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読み物
Gourmet
2020.06.23

野菜の皮や芯までまるごとおいしく食べるには?真剣に考えたら、ミツカン「ZENB」に辿り着いた!

この記事を書いた人

野菜の切れ端はゴミではない――。

これはあるシェフの言葉である。皆さんは野菜をどの部分まで食べているだろう?「え? そりゃもちろん、フツーに食べられる部分だけでしょ」という人もいれば「いやいや、皮でも芯でも捨てずにまるごと食べてるよ」という人もいるだろう。

多くの場合、例えばとうもろこしの芯は食べないだろうし、枝豆をさやごと食べないはず。でもね、とうもろこしの芯には実の約3倍、枝豆のさやには豆の約2倍の食物繊維が含まれているのだ。

野菜を食べる概念を根底から覆す「新感覚のまるごと野菜」のお話、ちょっと聞いてほしい。

捨てている部分も本来は食べられる

体は食べるもののみで作られている。食べることは自然が育む命をいただくことだけど、私たちの周りには食べ物があり過ぎて、“おいしい!”という感動や食べられることへの感謝を失いつつあるような気がする。

この先10年で食を取り巻く環境は大きく変化するらしい。土地や水には限りがあり、異常気象による農作物の不作もありえる。もしかしたら、今のような豊かな食生活は、当たり前ではなくなるのかもしれない。

そこで、野菜の皮や種、芯といった普段は捨ててしまう部分まで食べられるようになれば環境への負荷が少なく、食品ロスの改善にもつながるのではないかと考えた企業がある。食酢やぽん酢でおなじみのミツカンだ。

野菜そのものをぎゅっと凝縮

1804年創業のミツカンは、初代中野又左衛門がそれまで捨てられていた酒粕を有効利用できないかと考え、発酵という自然の力を生かしてお酢を生み出したことに始まる。

発酵技術が強みの同社は硬いものを細かくする独自技術を応用し、可能な限りまるごと使用しつつ、野菜本来のおいしさを味わえる「ZENB」を生み出した。

ZENBは現在、野菜まるごととオリーブオイルのみで作った「ペースト」、まるごとつぶした野菜にナッツや雑穀、果汁を加えた「スティック」、まるごと野菜を1粒に濃縮した「バイツ」の3種類で展開されている。

そしてZENB「スティック」は、体にも環境にも優しいコンセプトが評価され、このほど「日本ギフト大賞2020」の「サスティナビリティ大賞」を受賞した。

コーン以上にコーン!?超濃厚ペースト

ペーストは現在、コーン、ビーツ、パプリカ、枝豆、えんどう豆の全5種類あり、早速コーンを試す。これは、とうもろこしまるごとを一旦濃縮して水分を飛ばし、オリーブオイルを加えて細かくすり潰しただけだという。

気になるお味だが、口に入れた瞬間、かつてここまで野菜を濃縮したペーストはあっただろうか!?と、その圧倒的な濃さに驚く。香料や着色料などは一切使っていない。つまり、素材そのものの栄養成分だけがぎゅっとつまっているのだ、

甘い香りとともに、本来のとうもろこしの濃厚な味わいが口いっぱいに広がる。芯まで入れることで味に深みが生まれたというが、素材本来のおいしさにこだわり、野菜の栄養を閉じ込めると、こうなるのか…。

ペーストそのものは、とろりとはちみつのようになめらかだが、その濃さは想像以上だった。

何にでも使えるZENBペースト

ペーストを使うと栄養だけでなく風味も豊かになる。

例えばトースト。食パンをトースターで焼き、バターとお好みのZENBペーストを薄く塗り広げるだけで、野菜そのままのおいしさをシンプルに味わえる。

豆乳でのばせば、和風冷製ポタージュも簡単だ。

お好みのZENBペースト、豆乳、塩、白だしまたはめんつゆを混ぜ合わせ、よく冷やす。最後にすりごまをふれば、和食店で味わうようなすりながし風に。

そして、アイスクリームにもあう。

器にバニラアイスを盛り、お好みのZENBペーストをかける。軽く砕いたトッピングを飾れば、野菜本来の甘味と濃厚な味が楽しめるデザートの完成だ。

人や環境への負荷が少ない新しい食生活に向けて

ZENBは、同社が「おいしさと健康を一致させながら、人や環境への負荷が少ない食生活と食文化をつくる」を具現化したブランドである。素材そのもののおいしさを生かすため、調達チームは栽培地に出向いて農地環境を確認し、原料の農薬管理を徹底した。そして、ZENBの評価をクラウドファンディングに任せた。

555人の支援者から目標額の6倍以上の支援が寄せられ、ZENBの発想や方向性が社会から望まれているものだと確信したという。ZENBは現在、専用サイトからしか購入できない。ブランドの思いに賛同してくれる購入者とのつながりを大切にするためだ。

今、世界では食品ロスが問題となっており、SDGsの重要課題と位置づけられている。ZENBの取り組みには、名だたるシェフやクリエイター、デザイナー等、様々な分野のプロフェッショナルが参画している。

食の現場では新たな日常に向けた変化が既に始まっている。ZENBの取り組みは「食べることを見直すきっかけ」となりそうだ。

ZENB公式サイト:https://zenb.jp/

書いた人

医療分野を中心に活動。日本酒が好き。取材終わりは必ず美味しいものを食べて帰ると心に決めている。文句なく美味しいものに出合うと「もうこれで死んでもいい!」と発語し、周囲を呆れさせる。工芸であれ、絵画であれ「超絶なもの」に心惹かれる。お気に入りは安藤緑山と吉村芳生。