浅草「舟和」芋羊羹(ようかん)で有名な和菓子の名店の工場は埼玉県浦和にあった!

浅草「舟和」芋羊羹(ようかん)で有名な和菓子の名店の工場は埼玉県浦和にあった!

台風19号は各地に大きな爪痕を残した。私の住む地域にも避難指示が出されたが、幸い、自宅は何の被害も受けず無事に過ごしている。避難準備はしていたものの、当日は逆流しそうなトイレに慌てて水のうをセットするなど、それなりにオロオロしながら暴風雨が過ぎるのをただひたすら待った。次の日は台風一過の見本のような天候となり、まるで何事もなかったかのような快晴のなか、近隣の被害状況を見て回った。荒川総合運動公園や、秋ヶ瀬公園などの見慣れた風景は一変していた。浸水被害に遭った状況を目の当たりにするにつれ、何か心がざわざわしてくる。彩湖が調節池の役目を果たしたからこそ下流域の被害が最小限で済んだ、という理屈は頭では理解できる。理解はできるが、冠水した道路を膝まで水に浸かりながら、子どもを抱きかかえ何か諦めたような顔で往来する人々を実際に目の前にすると、複雑な気持ちになる。

11月に入り朝晩は冷え込むようになったが、日中は暖かく小春日和だ。相変わらず心がざわつきながらも、どうにか日常生活をやり過ごす日々において、自分にとっての「幸せ」とはなんなのかを考えてみる。毎日無事に一日を終え、健康な体で過ごせている−。それだけで充分、幸せだと言う人もいるだろう。では、それ以上を望むのは「贅沢」なことなのだろうか?生きていれば「美味しいものを食べたい」とか、「映画を観に行きたい」とか、程度の差はあれ、さまざまな欲が生まれてくるのが人情ってものではないだろうか。

創業100有余年 老舗の看板が示すこだわりと誇り

「幸せ、喜び、楽しい」― 明治35年創業、浅草「舟和」の和菓子に対する精神である。東京都観光協会より、観光土産にも推奨されている「芋ようかん」が看板商品だ。創業当時、砂糖や小豆は庶民にとっては高級品。それらを使用した「練りようかん」は、なかなか口にすることが出来なかったという。そういった背景から、より身近な材料としてさつまいもを使用したことが、芋ようかんの始まりである。

今は新米ならぬ「新芋」の時期

身近な材料で幸せを 代表作芋ようかん

原材料はさつまいも、砂糖、塩の3つ。自然の持ち味を生かした素朴な味わい。今では全国のデパ地下で手に入るようになったが、全国唯一の工場が埼玉県さいたま市にある。私の家から近いこともあって何度か利用しているが、つい最近まで、埼玉銘菓なんだろうなと勝手に思い込んでいた。

工場内は見学仕様になっていないため、内部の見学は出来ない。バスツアーでも見学させて欲しいと問い合わせがあるそう。工場は全国に何軒かあるのでは?とよく誤解されるらしいが、正真正銘、ここ浦和工場しかなく、北海道から九州まで、沖縄を除く全国へ配送されている。

写真提供:株式会社舟和 浦和工場 製造部

浦和工場は設立昭和41年、浅草の店舗が手狭になったため、他方面に土地を探し、「お水がきれいだった」ことから、この地に決められたという。ここでは一日5万本の芋ようかんが毎日製造されている。当然ながら、さつまいもは大きさ、形、芽の部分、どれも均一ではない。一本一本、全て手でむかれている。着色料、保存料、香料は一切使用していない。さつまいもそのままの風味は、幅広い年齢層から支持されている。

そのままでももちろんおいしいが、購入した際に添付される「おいしい食べ方」を試してみてほしい。オーブンで焼いて香ばしい焼き芋の味、バターやマーガリンで焼いて洋風の味などが楽しめる。

ぷちっ!と弾けるあんこ玉はカラフルでキュート!

芋ようかんに次ぐ看板商品の「あんこ玉」は、カラフルな展開が目を引く。表面がつやつやしているのは寒天で包んでいるためで、苺や珈琲といった独特の風味が特長のあんはしっとり。加えて、口に含むとぷちっと弾ける寒天の食感も楽しい。あんこ玉も甘味を抑えた自然な味わいで人気がある。直売店の売れ筋はやはり芋ようかんとあんこ玉のセット。

写真提供:株式会社舟和 浦和工場 製造部

季節限定のりんごのあんこ玉。家族が陶芸体験で作ったりんごのプレートに乗せてみた。りんご果汁が効いたすっきりとした味。(※2019年11月29日からは「ゆずのあんこ玉」)

季節限定商品はほぼ一ヶ月サイクルで変わるので、その時々の商品を楽しめる。仲見世や本店など取り扱い店舗が限られている「芋ようかんあいす」も、直売店で購入できる。口に含んだ瞬間、サツマイモの風味が広がり、なめらかな舌触りとコクのある味わいが絶品のひとこと。秋にぴったりなアイスだ。

お仕事を一旦中断して、おやつの時間

なお、直売店では、10月から5%オフのサービス※が始まった。浅草の老舗の味をぜひ埼玉で堪能してみてほしい。※一部対象外商品あり

多彩な商品が並ぶ店内

和菓子を通して知る それぞれの幸せ

芋ようかんは原材料がさつまいも、砂糖、塩の3つだけ、ということから、離乳食として与える親御さんもいるらしい。離乳食を一度でも作ったことがある人なら分かると思うが、あの徒労感はできれば避けて通りたい道ではなかっただろうか。ほんの少しの食材に火を通し、すりおろし、すりつぶし、適温に冷まし、あげく、スプーンひとさじすら食べてくれない。その間にもやるべきことは積み上がっていく。ともかく自分の作った料理が目の前で否定される様は、骨も心も折れる日々だった。そんな毎日を繰り返しながら、もっと簡単で便利な方法がないものか、と途方にくれていたものだ。離乳食は月齢や進み具合によるので、与える際はそれぞれの状況に応じた判断としてご注意いただきたいが、手軽にご飯の代わりにもなるというのは、子どもと親の双方にとってストレスが少なく、喜ばしいことだと思う。体質などの理由から、お芋なら安心して食べられるというお子さんもいるだろう。

人の幸せの価値観は人それぞれ。さらに日々変わるものかもしれない。「おいしい」だけではない言葉にならない想い、「幸せ、喜び、楽しい」。その精神が、舟和の製品には込められているのだ。ひとまず今日はゆっくりと、老舗の味を堪能する幸せをかみしめたい。

店舗情報

株式会社舟和本店 浦和工場売店
住所:338-0826 埼玉県さいたま市桜区大久保領家通前740
フリーダイヤル:0120−278−201(午前8:30〜午後4時まで日曜を除き受付)
営業時間:日〜木 9:00〜17:00 金・土 9:00〜17:30
定休日:無休
公式Webサイト:舟和本店

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