

17文字のうちに季語を含んでいたら、もう俳句!

なんて簡単にいかないのも俳句の面白いところです。

季語というのは、その選び方、使い方ひとつで俳句のよしあしを左右する重要なカギ。その季語を季節ごとに分類して解説と例句を加えた「歳時記」は、俳人にとっても手放せないものだといいます。


俳聖と呼ばれた江戸時代の俳人・芭蕉。『肖像集8.松尾芭蕉』栗原信充 国立国会図書館

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絵でつづるやさしい暮らし歳時記

季語はいつ、だれが決めたの?

春夏秋冬の季節ごとに装いを変える自然に恵まれた日本では、古くから季節ならではの趣を味わうことが大切にされてきました。

それは美術工芸において特に顕著ですが、文学においても『万葉集』のころから季節を題材にした歌が詠まれてきました。

平安時代後期に能因(のういん)が著した『能因歌枕(うたまくら)』には、風物を表す言葉が月ごとに分類されていました。これが季語という概念の初期とされます。

鎌倉時代に成立した連歌(れんが)では複数の人が参加するため、コンセンサスの必要性から、連歌の最初の発句(ほっく)にはそのときの季節を詠まれるようになり、続く室町時代にも受け継がれます。

江戸時代になって俳諧(はいかい)が成立すると、自然のみならず身近なものまで、さまざまな季語が集められるようになります。

たとえば、『椿説弓張月(ちんせつゆみはりづき)』『南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)』を書いた滝沢馬琴(たきざわばきん)が享和3(1803)年に記した『俳諧歳時記』には2600の季語が集められていたとか。俳聖・松尾芭蕉(まつおばしょう)も季語の発掘を推奨していました。

そして、季語の重要性は明治時代に俳句の近代化に取り組んだ正岡子規(まさおかしき)、高浜虚子(たかはまきょし)らに受け継がれ、今日に至っているのです。


『俳諧歳時記 冬之部』滝沢馬琴 国立国会図書館

季語も進化している!

新しい季語は近代以降も、俳人が俳句に取り入れ、それが歳時記に採集されるという形で増え続けてきました。

それは、俳句をたしなむ人たちの結社や同人会による違いもあって、現在季語とされている言葉は軽く5000を超えるほどです。

また、最近は海外で暮らす人や外国人の俳句愛好家が増えていて、その土地ならではの季語も登場しているのだとか。

さらに、五七五の定型にこだわらない「自由律俳句」や、季語にとらわれない「無季俳句」なども発展していて、俳句も季語も、時代とともにアップデートされているのです。


秋の季語「天の川」。Free-PhotosによるPixabayからの画像

季語は実際の暦とはちょっとズレる?

では、現在の季語の春夏秋冬がどういう基準になっているかご紹介します。

春 立春(2月4日前後)から立夏(5月5日前後)の前日まで
夏 立夏(5月5日前後)から立秋(8月7日前後)の前日まで
秋 立秋(8月7日前後)から立冬(11月7日前後)の前日まで
冬 立冬(11月7日前後)から立春(2月4日前後)の前日まで

※立春、立夏、立秋、立冬は二十四節気のひとつで、それぞれの季節の始まりを意味し、年によって日にちは異なります。

実は、江戸時代までの季語は旧暦にそっていて、明治時代の初めから新暦が用いられるようになっても、季語は旧暦のまま。

なので、現在の感覚とは異なるものもでてきます。

新年は旧暦では春、新暦では冬。地方によっては旧正月で祝うところもあって、混乱を避けるために正月行事は一括して新年の部として独立させる場合が多くなっています。

また、「七夕」や「盂蘭盆(うらぼん)」などの日本古来の年中行事も、地方によって新暦と旧暦に分かれています。そのため、旧暦で用いることが優先され、季語と実際の時季のずれが感じられるようになっているのです。


冬の季語「鯛焼」。K_KAZUHIKOによるPixabayからの画像

おもしろい季語、不思議な季語

『新版・俳句歳時記』(雄山閣)を開いてみると、春夏秋冬それぞれに時候の言葉が並んでいるのですが、中には聞いたことのない季語や不思議な季語、意外な季節に設定されている季語がいくつも!

春の季語

「猫の恋」 聴覚に訴える季語。猫の子、子猫も春の季語。
「風光る」 少しの冷たさと鋭さをもった晴天の春の日の風。
「山笑う」 明るくなった日差しのもと、生気に溢れた緑色の山の姿を表す。
「伊勢参(いせまいり)」 類する言葉もすべて春の季語。
「遍路(へんろ)」 年中とおして行われるが、季語では春に該当する。
「目刺(めざし)」 季節を問わない食べ物と思いきや、春の季語。
「蕨餅(わらびもち)」 季節があるのは意外だが和菓子には春の季語が多い。
「ボートレース」 3月から11月まで開催されるけれど、季語としては春限定。
「ぶらんこ」 中国伝来の遊具は、蘇東坡(そとうば)の詩から春の季語に。
「海苔(のり)」 一年中出回っているけれど、季語としては春。
「涅槃西風(ねはんにし)」 涅槃会(陰暦2月15日)前後に吹き続く西風。

夏の季語

「香水」 薄着になるとより印象的になることから。
「目高(めだか)」 春の川を泳いでいるイメージだが夏の季語。
「苺(いちご)」 現在は冬や春の出荷量が多いけれど、本来は夏が旬。
「麦の秋」 初夏に麦が実る風景。秋がついているのに夏の季語なので要注意。
「雪渓(せっけい)」 一瞬、冬のようだが、夏山登山に由来する夏の季語。
「お花畑」 能天気を表す現代の意でなく、高山植物をさした言葉。
「滝」 降下する水やしぶきが涼感を与えることから夏の季語に。
「虎が雨(とらがあめ)」 曾我兄弟が討たれた日の雨が虎御前が流した涙だったという言い伝えから。

秋の季語

「八月」 旧暦では秋に分類されるため。8月の行事などもすべて秋の季語。
「爽やか」 秋の澄んだ空気の心地よさを表す言葉なので、俳句では秋限定。
「身に入む(みにしむ)」 心身ともに寒さ冷たさを感じるという意味の言葉。
「天の川」 七夕を思い出す言葉だが、季語としては秋。
「夜食」 仕事が多忙になる時期=秋ということから。
「相撲(すもう)」 本来は秋の豊凶を占う神事であったことから。
「秋遍路(あきへんろ)」 遍路のみだと春の季語なので、秋をつけて。
「ラ・フランス」 外来語の季語も最近は決して珍しくない。

冬の季語

「ジャケット」 四季を通して着用するものだが、季語としては冬。
「鯛焼(たいやき)」 ちなみに今川焼も冬の季語。
「畳替(たたみがえ)」 正月迎えのために行っていたことから。
「鯨(くじら)」 夏っぽいイメージだが、鮫(さめ)とともに冬の季語。
「鮪(まぐろ)」 一年中店頭に並んでいるけれど、旬の関係から冬。


芭蕉が「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」と詠んだ山形県・山寺(立石寺)に立つ、芭蕉と弟子・曾良の像。丸岡ジョーさんによる写真ACからの写真

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書いた人

通称TAKE-G(たけ爺)。福岡県飯塚市出身。東京で生活を始めて40年を過ぎても、いまだに心は飯塚市民。もともとファッション誌から始まったライター歴も30年を数え、「和樂」では15年超。日々の自炊が唯一の楽しみ(?)で、近所にできた小さな八百屋を溺愛中。だったが、すぐに無くなってしまい、現在やさぐれ中。