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京都観光をより楽しく! 二条城「二の丸御殿」鑑賞のススメ

京都観光では外せない名所、二条城。「二の丸御殿」には、日本最大の絵師集団、狩野派によって描かれた、1000面を超える障壁画が。注目すべきは描かれている“松”。狩野派が、それぞれの部屋の役割に合った障壁画をプロデュースしていることがわかります!

二条城「二の丸御殿」注目ポイントは障壁画の“松”

京都二条城二条城「二の丸御殿」

最初の御殿「遠侍(とおざむらい)」に入ってまず目にするのは、一の間から三の間に描かれた竹林に潜む虎と豹(当時、豹は虎の雌と考えられていました)。これは訪問者を威圧すると同時に、霊獣と崇められた虎に守護の役割を期待したもの。将軍お目通りへの緊張を増長させたと想像できます。

2番めの「式台(しきだい)」は、公式の対面所である「大広間」へつなぐ棟。“松”は二の丸御殿で最も多く描かれた画題ですが、古より長寿や繁栄の象徴とされた“松”を将軍ご対面直前に目にさせることで、将軍の前に出る者としてふさわしい振る舞いや心構えを求めたのだとか。

京都二条城二条城「二の丸御殿」の大広間

いよいよ将軍とご対面となるのが、「大広間」の一の間と二の間です。このふた間には折上格天井(ごうてんじょう)や書院造(しょいんづくり)の床飾りなど、さまざまな建築様式が用いられているので、じっくり観賞したいもの。

京都二条城狩野探幽または山楽によるとされる四の間の「松鷹図」。(元離宮二条城事務所蔵)

公式会見の場である「大広間」には、4つの部屋すべてに、徳川の勢力を表すような堂々たる松がパノラミックに描かれています。壮麗な天井の装飾画とともに、訪問者に対してここが特別な場所であることと、御殿の主である将軍の権威を視覚的に示した建築です。

京都二条城狩野探幽の弟、尚信の筆による三の間の「松図」。冬の田野に舞い降りたシラサギを描いたもの。(元離宮二条城事務所蔵)

そして「大広間」から「蘇鉄(そてつ)の間」とよばれる廊下を経て続くのが「黒書院(くろしょいん)」。一の間から牡丹の間までの5部屋で、四季を描き分けています。勅使や上層の公家、幕府に近しい大名らとの対面に使われた部屋には、やまと絵の伝統を感じさせる季節の情景を描き、訪問者をもてなしました。

京都二条城狩野興以または長信の筆とされる三の間の「山水人物図」。(元離宮二条城事務所蔵)

そして最後の御殿「白書院(しろしょいん)」へ。ここまでの金地に濃厚な彩色から一変し、白い素地に墨と淡い色で山々や建物、人物のいる水辺の情景など、趣の異なる風景が。水墨画が流行した室町時代以降、主人の教養を示すため居室には水墨画が描かれたのです。ここが将軍の居室、プライベート空間であったことをうかがわせる変化。くつろぐための空間ならではの表現が施されています。

こうして各棟の役割と描かれた障壁画の意味を知って観賞すると、狩野派の空間プロデュース力に感心させられます。

※現在、二条城の障壁画のほとんどは、当時の様子を復元するべく描かれた模写にはめ替わっています。画像提供:元離宮二条城事務所/DNPartcom

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