INTOJAPAN

MENU
 

A HAPPY NEW 日本美術。
日本美術は私たちを幸せにしてくれます、きっと。
和樂編集長 セバスチャン高木

35-36

みなさん、率直な話、日本美術の現状をどう思われますか。私は、正直なところ、憂うべき状況とはまったく思っていないのですが、だからと言って素晴らしいとは絶対に思っていないんです、私は。

と、どこかで聞いたことがあるようなフレーズで恐縮ですが、いよいよやってきてしまいましたね、え、何が。それはですね、二〇一八年がです。

私がこの原稿を書いている二〇一八年は、翻って見ると日本美術元年と言ってもよい年だったのではないでしょうか。

京都国立博物館で開催された史上最大規模の「国宝」展、東京国立博物館の「運慶」展、大阪のあべのハルカス美術館で開催された「北斎−富士を越えて」展、そして、国立西洋美術館で開催中(二〇一八年一月二十八日まで)の「北斎とジャポニスム」展と、日本美術に関する歴史的な展覧会が次々と開催され、いずれも今まででは考えられないほど、話題を呼びました。

そう、今、日本美術はかってないほどにブームになっていますが、それはなぜでしょうか。私の場合、自問自答した末の結論は、日本美術には、人を幸せにする力があるからではないかと思うのですが、みなさんどう思われますか。

036-037

そもそも日本美術は、西洋美術とは違って、アートとして描かれたものではありません。日本美術は、どちらかといえば、寺社仏閣や家屋を、デコレーション、飾り、装飾するためのものでした。もちろん絵師たちはあらぬ限りの技術や発想をそこに込めたのでしょう。ですが、恐れずにいえば、己自身を表現する西洋美術とは根本的にそこが違っているのです。

もしかして私たちが日本美術に惹かれる由縁はそんなところにあるのではないか。日本美術は私たちを幸せにしてくれる存在なのではないか。それが和樂の二〇一八年のテーマです。

ですから特集はそのままずばり、「さあ、行こうあたらしい世界へ A HAPPY NEW日本美術」。もう、日本美術であけましておめでとうございます、なんです。

なんで日本美術はこんなにHAPPYなんだろう。日本美術は私たちをどこに連れて行ってくれるのだろう。そのことだけを考えて、特集を作っていたら、いつの間にか八十ページを越えてしまいました。

066-067

「日本美術VS世界のアート、どっちがHAPPY、どっちもHAPPY」。「美術館であけましておめでとうございます」。「史上初、国宝聖林寺十一面観音の化仏スクープ撮」。「人間は幸せをどう描いてきたのか、一万年全史」。「発見!ふたりの脱力王」など、もうこれでもか、これでもかと、日本美術の新しい可能性やら、見方などを提案してしまいました。そこで見えてきたのは、そう、日本美術は私たちを必ず幸せにしてくれる、ということなんです。

特集の最後には、京都国立博物館が誇るイケメンすぎる虎、トラりんの特別グラビア撮影&インタビューまで。いつもながらスタッフ渾身の特集をぜひお楽しみください。

106-107

和樂といえば付録、付録といえば和樂、それは二〇一八年も続きます。二〇一八年新年号の付録は、といえば、でたーーーー。「若冲サルグラム風呂敷」なんです。サルグラムって何、という疑問はさておき、日本美術ブームの生みの親、伊藤若冲が描いたおさるさんをモチーフにした風呂敷が、これまた可愛いのなんのって。十月号でつけた北斎モノグラム風呂敷も記憶に新しいところですが、これまた画期的な風呂敷の誕生です。しつこいようですが、サルグラムってなんだって感じですが、これは実物を見てのお楽しみですよ。若冲が描いたサルがモノグラムのようにあしらわれた風呂敷で何を包むのか?ちょっと考えて欲しいなぁと思う今日この頃です。

110-111

特集の「A HAPPY NEW 日本美術」と付録の「若冲サルグラム風呂敷」ちょっと飛ばしすぎました。でも、ご安心ください。第二特集は「残したいニッポンの食遺産十」が登場です。和樂の編集部は日々全国を飛び回って取材をしています。その過程で出会うんですよ、どうしても残したい、いや、残って欲しい食の逸品が。そこで今回は編集部が誇るご意見番、オフジとイツコが、もう私のことなど無視をして、集めてきました、ニッポンの食遺産を。さすがに私の言うことなどを聞かないふたりが集めてきたことだけあって、もうふんふんというしかない食のレジェンドばかりです。いや、これ、本当に残したいですよ、この食は。

150-151

第三特集も私の言うことを微塵と聞かないスタッフがつくってしまいました。「雪と賢治とコーヒーと」。でも、やっぱり自分たちが作りたいものを表現するのっていいですよね。みんなが大好きな宮沢賢治の本を読みながら盛岡へ、あるいは、賢治の本を読みながら喫茶店へ。こんなこと私には思いつきません。だから、皆さんには和樂のスタッフが感じたことを少しでも追体験してほしいなぁと思う、私です。

本号も見所満載でお送りする和樂をお楽しみいただければこれ以上の幸せはございません。

LATEST ISSUE 2月号

A HAPPY NEW
日本美術!

12月29日(金)発売

Top