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Culture
2022.10.25

小惑星のサンプルが見比べられる!?相模原のJAXAにロマンが詰まっていた

この記事を書いた人

小惑星<リュウグウ>に行きサンプルを持ち帰り大きな話題になった<はやぶさ2>プロジェクトを覚えていますか?
JAXA宇宙科学研究所が中心となっているこのプロジェクトは、神奈川県相模原にある、JAXA相模原キャンパスがその拠点となっています。
言わずと知れた宇宙開発を担う宇宙航空研究開発機構・JAXA。つくばにある施設が有名ですが、実はほかにもJAXAの拠点はいくつも存在します。そのうちの1つが相模原キャンパスなのです。
施設内にある一般の見学ができる「宇宙科学探査交流棟」では、<はやぶさ>達が持ち帰ってきた、小惑星のサンプルが見られます!宇宙のロマンが気軽に体験できるJAXA相模原キャンパス、夏休みを利用してお邪魔してきました。

そんな貴重なものが相模原に!?

JAXA相模原キャンパスの歩み

JR横浜線淵野辺駅から、歩いて20分ほど。丹沢山地を望む場所に、JAXA相模原キャンパスはあります。

駅からもうJAXAの雰囲気がばっちり!『アイドルマスターSideM』と相模原市のコラボ立て看板が。

また、松本零士さんの『銀河の旅 2012』を使用した看板もありました。

今回は宇宙科学研究所宇宙科学広報であり、宇宙科学探査交流棟を担当されている、大川拓也さんにお話を伺いました。

――まずはJAXA相模原キャンパスの歴史を教えてください。

大川拓也さん(以下、大川)「かつては東京大学宇宙航空研究所といって、東京の駒場にある東京大学の一部でした。本格的にロケットを打ち上げるようになると、ひとつの大学の研究の範囲を超えて発展させていくため、宇宙科学研究所とを創設。文部省(現在の文部科学省)の研究所になりました」

――ロケット開発がきっかけで、独立した機関になったんですね。

大川「大きなロケットの開発や、本格的な衛星の試験には広い場所が必要になります。土地を必要としていたところ、かつて米軍が使っていた相模原の土地の一部が返還され、その一部に国の施設を作ることができるようになったんです」

――かなり広い土地ですが、まさかの米軍の土地だったとは!

大川「その結果、宇宙科学研究所のキャンパスが相模原に作られることが決まりました。移転してきたのは、1980年代のことです」

――意外と最近に感じます。といっても、もう30年以上も相模原の地で研究を行われているんですね。

大川「1986年に76年ぶりにハレー彗星が地球に接近しました。これを探査する、探査機の組立や試験が相模原キャンパスで行なわれました。日本の太陽系探査の先陣を切った瞬間です。ちなみにJAXAが発足したのは2003年のことで、その際、宇宙科学研究所(※当時の名前は宇宙科学研究本部)はJAXAの研究所になりました」

――ハレー彗星!ドラえもんで読みました。地球へ約76年周期で接近する彗星ですね。現在ではどんな研究が行われていますか?

大川「JAXA相模原キャンパスは最先端の宇宙科学研究を支えている、宇宙科学研究所の本拠地です。宇宙の謎を探り、新たな可能性を切りひらくために、さまざまな飛翔体を用いた宇宙科学ミッションが生み出されています。国内外の大学や研究機関、企業などとも協力して研究が進められていますよ」

――とりわけ、<はやぶさ>が有名ですよね。相模原のJAXA研究が目指すものを教えてください。

<はやぶさ2>に寄せられたブライアン・メイのメッセージ動画

大川「<はやぶさ><はやぶさ2>では、はるか遠くの小惑星のサンプルを地球へ持ち帰りました。これは世界に先駆けた探査であり、実現したのは大きな功績です。持ち帰ったサンプルは、私たちの住む太陽系の生い立ちや、地球の海や生命の材料物質にせまる手がかりとなるものです」

――「地球外」から来たものですものね。他にはどんな研究をされていますか。

大川「小惑星探査だけでありません。月や惑星などの科学探査、大気圏外からの天文観測、新たな宇宙への可能性を切り開く宇宙工学なども行われています。新しい衛星・探査機や観測装置の研究開発なども行われていますよ。国内外のさまざまな機関と協力して、宇宙科学ミッションの立案・開発・飛翔実験・運用を一貫して行っていますよ」

宇宙科学探査交流棟に訪問!大人も夢中になる宇宙ワンダーランド


相模原キャンパスの門から入ってすぐに「宇宙科学探査交流棟」はあります。平屋建てですが天井が高い!お子さんや学生さんでとてもにぎわっていました。

――こちらの施設はいつから、どういった目的で設立されましたか?

