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2022.02.07

カムカムエブリバディの安子(あんこ)も驚愕!讃岐うどんのラスボス「あん餅白味噌うどん」見参

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あなたは香川の「白味噌あん餅雑煮」をご存じだろうか?

全国キワモノグルメの特集で取り上げられることもある香川県民の愛する郷土料理として知られ、白味噌のつゆの中に餡入りの餅が入った雑煮のことです。実際に食べてみるまではどんな味なのか想像することも困難かも知れませんね。

やはりキワモノなのか……。

さてあなたは香川県と聞いて真っ先に何を連想しますか?
そう「讃岐うどん」ですよね。
もしかして・・・と思った察しの良い和樂webの読者の皆様。お待たせいたしました!
「白みそあん餅雑煮」+「讃岐うどん」の奇跡のコラボが実在するのです。
この驚異のメニューが生まれるまでには実に面白い背景や歴史があったことがわかったのです。取材班(1名)は取るものも取りあえず現地に向かいました。

讃岐の驚愕グルメ「白味噌あん餅雑煮」をおさらい

白味噌仕立ての出汁にあん餅をオンした讃岐の名物「あん餅雑煮」

以前に和樂webでもご紹介した香川県の郷土料理「白味噌あん餅雑煮」。
由来には諸説ありますが、江戸時代に「讃岐国」と呼ばれた香川県の特産品は塩・砂糖・木綿でした。これらは「讃岐三白」と呼ばれ非常に珍重され、中でも「砂糖」は幕府への献上品とされ、庶民の口には滅多に入らない貴重品だったのです。「せめて正月ぐらいは甘い砂糖を口にしたい。でも、食べているところがお殿様の目に触れたらきっと叱られる。それならば砂糖を入れたあんこを餅に包み雑煮に入れて食べたらバレないのでは!!」という農民の想いから「あん餅雑煮」が誕生したと言われています。

絶対に甘いもんがたべたいんじゃ!! その気持ちわかる!

「白味噌」+「あん餅」という十分パンチの効いたコンビネーションですが、うどん県として知られる香川にはなんとうどんをプラスした驚きのメニューが実在するのです。

うどん店なのに「餅屋」とはこれいかに


「白味噌あん餅雑煮うどん」を求めてやってきたのは香川県の西部にある観音寺市。のどかな田園地帯に店を構える明治末期創業、百余年の歴史ある「本場かなくま餅 福田」に到着しました。え?まってうどんを探しに来たのに「餅」って、「餅」ってどゆこと??
迎えてくれた4代目店主・福田宏明さんに取材班は前のめり気味にに詰め寄りました。
「ご主人!うどんを出しているのに“餅”ってどゆこと?」(敬語失念)
福田さんは取材班のあまりの勢いにちょっと引き気味になりつつも、丁寧に答えてくれました。

ありがとうございます。

「昔このあたりは「鹿隈」(かなくま)という地名で、お遍路さんや行商の人たちが行き交う街道沿いの賑やかな場所だったのです。旅人が食事や一服する餅などを出す休憩所として数軒の“かなくま餅”という茶屋があったそうです。当初は餅やお茶だけを提供していたところ、そのうちに製麺所から仕入れたうどんも出すようになりました。3代目の店主・福田伸夫が自家製の手打ちのうどんをはじめたことで、餅屋と併せてうどん店としても営業するようになりました」と宏明さん。今でも毎朝つきたてのお餅が店頭に並び、それを楽しみに買い求めるお客さんも多く訪れます。

あん餅うどんが誕生した餅屋ならではの理由

当初から焼いた餅を入れたいわゆる「力うどん」のような「雑煮うどん」というメニューはあったそうですが、あん餅入りになったきっかけのエピソードがありました。
「うどんに普通の焼き餅ではなくあん餅を入れて欲しい」というお客さんがいたそうです。しかし当時お店にあったのは大福のようなやわらかいあん餅のみ。うどんに入れるとどうしても溶け出してしまう。それならば、とうどんに入れるためオリジナルのあん餅を作り始めたのだそうです。
「餅は餅屋」を地で行くエピソードがあったのですね。

