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2016.05.12

和樂発の若冲グッズがすごい!工芸は遊び尽くしてこそ

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こんにちは。誌上で買える通販「和樂の逸品」担当50です。リニューアル号(和樂4・5月号)では伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)の本物の古画を扱ったり、6・7月号では魯山人(ろさんじん)の器を販売したりと、びっくりするようなアイテムばかり揃えて話題になっていますが、実は「和樂の逸品」が力を入れているのは何だかご存知でしょうか? 和樂オリジナルの工芸です。

日本の手わざが消えつつある中、あえて無駄?とも思えるような作品づくりに挑戦していくのも和樂が与えられた使命。無駄を削ぎ落とした日本美がある一方、真逆にあえて「遊び」や「贅」を尽くした工芸の美も遺していきたいですよね。

そんなわけで和樂がつくってしまったのが、伊藤若冲の香立て「白象(はくぞう)」と「虎」。もうご覧になりましたか? プライス・コレクションの名作『鳥獣花木図屏風(ちょうじゅうかぼくずびょうぶ)』と『虎図(とらず)』から飛び出した小さな小さな工芸は、京都の錺職人(かざりしょくにん)、竹影堂(ちくえいどう)さんと苦労してつくりあげた自慢の逸品です。発売以降、「めちゃくちゃカワイイ!」「 精緻なフォルムがすごい!」と、おかげさまで大絶賛をあびています。

ころんとカワイイ、あの「象さん」

まずは下の写真をしかとご覧ください! 漫画のようにデフォルメされたあの象さんが、しっかり再現されていますよね! 丸みのあるフォルム、短足具合も絶妙です。

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写真/横、正面、後ろ姿、真上からの、白象の香立て。なんともキュート!

「虎」の筋肉美がすごい!

虎のほうは筋肉美をご覧ください! 背中の表現がリアルすぎて感動です。後ろ姿はどことなく哀愁も漂い、ぷっくり肉球の手の動きがおちゃめとしか言いようがありません。
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奇才・若冲の「絵」を
「立体製品」にするという無謀な挑戦!

しかしこの作品、生み出すまではなかなかに難儀な仕事ではありました。何しろ、伊藤若冲の描く絵は実際の動物にはできないポーズばかりなのですから! それでも「若冲の描く動物たちが、小さなオブジェになったら絶対かわいいよね!」という信念のもとに、竹影堂さんにも頑張っていただきました。

候補になった作品というと…。

・若冲お得意の「鶏(にわとり)」―――あまりにポーズに無理がありすぎて却下
・絶対かわいいにちがいない『百犬図(ひゃっけんず)』のわんちゃん―――数々の理由で断念
・超希少な『動植綵絵(どうしょくさいえ)』のお魚あれこれ―――これまた断念

そんなわけで最終的に出来上がったのが、『鳥獣花木図屏風』のメインキャラクター白象と、『虎図』の虎というわけです。かわいいでしょう?! 撮影当日ギリギリに届いた作品の完璧な仕上がりに、スタッフ一同感嘆の声をあげたのはいうまでもありません。
「とにかく、平面の絵から、絵に描かれていない部分を想像して立体にするんですから骨の折れる仕事でしたよ」と竹影堂当主・中村榮眞(なかむらえいしん)さん。

海外でその才能を認められた若冲ですが、この和樂特製「白象」と「虎」だって快心の作。世界に自慢できそうな日本の名品じゃあありませんか? 実はそのかわいらしさが認められ、東京都美術館で開催中の人気展「若冲展」(2016年5月24日までですよ!)でも販売されているのです! 会場の第一次レジを通過して最後の最後にあるレジ前に鎮座していますので、お見逃しなく!! もちろん和樂通販でも購入できますよ。

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和樂×竹影堂
「若冲香立て」
価格:54,000円(税込・送料無料)
色柄:象/虎
ご購入はこちらから!

究極の遊びがこちら。
『鶏図』が高級墨になっちゃった!

さて、もうひとつ和樂だけで発売している若冲グッズがあります。正確にいうと和樂オリジナルではありません。もともとは、若冲の生家がある京都の錦市場(にしきいちば)が特別記念品としてつくったもの。100年以上続く奈良の老舗「墨運堂(ぼくうんどう)」の高級墨に箔工芸作家の礫翔(らくしょう)氏の金箔を施した逸品です。デザインは、和樂オリジナル茶器セットでもご協力いただいた京都工芸繊維大学の中野教授によるもの。
数年前、偶然この錦市場プロジェクトの打ち合わせ現場を目撃した担当50は、絶対誰も使わないような(?!)高価な墨づくりに真剣に取り組む彼らに、日本の職人魂を感じたのでした。本来なら、一瞬だけの作品となるはずだったこの墨を、今回あえて和樂読者のために再現してほしいと頼み込んで作製していただいたのです。
IMG_4664写真/なんとこれが墨なんです!

贅を尽くした工芸品をあえて使ってみる。
これも一興なり

そんな絶対誰も使わないような若冲の墨をあえて使ってみよう! だって寝かしておいたらもったいないじゃない…ということで、このGW中に書に挑戦してみました。小心者ゆえ、結局墨の裏側だけしか使うことができませんでしたが、墨の良い香りにつつまれてリラックス。そして、なんだか姫君になった気分。こんなちょっとの贅沢が豊かな時間をもたらしてくれるのですね。
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撮影/唐澤光也・池田 敦(パイルドライバー)