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2019.09.05

カフェのニュータイプ、現る!竹ノ塚「昭和の家」縁側カフェってどんな場所?

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サイエンスカフェ、ゲンロンカフェ、らくごカフェ…ここ数年、新たな変わり種のカフェが次々と誕生しています。そんな中「ゆっくりできる」とカフェ好きに好評なのが「縁側カフェ」という新しいタイプのカフェです。

「縁側カフェ」というと、少し聞き慣れない言葉かもしれませんが、要するに古民家や古い洋館の「縁側」でお茶を飲めるようにしたカフェだと考えてください。昔ながらの趣ある縁側でゆっくりとした時間を楽しみながら味わうお茶は格別なもの。そこで、今回はここ数年全国的に増えてきている縁側カフェの中でも、特にファンの間で人気の高い「昭和の家」(東京・竹ノ塚)に行き、縁側カフェの魅力を探ってきました!

大人気の「縁側カフェ」昭和の家を徹底取材してきました!

昭和の家は、東京都足立区にある古民家です。東武スカイツリーライン「竹ノ塚」駅から歩いて14分。大通りを進むと突然、塀に囲まれた昭和の家が現れます。

昭和の家は、1939年に金属加工業を営む平田源七(ひらたげんしち)の住居として建設された洋館付き和風建築です。2012年に国の登録文化財にも指定されました。洋室と和室が混合した昭和時代ならではの建物で、ハイカラな雰囲気の昭和レトロが楽しめます。

昭和の家に入ると、玄関の横にシャンデリアが吊るされた洋風の応接間があり、奥には和風の書生部屋、寝室、子ども部屋などがあります。実業家として成功した名士の住居らしく、庶民的な民家と比べ、ほんのり高級感が漂う建物です。

今回はそんな昭和の家で縁側カフェを営む、平田さんに昭和の家と縁側カフェについてお話をお聞きしました。

ー 昭和の家ってどんなお家なんですか?

かつて、このあたりの付近一帯には、金属加工の工場がたくさんありました。金属加工業のその社長であった平田源七は、自社の工場で働く作業員を招いて宴会などを行いたいと考え、この家を建てたのだそうです。そのため、お客さんを招く場所である縁側と座敷は広めにつくられています。

ー カフェとなっている縁側には二人掛けの丸テーブルが4つ並べられるスペースがあり、縁側の隣にある座敷は、2〜3人席がふたつと4人席がひとつほど用意されています。複数人が一度に滞在できる広さがありますね。おもてなしのこだわりはありますか?

陽当たりの良い場所で来客をもてなすために、縁側スペースは南側につくられています。家族の生活空間は北側にあり、訪れる人の目には触れないつくりです。縁側から見ると、台所や寝室など家族スペースは見えないつくりになっています。そのため、縁側だけを見ると生活感は伝わりません。

昭和の家は、縁側とその隣にある座敷をカフェとして開放しています。ガラス越しにやわらかな日の光が差すので、読書をしながらまったり過ごすのにも最適です。縁側カフェへ訪れた際は、心ゆくまでくつろいでいただきたいと思います。また昭和の家の縁側からは桜、椿、あじさい、つつじ、など、四季折々の草花が咲き誇る庭園が一望でき、大きなガラス越しに降りそそぐ柔らかな日差しを感じながら、お茶やケーキがいただけます。

縁側から観られる庭園です。晩秋になると見事な紅葉も楽しめます。

「縁側カフェ」で様々な個性を持った「縁側」を気軽に体験してみよう!

古民家カフェのなかでも、縁側にスポットを当てたカフェは年々増えており、縁側の雰囲気に魅了される人も増えています。しかしなぜ、縁側カフェに注目が集まるのでしょうか。平田さんに縁側の魅力について改めてたずねてみました。

ー 縁側の魅力について教えてください。

板の間だということは魅力ですね。座敷のように使い方が決まっていなくて、廊下として歩いたり、子どもの遊び場になったり、そこで仕事をしたりといろいろな楽しみ方ができるのが縁側なんです。だから、カフェにもしやすいのかなと思います。また、縁側は日差しの良い位置にあり、近所の人と雑談をしたり交流をする場所でした。昔はご近所さんが玄関から庭を通って、縁側まで来て話をする…なんて光景もあったんです。そんな、人と交流する・くつろげる場所としてつくられていますので、時を経た今でも、人々がくつろげる空間として楽しめるのだと思います。

庭園を眺めながらいただくタルトやお茶は格別でした!タルトはすべて自家製。甘さ控えめでお茶やコーヒーとの相性も抜群です。

ー 確かに、板の間だといろいろな使い方ができます。縁側をカフェとして開放する古民家が多いのも、板の間で扱いやすいことがひとつの理由なのかもしれません。また、縁側はもともと、くつろげる場所・人をもてなすためにつくられた場所のため、縁側に座るとリラックスできたり、落ち着いた気分になれます。コーヒーを飲みながらほっと一息…そんなカフェに最適の場所ですね。

縁側では庭も観てもらいたいと思います。昭和の家の場合、代々暮らしていた人々が庭を受け継ぎ、時代によって新しい植物を植えたり、好みの庭に変えたりして来ました。最近までキレイなしだれ桜があったのですが、折れてしまって私の代で新しい桜を植えたこともあります。
庭は生き物のため、当時のまま保存ができません。だから、当時の趣を残しつつ、姿を変えながら持続しているのが庭なんです。

ー 庭は時代とともに変化しているため、庭を観れば、現在の管理者がどんな思いで庭をつくっているのかを感じられます。昭和の家の庭は四季折々の花が咲き、キレイに手が入れられていました。それも、手間暇をかけてつくられたものだと思うとまた違った視点で楽しめますね。

ー 縁側カフェが増えていることについてはどう思いますか?

縁側は家の佇まいによって雰囲気が異なります。昭和の家は、庶民的・素朴というよりは上品な雰囲気のあるお家。だから、縁側も落ち着いた上品な雰囲気があります。でも他の家の縁側は、家の雰囲気によってもっと親しみやすかったり、ゆったりとした時間が流れていたりします。だから、縁側カフェが増えているなら、いろいろな縁側を冒険して、雰囲気の違いを楽しんでいただければと思います。

ー 縁側といっても、どんな人が建てたのか、暮らしていたのかによって雰囲気は全く違うんですね。いろいろな縁側カフェをまわって、好みの縁側を見つけるのも面白いかもしれません。

縁側カフェ・昭和の家 店舗情報

住所:東京都足立区西保木間2-5-10
営業時間:火~金 11:30~18:00
公式サイト:http://shouwanoie.jp/
※営業時間など最新の情報はホームページでご確認ください

書いた人

大学時よりライター活動の傍、役者活動に邁進中。日本武術に興味を持ち古武道や殺陣を習うも、型をすぐ忘れるのが悩み。戦えるライターになりたい。