縦1.5メートル、横3.5メートルの金色の画面に、リズミカルに配された大きな燕子花。 そのボリューム、色鮮やかさ、そして豪華さは、見る者を圧倒し、鮮烈な印象を残します。 国宝にも指定されている、この尾形光琳の代表作《燕子花図屏風》は、現代にも通じるデザイン性をも備えた、人気のある作品です。 そのイメージソースとなっているのは、『伊勢物語』の第八段「東下り」です。 《燕子花図屏風》は、作品自体も魅力的ですが、絵の背景にあるストーリーを知れば、絵の魅力が増すだけではなく見方の幅も広がり、より楽しめるようになります。 今回は、この「東下り」の話を中心に、光琳たち琳派に愛され、『源氏物語』にも影響を与 […]