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エレガンスは、けして色あせることのない唯一の美です。(オードリー・ヘプバーン)
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エレガンスは、けして色あせることのない唯一の美です。(オードリー・ヘプバーン)

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Culture
2021.01.26

31文字のロマンス♡恋愛体質な平安貴族の「恋の和歌」にドキドキが止まらないっ…!!

この記事を書いた人

「和歌っていいですよね」と言われて「そうそう!」と納得できるとすれば、あなたはなかなかマニアックな方。和歌は、たった31文字で心を大きく揺さぶる、日本の素晴らしい文化のひとつです。しかし、何だか色んな知識やテクニックが必要な和歌は、現代の私たちにはハードルが高いものとなってしまっています。

それでも和歌の素晴らしさを伝えたいんだ! そんな思いで、誰でもわかりやすい「直感的な恋の和歌」をピックアップしました。

歌人(和歌を詠む人)は、平安時代の「恋愛体質」な2人をチョイス。絶対に心がキュンとするはずなので、騙されたと思って読んでみてください! お願いします!

▼編集長による音声コンテンツはこちら!

平安のプレイボーイ 在原業平

在原業平(ありわらのなりひら)は、平安時代きってのプレイボーイ。かなりのイケメンだったそうで、現代でも人気のある歌人です。そんな業平の詠んだ恋の和歌は、とってもロマンチック!

■在原業平に関する記事はこちら

一日中あなたのことを考えちゃう


起きもせず 寝もせで夜を あかしては 春の物とて ながめくらしつ

訳:起きるでも寝るでもなく、あなたのことを想って長い夜を明かしました。昼は昼で、しとしと降る春の長雨を、ぼんやりと眺めて過ごしています。

恋をしている時って、相手のことを想って「心ここにあらず」の状態になってしまいますよね。気持ちがたかぶって夜は眠れず、昼もぼーっとしてしまう。そんな経験、きっと誰でも一度はあるのでは♡

心穏やかでいられないのは、桜のせい?それとも……


世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし

訳:この世に桜さえなければ、春は心穏やかに過ごせるのに。

春になると「開花予想」が報じられるなど、いつの時代も日本人は桜に心動かされてきました。「いっそ桜がなければ、心静かに暮らせるのに」と詠うことで、桜のすばらしさを称える歌となっています。

しかし、これをプレイボーイ・在原業平が詠んだということは……。

「あなたさえいなければ、私は心穏やかに過ごせるのに」と狂おしい恋心をあらわしているとも受け取れる歌となっています。うーん、ロマンチック!!

恋多き女流歌人 和泉式部

和泉式部(いずみしきぶ)は、平安時代に活躍した女流歌人。身分違いの恋で世間を騒がすなど、ゴシップネタに事欠かない「恋多き女」でもありました。そんな彼女の恋愛の和歌は、官能的で情熱的!

■和泉式部に関する記事はこちら

恋人に髪を触られるのって、キュンとする


黒髪の みだれもしらず うちふせば まづかきやりし 人ぞ恋しき

訳:恋に思い乱れて、黒髪が乱れるのも構わずに打ち臥せっていると、思い出す。私の髪をかきやった、恋しいあの人。

恋人同士の熱い逢瀬が感じられる歌。一人で横になっていると、大切な人と触れ合ったことを思い出す……。とっても官能的で情熱的な和歌ですね。

死ぬ前にもう一度会いたい


あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな

訳:もうすぐ私の命は絶えてしまうでしょう。あの世への思い出に、今一度あなたにお会いしたい。

逢ふ=男女が関係をもつこと。死ぬ前にもう一度、あの人に抱かれたい……。命が消える直前まで恋しい人を想うなんて、どれほど情熱的な恋だったの?

「私は死ぬ前に、誰を想い浮かべるかしら」なんて想像しちゃいます。

情熱的な恋の和歌。あなたも詠んでみませんか?

平安時代は、およそ千年も昔のことなので、言葉そのものは古くてちょっと読みにくかったかもしれません。でも、情熱的な2人の熱い想いは、きっと心に響いたのではないでしょうか。

和樂webでは、気軽に和歌を楽しめる「しもうた」という取り組みを行っています! 豪華景品も当たるコンテストを開催しているので、ぜひ在原業平や和泉式部になりきって、情熱的でロマンチックな和歌を詠んでみませんか?

▼コンテストの詳細はこちら!
恋にエロスのスパイスを。気軽に詠める和歌「紅白しもうた合戦」開催!【豪華景品】

アイキャッチ画像:メトロポリタン美術館より 喜多川歌麿
※アイキャッチ画像の2人は、在原業平と小野小町です。

在原業平に関する基礎知識はこちら

3分でわかる記事は以下よりどうぞ!

書いた人

大学で源氏物語を専攻していた。が、この話をしても「へーそうなんだ」以上の会話が生まれたことはないので、わざわざ誰かに話すことはない。学生時代は茶道や華道、歌舞伎などの日本文化を楽しんでいたものの、子育てに追われる今残ったのは小さな茶箱のみ。旅行によく出かけ、好きな場所は海辺のリゾート地。