Culture
2020.02.08

「それどこの?」キャッシュレス派も見惚れる!伝統×革新の財布「所作 Shosa」に日本の美を見た!

この記事を書いた人

日本の「美」が詰まった財布、見つけました。

最近の財布のトレンドは「コンパクト」。

各種メディアでも、気軽に持ち歩ける小さな財布が取り上げられることが多くなってきました。近年はキャッシュレス化もますます推進され、財布すら持たないことが選択肢として徐々に認知されてきています。

確かに便利ですが…現金派(+長財布派)の筆者はそんな状況に少し寂しさを覚えます。財布にも持ち主の個性が表れるもの。「そのお財布いいですね!どこのですか?」といったコミュニケーションのきっかけにもなると思うんです。

そんな中、出会いました。日本的な美が詰まっていて、洋服にもバッチリ合うオシャレな財布。

その名は「所作 Shosa」。

一風変わった名前ですが、日本文化に関心のある和樂web読者のみなさま(たとえそうでない方にも)にザックリ刺さるコンセプトやデザインが秘められている財布です。早速取り寄せ、その魅力に迫りたいと思います!

コンセプトは、日本人におなじみの“あの”所作。

「所作 Shosa」とは、数多くの革製品を手がけてきたノーノーイエス株式会社による財布ブランド。

今回は、革製品には珍しく和紙を組み合わせた渋さ際立つ「白和紙」(税込¥26,000)と、シャボン玉がきらめく幻想的な色合いを表現した「ブラック×シャボン」(税込¥26,000)の二種類を取り寄せました。

上:「白和紙」下:「ブラック×シャボン」

縦約10cm×横約19cmと一見普通の長財布のように見えます。

しかし、いざ開いてみるとこのように。

財布を開いた際に見えるよう、内側にきらびやかなシャボンのデザイン!粋だなぁ…。

この動き、どこかで見たような…。

実は、この「所作 Shosa」は袱紗(ふくさ)をモチーフにしています。

袱紗とは封筒や品物などを包む、絹や縮緬(ちりめん)でできた布のこと。包むもの自体の保護のみならず、相手への心遣いを示す意味も含まれている、古来より根付く日本の文化です。たとえ日本文化に馴染みのない方でも、冠婚葬祭の際に袱紗を使用した経験があるのではないでしょうか。

特に、包みを開く時に自然と生まれるたおやかで美しい所作は、布である袱紗ならではの魅力。その美しさを日常生活で使用する財布に落とし込んだもの、それが「所作 Shosa」なんです。

主な素材には皮革製造業が盛んな姫路にて丹念に仕上げられた国産の牛革を使用。通常、革製品の最終加工に塗料を用いるところ、あえて加工をしないことで自然な革の風合いを残しています。使用感も薄くてヘタれる、ということもなく、かといって開きにくいということもない、程よい硬さの革。布である袱紗の魅力を上質な一枚革で絶妙に再現しながら、日常生活にも耐えうるアイテムに仕上がっています。

「財布を開く」、ただそれだけの動作が自ずと日本的な「所作」へと昇華されるので、どこか優美さが生まれ、品が醸し出されるのもポイント。財布の美しさはもちろん、使う人に優美さを加えてくれる、そんな魅力あるアイテムです。こうした点で「所作 Shosa」は人が使うことで完成する財布とも言えるでしょう。

ボルトとナット、そして一枚革。「所作 Shosa」の素材、これだけ。

「所作 Shosa」の魅力はこれだけではありません。

今回ご紹介している長財布にはお札入れとカードスリット、そして小銭入れで構成されているのですが、この「所作 Shosa」には日本人におなじみのあるモノがデザインに含まれています。

それは「折形」。

一般的に見られる革の長財布とは異なり、ステッチは一切無く、まるで折り紙のように折り重なっているのがポイント。

小銭入れとカードスリット、それぞれが重なって生まれる造形は、まるで着物の襟元のよう。不意に蓋が開くことがないよう、絶妙な角度でデザインされているので、実用性もしっかり確保しています。

小銭を取り出しやすいよう、コーナー部分が曲線になっています。細やかな気づかい、ポイント高い!