当初は普通のかけ出汁のうどんにあん餅を入れた「アン雑煮うどん」のみを提供していましたが「あん餅といえば白味噌だろう」と20年ほど前に、白味噌仕立ての「白みそアン雑煮うどん」が毎年11月~3月末までの冬季限定のメニューとして登場することになりました。
これが地元を中心に口コミで広まり、今や開店を待つ人の行列も定番になった大人気メニューとなりました。
白味噌バージョンはただ出汁に白味噌を入れているのではありません。甘い白味噌にあん餅が入ると甘みが強すぎるため、あん餅の甘みを計算してかけ出汁の味を調整しています。これが讃岐のうどん店ならではのこだわりです。

お客様の「食べた~い」から生まれたメニューなんですね!

「白みそアン雑煮うどん」実食!!!

さて気になるのはお味です。厨房ではオーダーを聞いて、あん入りの餅がこんがり&ふっくら焼かれています。香ばしく焼き上がったお餅は毎朝餅をつく餅屋さんならでは。

この時点で既にめちゃくちゃおいしそう。

「うどんに合うように普通のあん餅より小ぶりにしています。大きな餅1個より、あえて少し小さめの餅を2個入れるのがこだわりです」と宏明さん。
さて、いよいよ実食です。

少し太めのしっかりしたコシのあるうどんは白味噌仕立ての出汁と相性抜群。イリコだしの白味噌の出汁はどこか懐かしくて優しい味わいです。そして、いよいよ真打ちのあん餅が登場。福田さん曰く「全部を混ぜてしまうのではなく、白味噌、うどん、あん餅、と交互に食べ進めて味のメリハリを愉しむのがおすすめ」だそう。なるほど!口の中で白味噌のだしとあんこの甘塩っぱいハーモニーが生まれますね。

「白みそアン雑煮うどん」(620円、大は+100円、アンなしは560円、大は+100円)

初めて食べた人はびっくりしながらも「お!思ってたより美味しい!」という反応をする人が多いそうですが、福田さんによれば「ダメな人はとことんダメ(笑)」なのだそうです。
しかし、中にはあん餅のオプションを7個、8個と追加する強者もいるそうで、多い日には1日2~300杯も出る大人気メニューへと成長しました。

8個~~~~!?!?

我こそはうどん好き、あんこ好き、白味噌好き、というグルメな和樂web読者のみなさん、ぜひ香川県に足を運んで「白味噌あん餅雑煮」と共に讃岐うどんのラスボス、冬季限定のレア中のレアな「白みそアン雑煮うどん」にチャレンジしてみてください。

出て来いヤァァァァァ!オッシャァァァァ!

ちなみにあん餅は普通の餅にも変更可能です。

それ、「白みそアン雑煮うどん」ちゃうやん。どっちも食べたいけど。

本場かなくま餅福田

768-0014
香川県観音寺市流岡町1436-2
0875-25-3421
営業時間:6:00(うどん10:00)~14:00前後(売り切れ次第終了)
休:月曜日
P:30台
※臨時休業などはSNSで随時発信
Instagram:@kanakumafukuda
Facebook:Facebook

書いた人

せとうちに暮らすカエル好きライター。取材先に向かう山道で迷いイノシシに遭遇した経験あり。京都国立博物館トラりんの強火おたく。ジャニヲタ。No J No Life。HP:https://ww-kitamura.com/ Twitter:@yukkisetouchi

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大学で源氏物語を専攻していた。が、この話をしても「へーそうなんだ」以上の会話が生まれたことはないので、わざわざ誰かに話すことはない。学生時代は茶道や華道、歌舞伎などの日本文化を楽しんでいたものの、子育てに追われる今残ったのは小さな茶箱のみ。旅行によく出かけ、好きな場所は海辺のリゾート地。