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2020.12.17

北国街道・木之本宿で郷土料理を味わう!地元野菜たっぷりの自然派カフェ「Book Cafeすくらむ」

この記事を書いた人

「水の美味しい町」。そう聞くと、その町の酒や食材に触れてみたくなる。

北陸と近畿を結ぶ北国街道の宿場町であり、木之本(きのもと)地蔵院の門前町として栄えてきた滋賀県長浜市木之本。木之本は、田上山(たがみやま)の良質な地下水に恵まれ、古くから酒や醤油づくりが盛んな町。創業江戸末期の白木屋醤油店、480年余り続く山路酒造など醸造の伝統を今に受け継ぐ店が点在している。

昭和のはじめまで、街道の中央には小川が流れ柳の木が植えられていた。現在は埋め立てられ、古い商家の家並みが残っている。

そんな町に、地元住民が力を合わせ古民家を再生して営むカフェがある。木之本駅付近から地蔵院へ続く、地蔵坂に店を構える「Book Cafeすくらむ(住暮楽)」(以下、すくらむ)だ。なんでも地元野菜をメインに使った郷土料理が楽しめるという。水の美味しい町に訪れたなら、これは行くしかない!

主婦集団が町おこし!人と人が繋がる「Book Cafe すくらむ(住暮楽)」

「誰もが主役になれる場所をつくりたかったんです」。そう話すのはすくらむの副代表を務める服部貴美代さん。すくらむは2016年に行ったクラウドファンディングで資金を調達してできた店で、立ち上げのメンバーは木之本在住の主婦10名(現在は11名)。過疎化が進む町を食や本で元気にしたいと活動してきた4つのグループが集まり結成したそうだ。

「すくらむ結成の前は、私は『TOMOの木』というグループでお店を開いていました。コーヒーやケーキを提供したり、イベントに参加したりすることはありましたが、不定期だったため、お客様にはいつ何が行われているかというのがうまく伝わらなかったんです」(服部さん)

やがて各グループが一丸となり、集めた資金で空き家だった古民家を改装。昭和の風情を残すまったりとした空間に、木之本の主婦仲間が地元の野菜を使った郷土料理やケーキを提供する店としてオープンした。  

「Book Cafe」という形態には何かこだわりがあるのか伺ったところ、食だけでなく本もツールの一つとして、人と人が交流する場になってほしいとのこと。木之本で営む「あいたくて書房」という古本屋がセレクトした本が店内に並んでいる。すくらむのメンバーの1人だそうだ。

店内に並ぶ本は自由に手にとって読むことができる(もちろん購入も可)。また地元アーティストの雑貨やアクセサリーなども置かれ、まるで木之本を代表する町の発信場となっているようだ。

新鮮な地元野菜が味わえるランチ

すくらむは土・日曜、祝日のカフェを中心に営業しているが、タイミングが合えばぜひいただきたいのが月1回限定の「田舎のランチプレート」。木之本の季節の野菜をたっぷり味わえる。なんでもメンバーの1人が農家を営んでいるため、新鮮な野菜を調理して提供できるそうだ。

この日いただいたメニューは、国産ポークの角煮、かぼちゃの煮物、七夕豆の胡麻和え、金時山椒、季節のサラダ(ニンジンドレッシング)、新米ご飯、白菜と里芋のお味噌汁、田舎の漬物、デザート(全てセットで1,000円+税)。シンプルな味付けで、心も体も満足できる自然派ランチだ。中でも、意外な組み合わせに感動したのが、金時山椒。金時豆の甘煮と山椒が和えてあり甘さと辛さが絶妙にマッチしている。服部さんいわく人気メニューで、月1回の惣菜販売(不定期)にも出され、地元住民がよく買い求めに来るのだとか。

この日のデザートは「栗の渋皮煮をのっけたなめらか芋ようかん」

カフェ営業時にはコーヒーや紅茶だけでなく、サツマイモ、黒豆、カボチャなどの地元食材を使った手作りケーキが味わえる。すくらむのサイトでは完成したケーキをアップしているので、一度チェックしてみるのもおすすめだ。

それぞれが得意分野を活かして

すくらむでは不定期でイベントも開催されている。今年はコロナ禍でなかなか開催することができなかったそうだが、例えばメンバーの1人である酒屋の女将がちょっとしたお酒を提供するためにときどき夜の時間帯にお店を開くこともあるそうだ。

「過去には、本の読み聞かせを行ったり、絵本に登場するホットケーキを実際につくってお客様に提供したりしたこともあります。メンバーそれぞれがやってみたいと思いついた企画を中心に行っていますね」(服部さん)

町の魅力を「食」や「本」、そして「人」で教えてくれるすくらむ。木之本に訪れた際にはぜひ郷土料理やケーキを味わいながら、ゆったりとした心地よい時間を過ごしてみてはいかがだろうか。

Book Cafe すくらむ(住暮楽)

カフェ営業日:土・日曜、祝日10時〜16時(現在コロナ感染拡大の影響で13時〜16時)
ランチ営業日:第3日曜日11時〜16時(15時L.O)
※2020年12月はカフェはクローズ。ランチは12月19日オープン。詳しくはすくらむFacebookアカウントでご確認ください。
公式サイト:https://book-cafe-cafe.business.site/

書いた人

1995年、埼玉県出身。地元の特産品がトマトだからと無理矢理「とま子」と名付けられたが、まあまあ気に入っている。和樂編集部でアルバイトしていたところある日編集長に収穫される。MBTI性格診断ではINFP型。検索するとサジェストに生きづらい、社会不適合者と出てくる。睡眠と甘いものが好き。