大川「2018年2月に相模原キャンパスの敷地内にオープンした交流施設です。JAXAが取り組む宇宙科学探査に関する展示があり、子供から専門家まで、どなたでもご見学いただけます」

――まだオープンして4年ほどなんですね!どんな展示がありますか?

大川「実物のロケットや、科学衛星の試験モデル、小惑星探査機<はやぶさ2>実物大模型、小惑星のかけら(サンプル)などを展示しています。どれも間近に見られるのが特徴です。また日本の宇宙科学の歴史についてもここにしかない資料等を展示していますよ」

中を歩いてみると、小惑星<リュウグウ>の模型、<IKAROS(イカロス)>と名付けられた太陽光の力で動く「宇宙ヨット」の「帆」に当たる部分の4分の1を展示されているなど、天井近くまでさまざまな展示が盛りだくさん!

日本初の実験用ロケットなど、貴重なものがずらりと並びます。展示解説ツアーでは詳細を教えていただけるので、時間が合えば参加してみるのがおすすめです。開催日時はウェブサイトで確認できますよ!

――年間、どれくらいの来場者があるのでしょうか。

大川「土日祝日や大型連休・夏休み期間などは特に多くの見学者でにぎわいますが、やはり新型コロナウィルスまん延の影響で通常開館できなかった期間もあって、ここ3年は大きな影響を受けています。他の施設の皆さんも同様と思いますが……」

――私は飛行機より高く飛べて、人工衛星より低い高度を長時間飛ぶ科学観測用気球・大気球に惹かれました。ぜひ、おすすめの展示を教えてください!

大川「宇宙科学探査交流棟の目玉は、ここにしかない数々の実物展示です。やはり第一におすすめしたいのは、小惑星<イトカワ>と<リュウグウ>、種類の異なる2つの小惑星から採取されたサンプルの実物を観察できる点でしょうか。ふたつを見比べることができるのは世界的にもきわめて珍しいといえます。ぜひこれら地球外物質を調べる科学者のわくわくにも想いをめぐらせてください」

――ガイドツアーで、初めてロケットの構造を間近に見ました!

大川「ロケットや人工衛星・探査機の試験モデル実物などもじっくりとご覧いただけるのは、他にない体験かと思います。屋外に展示されているロケットは記念写真を撮るフォトスポットになっています」

――私も撮りました!お子さんがみんな目を輝かせて写真を撮っていましたね。

大川「年に一度の相模原キャンパス特別公開では、多数の企画を用意しているので、こちらもおすすめしたいですね。なにか気になるものを見つけて、宇宙への興味をご自宅に持ち帰っていただければ嬉しいです」※2022年度は10月に事前予約制で開催

※展示内容は変更の場合あり

宇宙へのロマンがぎっしり詰まっている


駅から歩く道すがらに、オリジナルマンホールがありました。街全体でJAXA相模原キャンパスを応援しているのだなあと感じます。
宇宙科学探査交流棟はワンフロアの展示ですが、隅から隅まで見るとかなりのボリューム。展示解説ツアーでは、担当の方の熱意に圧倒されると同時に、これから宇宙の謎がどのように解き明かされていくのか楽しみになりました。
個人的には、よく写真で見る「金色のシャバシャバした布っぽいなにか」がポリイミドフィルム、サーマルブランケットという名前で、宇宙空間での極端な温度差から衛星を守る役目を果たしていると知って感動しました!

さまざまなプロジェクトで使われているサーマルブランケット。金色のシャバシャバという名ではありません

ちなみに、宇宙食の焼き鳥をお土産に買い込みました。交流棟の近くに売店があり、見学者も購入できますよ!(平日のみ)

気分は宇宙飛行士!

また宇宙にはまだまだ知らないことがいっぱい、そして日本の技術と研究で解明されてきたこともたくさんあります。
「絶対に知らないことがある」JAXA相模原キャンパス、ぜひ見学してみてください。

宇宙科学探査交流棟
JAXA 相模原キャンパス

書いた人

歌舞伎を着物で観つつ和菓子を食べ茶を点て過ごす日々。実はTOEIC910点だが、あまり活用していない。旅行とコスメと本が好き。ラグビーとプロレスで叫んでいることもある。今日も漫画は面白い。