全部読んだらあなたも忍者マスター。世界に誇るNINJAの秘術と謎

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猿飛佐助の原型・真田の「草の者」

角間渓谷(かくまけいこく)。真田郷の忍び「草の者」が忍術を修行したと伝わる

忍者といえば『真田十勇士(さなだじゅうゆうし)』に登場する猿飛佐助(さるとびさすけ)、霧隠才蔵(きりがくれさいぞう)などがよく知られています。もちろん彼らは架空の存在ですが、信州の真田氏が忍びを活用した情報収集、ゲリラ戦を得意としたことは事実でした。

もともと信州は山岳宗教の修験道が盛んで、戸隠流(とがくしりゅう)忍術や飯綱(いづな)の法(妖術の一種)も生まれています。また甲賀の望月氏は、信州の望月氏の一族でした。

信州東部の真田郷を本拠とする真田氏は、幸隆(ゆきたか)の代に武田信玄に仕えて、上野(こうずけ、現、群馬県)の吾妻(あがつま)地方にも勢力を広げました。武田氏が滅ぶと、幸隆の息子・昌幸(まさゆき)が独立大名となり、大勢力の大名たちに囲まれながらも、巧みに生き残ります。ぎりぎりの駆け引きを続ける中で、情報収集を担当したのが真田の「草の者」と呼ばれる忍びたちでした。そして彼らを束ねたのが、昌幸の家臣・出浦昌相(いでうらまさすけ、盛清〈もりきよ〉とも)で、彼自身も忍術を使います。2016年の大河ドラマ「真田丸」では、寺島進さんが出浦を演じていました。

真田氏の居城・信州上田城

また真田の名を天下に知らしめたのは、信州上田城において徳川の大軍を二度、打ち破った第一次上田合戦(天正13年〈1585〉)と第二次上田合戦(慶長5年〈1600〉)でしょう。真田勢2,000 は、第一次では徳川軍8,000、第二次では徳川軍3万を迎え撃ちます。そして逃げると見せて敵を城におびき寄せては集中砲火を浴びせ、たまらず敵が後退すると城下町のあちこちから銃撃するゲリラ戦法で翻弄し、撃退しました。そこに草の者たちの暗躍があったことは、いうまでもありません。

この戦法を受け継いだ昌幸の息子信繁(のぶしげ、幸村〈ゆきむら〉)は、慶長19年(1614)の大坂冬の陣で、真田丸において徳川家康(とくがわいえやす)率いる幕府軍を散々に翻弄。翌年の夏の陣では家康本陣に襲いかかり、家康を切腹寸前にまで追い詰めました。信繁の活躍の陰にも草の者たちがいたはずで、猿飛佐助や霧隠才蔵の原型はここにあったのです。

上杉、伊達、毛利、徳川・・・その他の大名に仕えた忍者集団


修験者。山伏とも呼ばれる彼らは忍びと深く関わっていた

武田の透波、北条の風魔に対し、越後(現、新潟県)の上杉謙信「軒猿(のきざる)」という忍び集団を使ったことが一般的に知られています。その名は忍術の始祖ともいう中国の軒轅 (けんえん)皇帝(黄帝)に由来するとされますが、実は謙信が軒猿を使った記録は文献上見当たらず、代わりに「伏齅(ふしかぎ)」という名で記されています。永禄4年(1561)の第四次川中島合戦の際、武田勢が海津(かいづ)城を出たことを知らせたのは、伏齅でした。なお江戸時代には、上杉家は忍びを「夜盗組(やとうぐみ)」と呼んでいます。

上杉家の夜盗組に似た表現でいえば、奥州の伊達政宗(だてまさむね)配下の忍びは、「黒脛巾組(くろはばきぐみ)」と呼ばれ、足に黒い皮脚絆(かわきゃはん)をはいていました。また加賀(現、石川県)の前田利家(まえだとしいえ)の配下は「偸組(ぬすみぐみ)」と称し、四井主馬(よついしゅめ)が束ねたといいます。いずれも、その前身が盗賊の類であったことを思わせる名称なのが興味深いところです。

中国地方で名を馳せたのが、「鉢屋衆(はちやしゅう)」で、出雲(現、島根県)の月山富田(がっさんとだ)城を失った尼子経久(あまごつねひさ)の城奪還を助けました。その後、尼子氏を離れて、毛利元就(もうりもとなり)を支えたといいます。また薩摩(現、鹿児島県)の島津氏に協力したのが「山潜(やまくぐ)り」という忍び集団。主に修験者で構成され、時に「兵道(ひょうどう)」と呼ばれる呪術を用いたとされます。

江戸城(現、皇居)半蔵門 。門内に服部半蔵の屋敷があったことから、その名がついたという

さて、ここまできて、おそらく日本で最も有名な忍者の名前が、まだ出てきていないことにお気づきでしょうか。伊賀の服部半蔵正成(はっとりはんぞうまさなり)です。父親の代から徳川家に仕えた半蔵は、家康に命じられて200人の伊賀者で構成される「伊賀組」を率いました。ただし半蔵は伊賀者の血筋ではあるものの、あくまでも武将であり、忍者ではないのです。また配下の伊賀者たちも、半蔵の血筋が伊賀では自分たちの先祖よりも低いとして、従うことに不満をもらしたといいますから、何とも意外ではないでしょうか。

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