Gourmet
2019.09.10

冷蔵庫に必ずある!福岡っ子の常備食、ごはんが進みすぎて困っちゃうんだよ

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日本の辺境・異境を物ともせずに旅に出る和樂スタッフが、「自分史上最高のご飯のお供」を、自前のお茶碗に盛ってプレゼン。故郷を思い出す味、取材で知った味…個性あふれる和樂スタッフの生の声をお楽しみください。

第2回 「ふくやの明太子」

選・文化担当 高橋亜弥子

ベストオブご飯のお供は「ふくやの明太子」。新米が美味しい季節

「どの家の冷蔵庫にも明太子が常備されているものかと思ったら、そうでもないんですよね。上京して驚いたことのひとつです(笑)」

とは博多っ子である高橋さん。編集部ではいちばん地方出張が多く、つねに“旅の空の下”のスナフキン的存在。どんなご飯のお供が飛び出してくるかと思いきや、故郷の代名詞ともいえる明太子が挙がりました。

「明太子って昔からある食べ物ではないんです。『ふくや』が最初で、昭和24(1949)年のこと。一般家庭の食卓に上るようになるのは昭和60年代に入ってからじゃないかな。朝ごはんにはごはんにおきゅうと(海藻の加工品)が福岡らしさだったのが、あるときから明太子が席巻したことを覚えています。それはなぜか、といえば『ふくや』が明太子の製造法を独占せずに、つくりたい人には教えてあげたから。博多もんの“よかよか”の精神が、この明太子に込められていると私は思っているんです」

ベストオブご飯のお供は「ふくやの明太子」。新米が美味しい季節

明太子の発案者であり、ふくや創業者の川原俊夫氏にはこんなエピソードも。明太子の認知度も高まり、同業者も増えてきたため、社内から「元祖」の文言をつけたらどうかという提案に「元祖とうたったところで美味しくなるのか、美味しいものはお客様が決めるんだ」と一蹴したとか。「そういうところも惚れ込んでしまう理由です」と高橋さんはにっこり。

「身もふっくらしているのが、ここの特徴。たらこの粒がやわらかい。いろいろなメーカーを食べても、やっぱりここに戻ってきてしまいますね」

◆ふくや
住所 福岡県福岡市博多区中洲2-6-10(中洲本店)
公式サイト

新米特集 全10回

第1回 ちりめん山椒
第2回 ふくやの明太子
第3回 生あみ
第4回 養肝漬
第5回 いか塩辛
第6回 細切り柚子昆布
第7回 金糸瓜の粕漬
第8回 特白とろろ
第9回 牛肉茶漬
第10回 かえりちりめん