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岡山と倉敷。異なる魅力で〝美巡り〟の旅に出かけましょう!

カルチャーゾーン岡山タウン

岡山駅東口から車で約5分。市内を流れる旭川西岸の「城下」の交差点が、日本美に出合う美術館巡りの旅・岡山編の基点です。ここを中心にした徒歩圏内は、美術館や博物館、コンサートホールなど12の文化施設が集まる〝岡山カルチャーゾーン〟。「烏城」の愛称をもつ「岡山城」や、日本三大名園のひとつ「岡山後楽園」もあって見どころ満載。旅の1日目はこのエリアで、名宝、名城、名庭園を堪能します。
岡山カルチャーゾーンを走る路面電車。

江戸時代を通じて岡山藩を統治した池田一族が、変わらず居城したのが「岡山城」。ゆえに池田家の宝物の多くはこの地に留まりました。実業家で古美術愛好家の林原一郎も、それらを収集したひとりです。「岡山城」のお膝元にある「林原美術館」で能装束などの池田家伝来品や東洋の古美術を堪能したら、目の前の「岡山城」へ。岡山城天守閣
池田家伝来の大名道具には、貝合わせや百人一首、婚礼道具なども。

3層6階建てという天守内外を見学し、天然の外堀・旭川に架かる月見橋を渡れば「岡山後楽園」です。広大な敷地は築山や園路が水路で結ばれ、景色が移ろうよう工夫されています。園内で飼育されている、花鳥画にも多く描かれてきた優美なタンチョウ鶴を眺めたら、「岡山県立美術館」へ。備中出身の雪舟や、鴨方藩士の家に生まれた浦上玉堂の水墨画など、岡山ゆかりの作品や美術品との対面で、岡山美術館巡りの初日を終えましょう。
「岡山後楽園」の南門前、岡山城を望むカフェ「碧水園」では揚げたきびだんごが。美味!
岡山県立美術館。所蔵品を公開する「岡山の美術」コーナーでは、古書画・日本画は月ごとに、洋画・工芸は3か月に一度展示替え。7月は宮本武蔵が描いた『鵜図』などを展示。

レトロモダンな倉敷

岡山での日本美巡り、2日目は倉敷へ。備前の岡山市と県西部・備中の倉敷市は、JRで20分足らずの距離です。倉敷は、江戸幕府の直轄天領地として倉敷川の水運を利用して栄えた町。代官所が置かれ、備中の物資の集散地として形成されました。白壁、なまこ壁、貼り瓦の蔵や町家が連なる河畔、揺れる柳並木。倉敷を象徴するこの景色に、何度訪れても旅ごころが刺激されます。

河畔エリアのシンボルが、ギリシャ神殿風の「大原美術館」。設立者の大原孫三郎は美術館や病院の設立など地域の社会事業に取り組み、昭和の倉敷の発展に貢献した人物です。また、大原氏と柳宗悦との出会いから、倉敷は民芸ゆかりの町に。エル・グレコをはじめとする西洋美術を「大原美術館」で楽しんだら、河井寛次郎や濱田庄司、芹沢銈介ら民芸運動に関わった作家の作品を堪能できる「倉敷民藝館」へも足を延ばしましょう。生活に息づく民芸の品々に、日本美術の美しき側面を見ることができます。
「大原美術館」本館では、この児島虎次郎の『和服を着たベルギーの少女』が出迎えてくれる。
江戸時代後期の米倉を活用して、東京・駒場の「日本民藝館」に次ぐ民藝館として昭和23(1948)年に開館し、陶磁器、染色、木工や籠など、それらが活用される生活の風景が見えるような展示の「倉敷民藝館」。

ここで河畔から離れ、江戸時代は商人や職人の職住地域だったという旧街道の本町通りへ向かいましょう。江戸時代の様子が残る町家や蔵造りの建物が立ち並ぶ、伝統的建造物群保存地区です。現在は旅館や造り酒屋、町家カフェやショップなどに活用されていて、あちこち覗きながらの散策は疲れ知らずの楽しさ!この本町通りから看板を北へ入ると、鶴形山の頂上に鎮座する阿智神社。見晴らし台でもある絵馬殿からは、鈍色に輝く本瓦葺きの屋根が連なる倉敷美観地区が一望にできます。
江戸時代から明治にかけてのレトロモダンな建築物が残る、国が認定する伝統的建造物群保存地域。

特産のイグサを使った倉敷緞通や花むしろの小物、口吹きによる倉敷ガラス、備中和紙など、ほっこりした町らしいお土産も。昼間と表情を変える夕刻の景色まで、たっぷり岡山の美を楽しむ旅はいかがですか?

-2015年和樂8・9月号より-

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