【岡山】へぇ〜、知らなかった!桃太郎の「どんぶらこ」にまつわるあれこれ

【岡山】へぇ〜、知らなかった!桃太郎の「どんぶらこ」にまつわるあれこれ

「どんぶらこ」ということばを聞いたことがありますか? あるとしたらきっと昔ばなしの「桃太郎」ではないでしょうか。
先日の帰省の折、桃太郎の昔ばなしを追体験しに鬼ヶ島に出かけたわたしは、「おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が『どんぶらこ、どんぶらこ』と流れてきました」と頭のなかで物語を復習していました。でもよくよく考えてみたら、「どんぶらこ」ってほかにはあまり聞くことがありません。
そこで、気になる「どんぶらこ」の由来や今でもある「どんぶらこ」、そしてまさかのあの歌劇団と「どんぶらこ」の関係などをご紹介します。

ポストの上にも桃太郎が!

「どんぶらこ」はどこからきたの?

昔話でおばあさんが川で洗濯をしているときに桃が流れてくる音が「どんぶらこ」。ほかで使うことはほとんどないような気がします。大きな桃が流れてくる音として「どんぶらこ」はすごくマッチしていますが、ちょっと変わった言葉のように思いませんか――?

「日本名作おはなし絵本 ももたろう」(小学館、2010年)

「日本国語大辞典」には「物が水の流れのままに浮きつ沈みつして、漂いゆくさまを表わす語。どんぶりこ。」と書いてあり、用例として歌舞伎の「忠臣蔵年中行事」(1877年)に四月「桐の箪笥は笹くれて、浪に漂ひどんぶらこ」が載っていますので、近世末~近代初に使われるようになったのでしょう。では「どんぶりこ」とは? 「どんぶりこ」がなまって「どんぶりこ」となったようです。

「どんぶりこ」体験ができる場所を発見!

いまでも「どんぶりこ」しているものが桃太郎の故郷といわれている岡山県にあると聞いて見に行ってみました。駅から市電で2駅、歩いて20分ほどのところにある岡山城と、日本三名園の一つである後楽園、それらを隔てているお堀にそれはありました。

スワンボートの群れのなかに桃色をした異質な物体。

お堀の中を行くのは桃色の丸いボート。桃が「どんぶりこ」しているではありませんか! もしかしておばあさんがこのあたりで洗濯をしているのでは? と思って探してしまうほど、どんぶりこ。緑色の水面の上を優雅にゆく大きな桃に、桃太郎が入っていた桃も、こんなふうに流れていたのかしらと感慨深く見入ってしまいました。それにしてもなんでも桃やら桃太郎やらに結び付ける岡山県とは思っていましたが、まさかこんなものまで!

ちなみに桃の後ろでは後楽園に生息している「タンチョウヅル」もどんぶりこしていました。いまやどんぶりこは死語同然、それなのに今でもどんぶりこしつづけているものがあると知り、なんだか胸が熱くなりました。熱いといえば、取材に出かけた日はとても暑く、ボートはほとんど稼働していませんでした。けれども、春は桜を見ながら、秋はすぐそばにある岡山城を見ながらなど、気候のよい時期のどんぶりこはオススメ。ぜひ試してみてください。

むかしかわいい、いまカッコイイ「ドンブラコ」

さて、「どんぶらこ」と聞いて舞台を思い出したとしたらあなたは「ヅカファン」、宝塚歌劇がお好きなかたとお見受けします。

桃太郎をモチーフにした北村季晴作詞・作曲の歌劇「ドンブラコ」は、1914年(大正3年)4月から上演された宝塚少女歌劇の第1回公演の演目として、広く知られるようになりました。

「ドンブラコ」はさまざまな歌い方によって構成された演目。歌が好きで歌劇団を志した少女たちにとっても難しく、すでに楽譜(このころは流行歌の楽譜がたくさん出回っていました)やレコードで知られていたため、必死の練習が繰り返されました。その努力が報われ、宝塚少女歌劇の第一回公演は好評を得ることができたのです。

「ドンブラコ」は宝塚歌劇には欠かせないものとして、創設者である小林一三の人生を描いたドラマ「経世済民の男 小林一三~夢とそろばん~」(NHK、2015年放送)でも演じられました。また100周年を迎えた2014年4月4日と4月6日に宝塚大劇場でも再現上演されました。桃太郎には専科の轟悠、犬野腕三郎…明日海りお(花組・現トップスター)、雉山拳蔵…早霧せいな(雪組・元トップスター)、真白野猿之助…紅ゆずる(星組・現トップスター)など超豪華メンバーでした。

「桃太郎の歌」を歌えますか?

桃太郎の音楽といえば、文部省唱歌の「ももたろう」がよく知られています。

「小学館の育児絵本 ももたろう」(1975年ごろ発行のもの)

1911年(明治44年)に当時の音楽教科書「尋常小学唱歌」第一学年用で発表されました。多くの人が知っているあの歌が6番まであるのをご存知でしたか?

<1番>ももたろうさん ももたろうさん おこしにつけたきびだんご ひとつわたしに くだ下さいな

<2番>やりましょう やりましょう これからおにのせいばつに ついて行くなら やりましょう

<3番>ゆきましょう ゆきましょう あなたについて どこまでも けらいになって 行きましょう

<4番>そりゃすすめ そりゃすすめ いちどにせめてせめやぶり つぶしてしまえ おにがしま

<5番>おもしろい おもしろい のこらずおにをせめふせて ぶんどりものを えんやらや

<6番>ばんばんざい ばんばんざい おとものいぬやさるきじは いさんでくるまを えんやらや

(作詞・不詳、作曲・岡野貞一)

正義の味方として悪い鬼を退治しにいった桃太郎ですが、この歌では案外アグレッシブ。鬼を攻めて「おもしろい」とは少し乱暴な気がします。けれども、この歌がつくられたのは日露戦争に勝ったあとの時代。「富国強兵」の世相が表れているのかもしれません。

岡山市では、マンホールのふたも消火栓も桃太郎のイラスト

「どんぶらこ」と桃太郎について調べてみましたが、いかがでしたか? ドラえもんの道具にも「ドンブラ粉」という体に塗るとどこでも潜れるものがありました。古今東西のいろんな資料を研究していた藤子・F・不二夫先生が、桃太郎の歌を歌いながら書いたのかもしれません。

最近ではあまり聞かない「どんぶらこ」ですが、響きのおもしろい言葉ですし、もっと使われてもいいような気がします。もちろんわたしも機会があれば積極的に使っていきたいと思います。

桃ボート

住所:岡山県岡山市北区後楽園1-6
料金:1,600円/1舟20分間(最大3名[大人2名・小人1名])
営業時間:9:00~17:00(4~9月は18:00まで)
定休日:不定休
参考:岡山観光WEB

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