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イカと天然あなご、実は山の恵みだった!対馬の先人が守り抜いた島の味をいただく

夏という季節に大人も子供も心が浮き立つのは、全世界共通。澄んだ海、乾いた風がひときわ心地よく感じるころ、時間に余裕があるのなら、本島のその先にある離島を目ざしてみませんか?今月のINTOJAPANでは、『佐渡』『対馬』『大三島』を3週にわたってご紹介します。

住所は長崎、だけど福岡弁が行き交う町

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遥か昔から残る風景や、古代信仰の聖地を巡るのも良いですが、今回は時代を近代にして対馬の町をご紹介します。

宗氏が九州本土から対馬の地頭代として渡ってきてから中世、近世とこの島を治めてきました。600年余にわたって、同一の領主が治めた例は日本全国でも数えるほどしかありません。町の中心部、厳原では対馬藩宗氏10万石の居住跡や武家屋敷跡を見ることができます。格式高い石垣塀や門はそのままに、そこに役場や警察、ときには幼稚園が入っている町並みを散策するのも楽しい。宗家の菩提寺である『万松院』には歴代藩主の墓があり、荘厳な静けさに満ちています。

_MG_6693水揚げされたイカは洗浄後、『イカゴーランド』に乗って、天日干しされる。

対馬を支える一番の産業は漁業。厳原漁港の近くでは、早朝からイカを干すお母さんたちの姿を見ることができます。聞けば、対馬は高級種のイカの産地として知られるそう。イカに限らず、鯖、赤むつ、のどぐろ…「いい魚はなんでも取れるのが対馬だけんね」と教えてくれたのは、あなご漁業に精を出す島居孝廣さん。対馬は天然あなごの産地としては日本一。これだけ漁場が豊かなのは、森林が残り、山からの栄養がたっぷりと海に注がれていることによります。「山や森をタブーの地にしたのは、対馬に生きてきた先人の知恵でもあった。山を切りくずしたら、自分たちの暮らしがどうなるか、わかっていたのでしょう」とガイドの西さんは語ります。

_MG_6958村の人にとって対馬の玄関口である厳原港。

『国境の島』でありながら地名や人名、食文化など身近なところに異国のにおいがしないのも興味深いところです。耳にするのは長崎弁ではなく福岡弁。福岡がいちばん近い『外』だったようです。藩政時代、対馬藩主は朝鮮通交を担ってはいましたが、当時の日本は鎖国をしていたため一般人の往来はなかったとのこと。明治時代も要塞地帯であったので、それほど人が混じり合うことがなかったからなのでしょう。日本の民俗の歴史を追いかけた宮本常一による「ある意味でこの島は昭和二〇年まで鎖国が続いていた」(『私の日本地図』)という表現もあてはまるのかもしれません。観光客として見れば、古代〜中世〜近代と各時代の足跡がそのまま残る対馬は、とても貴重に感じられるのですが。

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今、島の関心事は、2011前に韓国と対馬間の航路事業者が増加したことにより、韓国人旅行客が対馬に訪れるようになったこと。その数、日に600人!これから、対馬の町も変わっていく予感がします。

対馬をもっと楽しむ旅案内!

【食べる】

『あなご亭』のあなご刺

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対馬の西沖、韓国との国境近くで採れる胴が太くて長く、脂の乗ったあなごを『黄金あなご』と呼び、対馬の名物に育てた島居さんが営む食事処。刺身は天然塩とわさびをつけ、その甘みを味わって。食事の締めは、せいろ蒸しを。

『居酒屋 汐路』の地ガニ

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厳原で食事をするならこちらへ。家族3人で営む小さな居酒屋は鮮魚をはじめ、野菜のお惣菜もあり、地元の人たちがふだん食べているものが味わえる。夏はワタリガニに代わるが、地ガニがカウンターに並ぶときは迷わず注文を。

『そば道場 美津島店』のろくべえ

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さつま芋を砕いて粉にして発酵させたものを団子にして保存。それを麺にしてゆがき、アゴや鰹の出汁でいただくのが対馬の郷土料理『ろくべえ』。手打ちの麺が食べられるのがここ。対馬産の蕎麦粉10割を使った『対州そば』も名物。

webサイト:そば道場 美津島店

『万松院』売店の対馬蜂蜜

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1615年に創建された宗家菩提寺の『万松院』。もうひとつの見どころが、ご住職の奥様・佐伯瑞枝さんが営む県産のおいしいものを集めた売店。島に生息するニホンミツバチ100%の蜂蜜は、繊細で濃密な味わいに驚くこと必至。

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