前田家ゆかりの大徳寺 興臨院で加賀百万石の美の歴史を知る

前田家ゆかりの大徳寺 興臨院で加賀百万石の美の歴史を知る

目次

金沢の礎を築いた加賀前田家の菩提寺、大徳寺 興臨院

 京都・紫野の大徳寺総門から入って突き当たりに位置する「興臨院」は、能登国(のとのくに)の戦国大名・畠山義総(はたけやまよしふさ)が小渓紹怤(しょうけいじょうふ)を開祖として創建。加賀百万石の礎(いしずえ)を築いた戦国大名・前田利家(まえだとしいえ)が改修を行ってから、前田家の菩提寺(ぼだいじ)として厚く庇護(ひご)されるようになりました。

重要文化財の興臨院本堂には見どころがいくつも

 室町時代の方丈建築様式の特徴を備えた入母屋造(いりもやづくり)で檜皮葺(ひわだぶき)の本堂には、日本で最初につくられたという床の間があり、幕末から明治維新の混乱期に失われた障壁画は現代の水墨画家・村石米齋(むらいしべいさい)の作品にかわり、方丈各室を彩っています。

前田家ゆかりの大徳寺 興臨院で加賀百万石の美の歴史を知る

室町時代の枯山水様式を再現した枯山水の庭こそ興臨院のハイライト

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 方丈前庭は〝昭和の小堀遠州(こぼりえんしゅう)〟と称えられた作庭家・中根金作(なかねきんさく)が昭和53(1978)年に、方丈の解体修理の完成時に古い資料をもとにして復元。
白砂に石組みを配し、室町時代の人々が憧れた蓬萊山(ほうらいさん)を中心とした理想的な世界が枯山水で表わされています。

 表門は創建当時の貴重な遺構で、大徳寺でも古い門のひとつに数えられるもの。唐門とともに室町時代の禅宗建築様式を見事に残しています。

茶人も注目する古田織部好みの茶室「涵虚亭」

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 中国の蘇東坡(そとうば)の詩から名づけられた茶室「涵虚亭(かんきょてい)」は、古田織部(ふるたおりべ)好みの四畳台目に様々な機能を併せもった床の間つき。茶人も注目する建築美とされます。

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写真は本堂に掲げられた扁額と、書院に造られたものとしては日本最古の床の間。

大徳寺 興臨院 秋の特別公開 

 通常非公開の興臨院の今秋の特別公開は9月10日~10月2日と10月8日~12月15日に行われます。
 古式ゆかしく整えられた蓬莱山式枯山水を方丈からゆっくり味わい、禅寺ならではの花頭窓から眺め、室町時代後期の創建の姿を伝える本堂で前田家の歴史に触れる……。由緒ある塔頭をゆっくり拝観できるチャンスです!

期間/9月10日(土)~10月2日(日)、10月8日(土)~12月15日(木)
公開内容/表門(重文)、方丈庭園、本堂(重文)
拝観時間/10時~16時(最終受付)
拝観料/大人600円 中高生400円 小学生300円
連絡先/京都春秋事務局 Eメール

写真/小西康夫

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