Gourmet
2020.02.25

「なんかオモロそう」が原動力?独自の進化を遂げた魅惑の一皿、大阪のスパイスカレー3選!

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「カレーが食べたい…」そう思ったとき、頭に浮かぶのはビーフ?チキン?それともカツ?定番カレーも美味しいけれど、チョット変わったものを食べたいときは大阪のスパイスカレー なんてどうでしょう。近年大阪では、既成の概念をぶち壊し、独特の進化を遂げたひと皿に魅了されるカレー好きが続出。今回は、新しい国民食となりつつあるスパイスカレーの世界をご紹介します。

カレーはルウとスープだけじゃない!新ジャンル「スパイスカレー」の定義とは?

カレーにスパイスが入っているのはむしろ当然。なのにわざわざスパイスカレーと名付けるからにはそれなりの定義があるのでは、と思いますよね。簡単に言えば「小麦粉やルウを使わず、スパイスを独自調合して作ったカレー」がスパイスカレー。そんな適当でいいの? と思いますが、ラーメンやお好み焼きなど国民食はそもそも定義が曖昧。きちんとした決まりがないからこそ、時代や店主の好みによって日々新しい味が生み出されているのです。

スパイスカレーが注目されたのはいつ頃から?

一般的に、大阪のスパイスカレーの発祥は1992年アメリカ村にオープンした『カシミール』といわれています。しかし、それ以前に心斎橋に店を構えていた『ルーデリー』がその源流という声も根強くあります。どちらにしても2000年代以降に専門店が増え始めたことを考えると、大阪のスパイスカレーの歴史がすいぶん古いことがわかります。ちなみにルーデリーは現在2代目の方が切り盛りしていて、お店も大阪から宮崎県に移転。九州でも人気のスパイスカレー店として地元の人たちに愛されています。
全国的なスパイスカレーの火付け役は、2000年問題で日本に移住してきた南インド系のIT技術者とも、ミシュランガイドに載った大阪の有名店『コロンビアエイト北浜本店』とも言われています。そんな中で2017年に人気店『旧ヤム邸』が下北沢に進出。舌の肥えた東京のカレーファンの心をガッチリ掴みます。

スパイスカレー誕生にはナニワの『なんかオモロそう』が欠かせなかった!

東京ではなく大阪で新しい食文化へと進化を遂げたことも、スパイスカレーの特徴。もともと大阪人は『いらち』(イライラとせっかちの造語)と言われるほど待ち時間が嫌い。そのためラーメンや蕎麦、丼物と比べて提供時間が早いカレーは昔からオフィス街では大人気でした。そこにナニワのオモロいもんを受け入れる気質も相まって、忙しいビジネスマンや辛い物好きのカレーファンのあいだで流行し始めたと言われています。

それ本当にカレー?スパイスカレーのナナメ上の進化

スパイスカレー店の店主さんの中には、デザイナーやミュージシャン出身の方も多く、いわゆる調理や料理そして飲食店のイロハを踏襲した人ばかりがお店を経営しているとは限りません。インドやネパール、スリランカなど訪れた先でスパイスや味に魅了されたクリエイターやアーティストが独自の視点で提供する一皿は、味も見た目も店構えも超個性的。具や出汁に魚介を使っていたり、生玉ねぎや素焼きの野菜、麻婆豆腐を絡めながら味の変化を楽しめたり、バーを間借りしてランチタイムのみオープンしていたりと千差万別。味はもちろん、店主さんが追求する世界観に惚れるファンも続出しています。

今や大阪名物!唸る魅せるスパイスカレーの人気店3選

『コロンビアエイト』や『バビルの塔』など、スパイスカレーの名店豊富な大阪。ネット検索でヒットする老舗の味もいいけれど、自分だけが知る名店を開拓するのもまた一興。そこでスパイスカレーの魅力を追求し続ける話題のお店を紹介!味も、見た目も、お店の構え方も独創的な3店です。ぜひ、自らの五感でめくるめくスパイスカレーの宇宙を堪能してくださいね!

堕天使かっきーin青空食堂

堕天使かっきーの店主さんはミュージシャンとしても活躍中。サポートメンバーとして5組のバンドでベースを担当されています。二足のわらじを履く店主さんですが、店構えもまた独特。大阪市・阿倍野にある立ち飲み屋『青空食堂』さんにてカレーを提供する『間借りスタイル』です。経歴や商品の提供スタイルに興味をそそられるのはもちろんですが、その味は多くのカレーファンが連日行列をなすほどのお墨付き。イベントへの出店などもされているため、来店の際はツイッターで営業時間や定休日をチェックしてから足を運ぶのがおすすめです。

住所:大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋2-4-5
営業時間:18:00~翌1:00(青空食堂さんの営業時間です。時間内にカレーが完売する場合もあるので注意)
定休日:無休
備考:営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

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ニッポンカリー オルタナ。

『ニッポンカリー オルタナ。』は天神橋にあるカフェ『Toki ona』(トキオナ)さんとのスイッチ営業。Facebookグループ“口癖はカレー”の主宰者さんが水曜日はスパイスカレーを、そして木曜日はスープカレーを提供されています。どちらも出汁が効いた個性的かつ日本人に馴染みのある味わいが特徴です。
週に2日のオープンのため、店内はその味を求めてやってくるカレーファンで大賑わい。しっかり味わいたいならSNSで営業時間をチェックした上で、早めにお店に入るのがおすすめです。出汁の効いた定番のスパイスカレー・スープカレーだけでなく、週替わりのカレーではなんとフルーツ系のカレーを味わえるのもオルタナさんならではの魅力です!

住所:5300041 大阪市大阪市北区天神橋1-12-19
営業時間:
水曜日
昼:11:30~15:30(L.O. 15:00)
夜:18:00~21:30(L.O. 21:00)

木曜日
昼:11:30~15:30(L.O. 15:00)
夜:18:00~22:00(L.O. 21:30)
定休日:月曜日、火曜日、金~日曜日

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アアベルカレー

『アアベルカレー』は、『究極のカレー 関西版』のカレーAWARDで総合グランプリにも輝いた人気店。北インドをベースに店主さんが趣向を凝らした一皿を提供されています。バランスの良いスパイスの刺激と具と出汁の旨味が混ざり合った深い味わいは、一度食べるとまた必ず再訪したくなります。またメインのカレーだけでなく、ライスや副菜にまで行き渡った店主さんのこだわりもカレーマニアから絶賛されています。

住所:大阪市西区九条1-25-9 フジイエステートビル3F
営業時間:12:00~15:00(L.O.14:30)
定休日:月・土・日・祝
備考:営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

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ラーメンだって元を辿れば中国から伝わったものなのに、日本で食べるラーメンはもはや別の食べ物。カレーもそれと同じ進化を遂げているのかもしれません。スパイスカレーを食するときは「これはカレー?」ではなく「これもカレー」という嫋やかな気持ちがポイント。たくさん食べ歩いて、自分に最も合った一皿を見つけるのも面白いかも知れませんね!

書いた人

生粋のナニワっ子です。大阪での暮らしが長すぎて、地方に移住したい欲と地元の魅力に後ろ髪惹かれる気持ちの狭間で葛藤中。小説が好き、銭湯が好き、サブカルやオカルトが好き、お酒が好き。しっかりしてそうと言われるけれど、肝心なところが抜けているので怒られる時はいつも想像以上に怒られています。