Gourmet
2019.09.12

エッ、まるごと車えび!? 名古屋の老舗「桂新堂」が生み出した衝撃のえびせんべい

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えびせんべいはお好きですか?
子供のころから慣れ親しんでいるおやつの定番でもあり、お酒のおつまみにもなるえびせんべい。
そもそも海老は、その鮮やかな赤い色と目がでていることから「めでたい」と喜ばれる縁起のよい食材で、生命力や長寿の象徴とも言われお祝い事には欠かせない存在です。そのため、えびせんべいはプレゼントやちょっとした手土産にも喜ばれるアイテム。
名古屋には、えび一尾を丸ごと焼き上げたえびせんべいがあるんです。
今回はえびせんべい一筋、150年以上の歴史をもつ名古屋の老舗、桂新堂をご紹介しましょう。

150年以上前にえびせんべいを完成!

昔から愛知県ではえびがたくさん獲れていました。漁師たちはすり身にして炙った「えびのはんぺん」をよく食べており、それがえびせんべいのルーツだと言われています。

1866年、初代光田慶助が愛知県知多半島で獲れるえびの美味しさに魅せられ、えびのはんぺんを美味しく食べやすいよう改良したのが桂新堂の始まり。
つまり、桂新堂は150年以上えびせんべいを作り続けているのです。

えびの旨みと香りを封じ込めた「炙り焼き」

桂新堂ではお菓子のことを商品ではなく「作品」と呼んでいます。
それは、先人たちが育んできたお菓子一つひとつに思いを込め、今も大切に作り継いでいるからです。
こちらは、赤えび、芝えび、甘えび、ぼたんえびという4種類のえびを贅沢に使った「炙り焼き」。えびせんべいの歴史を今に伝えるお菓子です。

一度鉄板で焼いたせんべいを乾燥・熟成させた後、オーブンで再び炙るという独特の製法で、それぞれのえびが持つ旨みと香りを1枚に封じ込めたもの。
開封した途端立ち上る、えびの豊かな香りはたまりません。えびを知り尽くした桂新堂だからこそできる作品と言えるでしょう。

書いた人

医療分野を中心に活動。日本酒が好き。取材終わりは必ず美味しいものを食べて帰ると心に決めている。文句なく美味しいものに出合うと「もうこれで死んでもいい!」と発語し、周囲を呆れさせる。工芸であれ、絵画であれ「超絶なもの」に心惹かれる。お気に入りは安藤緑山と吉村芳生。