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これは33年待ってでも見たい! 美しい秘仏ベスト10

美しく尊いお姿を、1年に数回、あるいは数年に1度しか拝見できない仏様。それが「秘仏(ひぶつ)」です。普段は扉を閉じた厨子の中。扉が開く「御開帳」の日にのみ姿を現します。そんな秘仏の中から、数か月、数年待っても見るべき美仏を厳選。御開帳時期とあわせてご紹介します。

御開帳が待ち遠しい! 日本の秘仏10選

1.観世音菩薩立像「救世観音」

【1年に2度御開帳】
毎年4月11日~5月18日、10月22日~11月22日

これは33年待ってでも見たい! 美しい秘仏ベスト10

聖徳太子の姿をうつした伝説の飛鳥ビューティ! 口角をかすかに上げた神秘の微笑みに、絢爛たる宝冠。スリムな体にまとった天衣が左右対称に広がる姿は感動の美しさです。仏教美術の殿堂、法隆寺夢殿の本尊は、飛鳥時代の作で楠の一木造。聖徳太子の等身像と伝えられています。長く厨子の中に安置されていましたが、明治17(1884)年、東京大学教師のアーネスト・フェノロサと弟子の岡倉天心が厨子を開扉。像に巻き付けられた白い布をほどき、数百年の眠りを解いたという逸話も残されています。

◆奈良県 法隆寺
住所 奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1
公式サイト

2.国宝 如意輪観音坐像

【1年に1度御開帳】
毎年4月17、18日

これは33年待ってでも見たい! 美しい秘仏ベスト10

大宝元(701)年、修験道の開祖・役小角が創建したとされる観心寺。その本尊は、平安時代作の高さ1mほどある密教木彫です。六臂(6つの腕)をもち、如意宝珠と法輪を手にすることから如意輪観音の名が。榧の一木造ですが、随所を漆で厚く盛り上げて、やわらかな肌の質感を表現しています。頰に当てた指先にも腕輪をはめた二の腕にも色気が漂い、その官能美に魅了される人多数。二重円光の光背も台座も造像当初のままで、蓮台の11弁にはそれぞれ違う紋様が描かれています

◆大阪府 観心寺
住所 大阪府河内長野市寺元475
公式サイト

3.十一面観音菩薩立像

【1年に3度御開帳】
御開帳時期は、法華寺 公式サイトでご確認ください

これは33年待ってでも見たい! 美しい秘仏ベスト10写真/永野鹿鳴荘

高さ1mほどの小さな仏様ですが、その神々しさは圧倒的。天平17(745)年に開創した法華寺の本尊です。平安時代の作で、木肌の美しさを生かした榧の一木造。寺の建立を発願した光明皇后がモデルだとされています。長い右手で裾をつまんだ衣には、太いひだと細く鋭いひだを交互に刻む翻波式衣文。珍しい形の光背は、蓮のつぼみと葉をデザインしたもの。造像時の光背を踏襲し、明治期に補作されました。

◆奈良県 法華寺
住所 奈良県奈良市法華寺町882
公式サイト

4.国宝 無著菩薩立像

【1年に2度御開帳】
北円堂は春と秋に開扉

これは33年待ってでも見たい! 美しい秘仏ベスト10

鎌倉初期、興福寺北円堂が復興した際につくられた僧形像です。桂材の寄木造に彩色。諦念を秘めた眼差しや固く結んだ口元、重く垂れる袈裟の衣文など、仏像の域を超えた写実性が見事です。無著は5世紀ごろガンダーラで活躍し、弟の世親とともに唯識教学を確立した人物。作者の運慶は、古代インド人の容貌を老年の日本人の姿で表現。世親像とともに国宝です。

◆奈良県 興福寺
住所 奈良県奈良市登大路町48
公式サイト

5.十一面観音立像

【1年に1度御開帳】
毎年4月18日

これは33年待ってでも見たい! 美しい秘仏ベスト10

天平彫刻ならではのふっくらした輪郭に古風な顔立ち。天平宝字6年(762)ごろには完成していたと推定される、貴重な秀作です。8世紀初め、空海の師である勤操によって開創された美江寺の本尊で、近畿以外ではとても珍しい脱活乾漆仏。繊細かつ華やかな胸飾りや天冠台は造像当初のものとされています。特に胸飾りは、天平盛期の文様を基本としつつ、新しい意匠を組み込んだ珍しいデザイン。享保18(1733)年ごろに行われた修復の際、金属の胎内仏が納置されたこともわかっています。

