歌舞伎「冥途の飛脚」とオペラ「椿姫」を比べてみました!

歌舞伎「冥途の飛脚」とオペラ「椿姫」を比べてみました!

目次

日本の歌舞伎とイタリアのオペラ。発祥の時期や演目の内容など、数々の共通点があります。400年もの間、観客を楽しませてきた2つの舞台芸術。その新たな魅力を発見すべく、それぞれの名作や舞台設定を比べてみました!

歌舞伎「冥途の飛脚」とオペラ「椿姫」

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日本とイタリアで1万㎞近く離れていながら、歌舞伎とオペラというふたつの舞台芸術は、時を同じくして、西暦1600年前後に発祥し、共に400年を超える歴史があります。演目も似ているものがあります。たとえば、歌舞伎「冥途の飛脚」とオペラ「椿姫」。

DMA-aflo_QKXB050033_V2マリア・カラスの「椿姫」ヴィオレッタ(1958年・英国ロイヤルオペラハウス)。(Top Foto/アフロ)

「椿姫」は華やかなパリの社交界を舞台に、高級娼婦ヴィオレッタの純愛と哀しい運命を描いた物語。誇り高く生き抜いた女性の姿を鮮やかに描き、深い感動を誘います。ガラ・コンサートの定番「乾杯の歌」をはじめ、名曲揃いの人気オペラ。20世紀最高のソプラノ歌手「プリマドンナ アッソルータ」(究極のプリマドンナ)と呼ばれたマリア・カラスなど、オペラはアリアが見せ場です。

DMA-006-5339_V2「冥途の飛脚」(通称:梅川忠兵衛)の死への道行きの場面。歌川豊国画「花揃出情競 壱 梅川忠兵衛」(早稲田大学演劇博物館)

「冥途の飛脚」は、大金を動かす飛脚問屋の養子忠兵衛が遊女梅川と恋に落ちますが、こちらも悲劇。逃れるすべのないことを知った二人は死への旅路へと発ちます。歌舞伎の場合、道行きが最大の見せ場の一つです。ここが日本人の美学。雪が舞う河原で、梅川と忠兵衛は帯で二人の身体を結び踊ります、歌舞伎役者は台詞を言いますが、歌は義太夫など地方の仕事。その代わり踊りの名手でなければなりません。

上流階級の社交場だったオペラ座

DMA-CTWXJW Vフランス・パリにあるガルニエ宮(オペラ座)(PPS通信社)

1669年、国王ルイ14世によって創設され、現在のガルニエ宮は13代目。劇場内部は皇帝の色である真紅と金の装飾をメインに、クリスタルの豪華なシャンデリア、パリ社交界の応接間として機能する大休憩室も備わっています。馬車で劇場に乗り付ける燕尾服やロング・ドレスの紳士淑女…パリ貴族や上流階級の社交場にふさわしい場所として、有名です。

賑やかな芝居小屋で育った歌舞伎の様式

DMA-alb337246(PPS通信社)

北斎が描いた江戸の芝居小屋。茶屋から料理や酒が運び込まれ、観客は飲んで騒ぎながら芝居を見ました。町人中心で身分の区別なくあらゆる階層が混じりあう場所で、贔屓の役者にはおひねりが投げられ、大向こうの掛け声や野次が飛びかいました。そんな中、役者たちは観客の気を惹くため、豪華な衣裳をこしらえたり、化粧したり、見得を切って誇張するなど、歌舞伎の手法や様式が生まれてきました。

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