カードスリットには8枚分のポケットに加え、大きなポケットが1つ。

実はこちらの「所作 Shosa」、なんとボルトとナット、そして一枚革だけで構成されています。これこそ、デザイン性と実用性が両立できている理由。

アフターサービスのメンテナンスの様子。

着色した一枚革をカットした後、折りたたんで財布に。

財布としての機能性を、たった一枚の革と留め具で実現していることが上の画像からもわかります。
大胆かつ精緻なこのデザインに行き着くまで、どれほどの試行錯誤を繰り返したのでしょうか…!日本的なコンセプトを多分に含みながら、革新的なオリジナルデザインを実現させたクラフツマンシップ、お見事です。

まだまだ広がる「所作 Shosa」の世界

日本の美意識を多分に含みながら、現代的なデザインに落とし込んだ財布「所作 Shosa」。そのバリエーションも実に豊富。革の経年変化をじっくりと楽しめるシンプルなものから、目を奪われるほどのビビッドなものまで多岐に渡ります。

「ベーシック」(税込¥22,000)

本記事で紹介した「白和紙」や「ブラック×シャボン」はもちろん、「海月」、「切子」、「オーロラ」など幅広いラインナップ。

「海月」(税込¥26,000)

「切子」(税込¥26,000)

「オーロラ」(税込¥26,000)

驚くべきは、上記の製品は全て“革製品”である、ということ。財布のみならず、革製品の既成概念を覆すような表現の豊富さと技術に思わず感服してしまいます。

さらに2020年現在、長財布のみならず三つ折り財布やカードホルダー、ショルダーポーチまで、幅広くアイテムを展開。


長財布と同様にどのアイテムも一枚革で作られているので、日本的なデザインと袱紗の所作が楽しめます。

エイの革を使用したカードホルダー(名刺入れ)も!

また、店舗によっては刻印サービスや左利き用「所作 Shosa」もあるとのこと。アフターサービスも充実しているので、エイジングを楽しみながら大切に使い続けることができます。

あえてトレンドに逆行する、という選択を。

最近はキャッシュレス化が進み、「財布を持たない」ことが選択肢として挙げられる時代。しかし、「所作 Shosa」はモノとしての財布のメリットを最大限活かし、持ち主の生活に彩りを添えてくれる魅力があります。トレンドには逆行しているようですが、日本の心とモノづくりの技術が詰まった見事な一品だと思います。

日本の美意識を多分に含みつつ、洋服にも自然と馴染む洗練された美しいデザイン。
伝統×革新を体現する「所作 Shosa」は、財布を持つことそのものが楽しくなる、そんな逸品でした。

【取材協力】
・ノーノーイエス株式会社
・「銀座ノ所作」

「所作 Shosa」販売情報

所作 Shosa 公式通販サイト
【店舗情報】
・東京本店
営業時間:15:15-19:19
定休日:月曜日・火曜日
所在地:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-2-8

・銀座店「銀座ノ所作」
※現在リニューアル中。
リニューアル後の所在地や電話番号等はノーノーイエス株式会社のホームページにてご確認ください

・大阪店
営業時間:15:15-21:21
定休日:月曜日・火曜日
所在地:大阪府大阪市北区曽根崎新地1-5-4岩伸スプレッドビル1F-C

・姫路店
営業時間:15:15-19:19
定休日:月曜日・火曜日
所在地:兵庫県姫路市本町68-170 3F-5

書いた人

現代の侍を目指す人。小学生の頃に『武士道』を読み、日本文化に傾倒。中学生の頃、剣術や居合などの古武術を始める。大学では戦国史を専攻しつつ、神道学と民俗学をかじりさらに日本文化の沼に沈む。自称「生まれる時代間違えちゃった系男子」。甘い物なら、チョコよりあんこ派。