「和歌っていいですよね」と言われて「そうそう!」と納得できるとすれば、あなたはなかなかマニアックな方。和歌は、たった31文字で心を大きく揺さぶる、日本の素晴らしい文化のひとつです。しかし、何だか色んな知識やテクニックが必要な和歌は、現代の私たちにはハードルが高いものとなってしまっています。
それでも和歌の素晴らしさを伝えたいんだ! そんな思いで、誰でもわかりやすい「直感的な恋の和歌」をピックアップしました。
歌人(和歌を詠む人)は、平安時代の「恋愛体質」な2人をチョイス。絶対に心がキュンとするはずなので、騙されたと思って読んでみてください! お願いします!
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平安のプレイボーイ 在原業平
在原業平(ありわらのなりひら)は、平安時代きってのプレイボーイ。かなりのイケメンだったそうで、現代でも人気のある歌人です。そんな業平の詠んだ恋の和歌は、とってもロマンチック!
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一日中あなたのことを考えちゃう
起きもせず 寝もせで夜を あかしては 春の物とて ながめくらしつ
訳:起きるでも寝るでもなく、あなたのことを想って長い夜を明かしました。昼は昼で、しとしと降る春の長雨を、ぼんやりと眺めて過ごしています。
心穏やかでいられないのは、桜のせい?それとも……
世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし
訳:この世に桜さえなければ、春は心穏やかに過ごせるのに。
しかし、これをプレイボーイ・在原業平が詠んだということは……。
「あなたさえいなければ、私は心穏やかに過ごせるのに」と狂おしい恋心をあらわしているとも受け取れる歌となっています。うーん、ロマンチック!!
恋多き女流歌人 和泉式部
和泉式部(いずみしきぶ)は、平安時代に活躍した女流歌人。身分違いの恋で世間を騒がすなど、ゴシップネタに事欠かない「恋多き女」でもありました。そんな彼女の恋愛の和歌は、官能的で情熱的!
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恋人に髪を触られるのって、キュンとする
黒髪の みだれもしらず うちふせば まづかきやりし 人ぞ恋しき
訳:恋に思い乱れて、黒髪が乱れるのも構わずに打ち臥せっていると、思い出す。私の髪をかきやった、恋しいあの人。
死ぬ前にもう一度会いたい
あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな
訳:もうすぐ私の命は絶えてしまうでしょう。あの世への思い出に、今一度あなたにお会いしたい。
「私は死ぬ前に、誰を想い浮かべるかしら」なんて想像しちゃいます。
情熱的な恋の和歌。あなたも詠んでみませんか?
平安時代は、およそ千年も昔のことなので、言葉そのものは古くてちょっと読みにくかったかもしれません。でも、情熱的な2人の熱い想いは、きっと心に響いたのではないでしょうか。
和樂webでは、気軽に和歌を楽しめる「しもうた」という取り組みを行っています! 豪華景品も当たるコンテストを開催しているので、ぜひ在原業平や和泉式部になりきって、情熱的でロマンチックな和歌を詠んでみませんか?
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恋にエロスのスパイスを。気軽に詠める和歌「紅白しもうた合戦」開催!【豪華景品】
アイキャッチ画像:メトロポリタン美術館より 喜多川歌麿
※アイキャッチ画像の2人は、在原業平と小野小町です。
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