Gourmet
2020.04.07

手抜きを追求して「辿り着いた」!名付けて「オーブンでほっとけ!ベーコン」レシピ

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子供の頃からベーコンが大好きでした。ジューシーな脂、燻した香ばしい香り。
カリカリに焼いても良いですし、さっと焼くだけでも脂が残ってぷりっとした食感がたまらない。
ベーコンはなぜこんなに人を魅了するのでしょうか。ちなみにカナダでは恋人とベーコンどっちが好きか?というアンケートがあるそうです!

ベーコンは西洋の鰹節とも呼ばれています。鰹節と同様に燻してあり、うまみ成分のイノシン酸が豊富に含まれているためです。それに加えて豚バラ肉の脂の効果で、いつものお料理に使うだけでふくよかなコクを与えます。例えばコンソメスープの素などを使わなくても、ベーコンとグルタミン酸を含んでいる昆布や香味野菜を組み合わせるだけで、美味しい洋風のスープが作れるのです。

ベーコンはいつ誕生したのか

ベーコンの歴史は古く、紀元前にデンマークで生まれたと言われています。

海賊が長い航海のために塩漬けした豚肉を船内で貯蔵し、焚き火で炙って食べていたそう。しかし薪が湿っていたため、煙が大量に出て燻されてしまいました。それがベーコンの始まりで、煙で燻された豚肉の方が風味が良く、保存に優れていることがわかったのです。

日本に伝わったのは幕末の頃。戦前までは外国人や富裕層しか口に出来ない高級食材だったそうです。

ベーコンをカリカリに焼いてパルメザンを削ったおつまみベーコンエッグ

もっと簡単にベーコンを作って、惜しみなく食べたいんです!

我が家の子供たちもベーコンが大好き!ただお肉の加工品は原材料も気になりますし、結構お高めです。

家で作ろうにも、本来のベーコンは、工程がとても大変。豚バラを塩漬けし塩分を内部に染み込ませ殺菌をし、水に浸けて塩分を抜き、乾燥をします。そして、そこからやっと燻製です。出来上がりまでは何日もかかってしまいます。

手間がかかるとせっかく作っても、勿体なくてちびちび食べるみみっちい私……。
毎日惜しみなくベーコンを食べるにはどうすれば良いのか。それに、燻製は確かに美味しいのですが、普段の調理には中々ハードルが高いですよね。

調べていくうちに国によっては燻製しないベーコンもあることがわかり、試行錯誤して出来上がったのがオーブンで作る方法です。言うなれば、ベーコン風ローストポークという方が正しいかもしれません。しかし、味はベーコンそのもの。本来の作り方とは違いますが、これで充分美味しいのです!

お肉は漬け込まない、塩抜きしない、乾燥しない、煙も出ない、そうラクちん!

基本的にオーブンに任せておくだけのレシピです。お肉は必ず常温に。コツは買い物から帰ってきたら冷蔵庫にしまわずに作っちゃう事。私は、夜寝る前にオーブンにセットして寝ちゃいます。それくらい、オーブンにおまかせで大丈夫!

辿り着いた、燻製せずに作るオーブンベーコン

(材料)
豚バラブロック 500g 
(常温にしておく/触ったらひんやりしないくらい)
塩 大さじ1
オールスパイス 小さじ2 
(お家にあるどんなスパイスでもOK!)
白胡椒 小さじ1
お茶の葉(紅茶、ウーロン茶、緑茶等) 大さじ2~ 


1. 塩大さじ1と胡椒を、豚バラブロック全体にまぶしスパイスも脂面を中心にふります。スパイスはふりすぎてしまっても気にせずに。


2. 鍋の底にアルミホイルを敷き、その上にざぱーっと茶葉を置きます(固まっても散らばっても大丈夫!茶葉の量は多めがおすすめ)。


3. アルミホイルの土手を作り茶葉がしいてあるアルミホイルの上に載せます(茶葉に直接豚肉の身がくっつかないようにするため)
。ローズマリー、タイム、ローリエなどのハーブがあれば置いても良いでしょう。


4. 土手の上に1のブロック肉を脂身を下にして並べます(豚肉が浮いているような状態)。並べるときに豚から水分が滲んできていたら、キッチンペーパーでおさえるように拭き取りましょう。塩とスパイスが多少落ちますが、気にしなくて大丈夫です。


5. オーブンで余熱無しで120度90分焼きます。その後、オーブン庫内に粗熱が取れるまで放置。くれぐれも焼けてもすぐ切らないように。肉汁が断面からこぼれてしまうので、そのままオーブンで落ち着かせましょう。

切り口はうっすらピンクですが、火は通っているのでご安心を!

冷めてから、冷蔵庫に移し保存(5日ほど保存可)。長期保存の場合は調理しやすい大きさに切り分け、冷凍保存。
もし、塩が固まったり浮いて塩分がきつかったらキッチンペーパーなどで軽く拭うと良いでしょう。

※鍋を使うのは片付けを楽にするためです。オーブン天板、耐熱皿、鍋でも可。
※茶葉は余っているものや賞味期限が切れているものでOK。こだわる方は燻製している茶葉「ラブサンスーチョン」やアップルティーなどのフレーバーティーもおすすめ。

工程だけ読むと面倒と思われるかもしれませんが、慣れると下味を付ける作業も5分もかかりません。

アルミホイルを使うので終わったらそのまま茶葉を包んでポイしてくださいね。オーブンや耐熱皿が脂でぎとぎとにならないので、洗い物の面でも気軽です。

このレシピですが、豚バラでなく、肩ロース、ロース、もも肉などで作るとハムっぽくなります。部位×茶葉×ハーブ、スパイスで毎回違う出来上がりを楽しめるのです!

もも肉で全く同じように作ったら……

ハムのようにできます。ヘルシーです。

ベーコンでお蕎麦!?これはイケる!ベーコン南蛮!

(材料)1人分
ベーコン 40g(お好きな分量で)
白葱   1/2本(これ以上の量であれば好きな分量で)
しめじ  1/4パック
麺つゆ  1カップ 
お蕎麦

1. ベーコン40gを2cm幅0.7mmくらいの厚さに切ります。白葱は1/2本、4cm程度のぶつ切りにします。しめじは石づきを取り、ほぐします。

2. フライパンに油を敷かずベーコンと白葱を入れます。中火で、ベーコンは両面、油を出すように動かさずに焼き、白葱も両面をこんがりと焼きます。途中でしめじを入れ、ベーコンの油を吸わせるように、あまり動かさずこんがりするように焼きます。

3. 白ネギをお箸で押してフニャっとしたら麺つゆを入れます。麺つゆは濃縮タイプなら薄めた状態のものを、1カップ入れます。沸騰し味見をして、味が濃いようなら、少し薄めます。

4. お蕎麦は規定時間で茹でてザルに取り、流水で冷やし水をよく切ります。

5. 3のベーコン汁を沸騰させ、器に移し、山椒をたっぷり入れて、冷たいお蕎麦をつけて召しあがりください。

ベーコンの旨みがつゆに溶け、シャクシャクとしたお葱がアクセントになります。
山椒が味を引き締めるので是非入れてくださいね。

自家製のベーコンがあるというだけで、献立作りの安心感が違います。そのまま召し上がるときはフライパンなどで焼いて、粒マスタードをたっぷり付けてどうぞ!


チャーハン、ラーメンの焼豚代わり、カルボナーラのかりかりベーコンにもぴったりです。
いつものベーコンエッグでもご馳走になりますよ。

(写真 今井裕治)