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エレガンスは、けして色あせることのない唯一の美です。(オードリー・ヘプバーン)
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エレガンスは、けして色あせることのない唯一の美です。(オードリー・ヘプバーン)

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Culture
2021.03.19

【メン募】一緒に「あはれ」な世界を盛り上げてくれるドラム募集!『古今和歌集』のスターメンバーでバンドつくってみた

この記事を書いた人

全ては、ここから始まった——

「馬鹿馬鹿しいことを真剣に」をモットーに掲げる和樂web。しかし「普通に真面目でいい人だ」とスタッフ内でウワサされていた編集長。ついに本来の姿をあらわした瞬間だった。

普段の真面目で意識の高い編集長

かくして『古今和歌集』のスターメンバーによるバンドアイドルグループが結成された。

バンド活動のきっかけ

バンド活動のきっかけは「文化祭でギター弾いてモテたい」とか、そんな理由ではない。平安時代に花開いた「あはれ」の思想を広め、世界平和を実現しようという揺るぎない理念が根底にある。


バンド活動の源流となる理念を説いた上記のツイートは、ちょっと何言っているかわからないことだらけで怪しさ満点だ。これが和樂webの公式Twitterにピン留めされているから恐ろしい。しかし、本来「教え」というものは難解でわかりづらいものである。今では多くの信者を抱える宗教も、宗教画を描いてみたり、歌をつくってみたり、唱えやすい言葉を広めたりといったさまざまな創意工夫の結果、広く信者を獲得することに成功したのだ。

そこで、我々アハレンジャーズは「アイドル活動」で布教していくことになった。もともと「アイドル」とは、信仰の対象としての神像や偶像を表す言葉なのである。今ではそれが転じて、熱狂的ファンをもつ若い歌手などを指すようになった。

メンバー紹介!

ここで邪魔をしたのが、熱狂的ヴィジュアル系バンドファンの私(平安暴走戦士~chiaki~)だ。アイドルではなくヴィジュアル系っぽくしたい、と勝手な欲望をむき出しにしてヴィジュアル系路線へ舵を切り出した。そこに割って入るのが、熱狂的男性アイドルファンの谷田半休。さらにフランス在住のuemmaがどちらにも迎合せずあーだこーだ言った結果、意外にもバンド構成はソフトランディングした(ランディングしていないという可能性もある)。

ヴォーカル:TSURAYUKI

今の時代に「あはれ」の思想が残り、数々の優れた和歌や文学が残っているのは、紀貫之がいたからと言っても過言ではあるまい。『古今和歌集』仮名序では「力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女の中をも和らげ、猛き武士の心をも慰むるは歌なり」と説いた。訳など詳しくはこちらの記事の末尾のほうで。

そんな紀貫之をリスペクトするメンバーが、編集長セバスチャン・高木のTSURAYUKI。


後光がさして怪しい神々しいオーラが漂っている。

ギター(上手):NARIHIRA

平安のイケメン&プレイボーイといえば、在原業平。情熱的な和歌を詠んだことで知られ、紀貫之が「その心余りて言葉足らず(溢れる想いが言葉からはみ出しちゃってるよ……!)」と評した男だ。


業平を敬愛するNARIHIRAは、自分を人気者と勘違いしてソロ活動をしていたが、鳴かず飛ばずなので今はバンドに戻っている。ソロ活動の新曲『君とISE☆物語』で、巻き返しを図りたい。

ギター(下手):TOMONORI

「久方の光のどけき春の日に しづ心なく花のちるらむ」

百人一首にも選ばれている、かの有名な和歌を詠んだ、紀友則。彼をリスペクトするのが、フランス在住のTOMONORIだ。こんなご時世なので、バンド活動もリモート対応している。

いかにも桜を眺めてシャレオツな和歌を詠んでいそうな雰囲気だ。

官位なんかには目もくれず、ひたすら芸術に邁進するTOMONORI。さすが芸術の都・パリ!!

ベース:TADAMINE

「有明のつれなく見えし別れより 暁ばかり憂きものはなし」

百人一首に選ばれているこの歌は、「彼女に“ねぇ、そろそろ帰ってくれない?”って冷たくされた!! だからもう明け方ってキライ!!」という気持ちを詠んだ歌である。そんなちょっとネチネチした歌を詠んだ壬生忠岑をリスペクトするのは、給湯流茶道などの活動も行っているTADAMINE。


歌のイメージとは違って、陽気な雰囲気だ。多分あまりにうるさすぎて「早く帰って」と言われてしまったのだろう。


勝手にメンバーカラーを決め出したが、私は紫と緑が「脇を支える系の色」というのは初耳である。TADAMINEには経歴詐称はしないようお願いしたい。

ドラム:MITSUNE メンバー募集中!

現在ドラムの席が空いている。目立ちたがりばかりが集った結果、ドラムの座に落ち着くものはいなかった。バンドで重要なのはドラムだというのに。

ちなみに百人一首に収載されている凡河内躬恒の歌はこちら。

「心あてに折らばや折らむ 初霜の置きまどはせる白菊の花」

MITSUNEには、どうかドラムのスティックは折らないでいただけると嬉しい。
▼応募先はこちら

音楽雑誌のメン募コーナー。メンバーは、これがわかる昭和世代で構成されている。

ちなみに和樂webは以前スタッフアイドル化計画で大きくコケた経験があるので、敏腕プロデューサーも募集中です。

書いた人

大学で源氏物語を専攻していた。が、この話をしても「へーそうなんだ」以上の会話が生まれたことはないので、わざわざ誰かに話すことはない。学生時代は茶道や華道、歌舞伎などの日本文化を楽しんでいたものの、子育てに追われる今残ったのは小さな茶箱のみ。旅行によく出かけ、好きな場所は海辺のリゾート地。