◆岐阜県 美江寺
住所 岐阜県岐阜市美江寺町2-3
公式サイト

6.執金剛神立像

【1年に1度御開帳】
毎年12月16日

これは33年待ってでも見たい! 美しい秘仏ベスト10

鮮やかな彩色も翻る天衣も素晴しい、東大寺の守護神。法華堂(三月堂)内陣背後の厨子に納められている塑像で、奈良時代の作と推定されています。カッと見開いた目に嵌め込まれたのは暗緑色の玉。怒号する表情、血管の浮き出した腕や筋肉など、躍動感に満ちた姿です。名の由来は、金剛杵と呼ばれる法具を持つことから。法華堂の前身である金鐘寺を建てた良弁僧正の命日に公開されます。

◆奈良県 東大寺
住所 奈良県奈良市雑司町406-1
公式サイト

7.重要文化財 十一面観音立像

【17年に1度半開帳、33年に1度本開帳】
次回は2019年4月の半開帳(予定)

これは33年待ってでも見たい! 美しい秘仏ベスト10

尾道市の山上にあり、境内からは瀬戸内海や遠く四国までを一望。奈良時代の僧・行基による天平18(746)年の開山開基が伝えられる古刹です。本尊の十一面観音立像は平安後期の作で檜の一木造。素木を生かした力強い体軀が、品のいい瓔珞で飾られています。素朴な佇まいですが、鼻筋が通った顔はキリッとしており、目が離せなくなる美しさ。御開帳時に奉納される「小味の花踊り」が無形民俗文化財に指定されています。

◆広島県 摩訶衍寺
住所 広島県尾道市原田町梶山田4338
公式サイト

8.国宝 弥勒仏坐像

【21年に1度御開帳】
前回のご開帳は2015年4月2日〜5月21日。次回未定。

これは33年待ってでも見たい! 美しい秘仏ベスト10

唇をキュッと閉じつつ口角だけ上げた笑み、ぱんぱんに張った頰やあご……異国風の美しいお顔をもつ仏様は、唐請来の画像を手本にしてつくられたとされる、平安仏の傑作です。檜の一木造に彩色。大きな円光背や八重蓮華座も、ほぼ完全な形で伝えられています。慈尊院は女人高野と呼ばれて女性の信仰を集める古寺で、弘仁7(816)年、空海が高野山開山の政所として建立。国宝の本尊は、空海の母・阿刀氏の廟所であり世界遺産にも登録される弥勒堂に安置されています。

◆和歌山県 慈尊院
住所 和歌山県伊都郡九度山町九度山慈尊院832
公式サイト

9.弥勒菩薩坐像

【20~22年に1度御開帳】
御開帳は不定期。近年は20~22年ごと。

これは33年待ってでも見たい! 美しい秘仏ベスト10

若返り祈願の寺院として知られる慈恩寺は、天平18(746)年、聖武天皇の勅命によりインド僧婆羅門が開基した古刹。本尊は、永仁6(1298)年、奈良の仏師寛慶の作とされています。脇侍には、現代仏の地蔵菩薩、過去仏の釈迦如来、不動明王に降三世明王。国内でも珍しい組み合わせの五尊形式です。五仏ともヒメコマツの素木造で、頭髪に群青、眼球を墨描き、口唇に朱をさすなど最小限の彩色。宋の美術の影響が感じられます。

◆山形県 本山慈恩寺
住所 山形県寒河江市大字慈恩寺地籍31 
公式サイト

10.馬頭観音坐像

【33年に1度御開帳(17年に1度中開帳)】
次回は2028年予定。

これは33年待ってでも見たい! 美しい秘仏ベスト10

“若狭富士”と呼ばれる青葉山の中腹に建ち、高浜・和田海岸を一望する中山寺。9世紀初め、聖武天皇の勅願によって、泰澄が創建したとされています。入母屋造・檜皮葺の本堂に端坐する本尊は、凄まじい形相で睨みつける三面八臂の忿怒観音。海上交通の守り仏として信仰を集めてきました。作は鎌倉時代で、檜の寄木造に彩色と切金。逆立つ髪やその上に頂く馬首の恐ろしさと反対に、体軀はしなやかで色彩も美しい傑作です。

◆福井県 中山寺
住所 福井県大飯郡高浜町中山27-2
公式サイト

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