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2023.07.24

「黄昏(たそがれ)」の意味や時間帯とは?語源とちょっと怖い理由も紹介

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たそがれは漢字で「黄昏」と書き、そのアンニュイで耽美(たんび)な響きのためか、小説や映画などたくさんの作品のタイトルとなっています。

ちょっぴり切ない恋愛ものか、はたまた深みのある人生ドラマか…

でも、改めて考えてみると「たそがれ」って不思議な言葉ですよね。いったいどんな意味なのでしょう?

美しいけれど怖い時間……

たそがれは、古くは「たそかれ」と言っていました。薄暗くて人の見分けがつきにくい時刻のことで、「誰(た)そ彼(かれ) ※あれは誰? の意味」と思ってしまうような状態です。夕暮れ時であることから、ものの盛りが過ぎたころのことも指します。

誰だか分からないけれど、いる。そんな不安な状態からか、たそがれは大きな禍(わざわい)が起きる時刻「大禍時(おおまがとき)」とされ、「ま」という音の類似から魔物の「大魔時(おおまがとき)」「逢魔時(おうまがとき)」へと転じていきました。

一見ロマンチックな由来。でも街灯もない時代、人の顔が見えないほどの暗闇は怖かったんでしょうね〜。人だと思っているそれ、ほんとうに人なのか…?

ちなみに、「かわたれどき(彼誰時)」という、たそがれと同じ発想から出た言葉があり、こちらは主に明け方を指すようです。

「たそがれ」いろいろ

でもやっぱり、たそがれは少し気だるくて美しい情景でもあります。
黄昏バリエーションがとてもエモかったので、一挙にご紹介いたします!

黄昏顔(たそがれがお)

黄昏時の、なにか物を思っているような顔のこと。

黄昏草(たそがれぐさ)

夕方に花が咲く植物、夕顔(ゆうがお)の別名。

黄昏月(たそがれづき)

黄昏時の月のこと。陰暦の3~4日ごろ、夕方に見える月です。

黄昏鳥(たそがれどり)

ホトトギスの別名。夜に鳴くこともあるため?

黄昏藤(たそがれふじ)

黄昏時に、いっそう趣ある風情となっている藤の花。

「黄昏」がつくだけで一気にアンニュイな趣が。特に黄昏藤、見てみたいです!

アイキャッチ画像:歌川国貞『遮那王僧正谷に兵術を学ぶ図』メトロポリタン美術館より

参考文献:
・『日本国語大辞典』小学館
・『デジタル大辞泉』小学館

書いた人

人生の総ては必然と信じる不動明王ファン。経歴に節操がなさすぎて不思議がられることがよくあるが、一期は夢よ、ただ狂へ。熱しやすく冷めにくく、息切れするよ、と周囲が呆れるような劫火の情熱を平気で10年単位で保てる高性能魔法瓶。日本刀剣は永遠の恋人。愛ハムスターに日々齧られるのが本業。

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平成元年生まれ。コピーライターとして10年勤めるも、ひょんなことからイスラエル在住に。好物の茗荷と長ネギが食べられずに悶絶する日々を送っています。好きなものは妖怪と盆踊りと飲酒。