Gourmet
2019.09.12

出雲土産にはコレだ! ほろ甘さがたまらない300年続く銘菓「生姜糖」

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優しい甘さとキリッとした生姜の辛みが特徴の「生姜糖(しょうがとう)」。口に入れるとサラサラ溶けて、新鮮な生姜の香りが口いっぱいに…「來間屋生姜糖本舗(くるまやしょうがとうほんぽ)」の生姜糖は、パッケージもレトロで可愛く、出雲土産にもピッタリです。

優しい甘さがたまらない! 生姜糖は出雲土産にピッタリ

スクリーンショット 2017-06-26 15.02.35300年変わらぬシンプルな甘さ。生姜(しょうが)の辛みと香りをきかせた銘菓は板チョコのような形。これを手で小さく割っていただきます。

「かつては松江城のお殿様やお姫様たちも召し上がったそうですよ。その当時から材料も製法もまったく変えずにつくり続けています」

コーヒーにも抹茶にも合うし、紅茶にひとかけら落とすのもたまらなくおいしい――この銘菓をつくっているのが、正徳5(1715)年創業の老舗「來間屋生姜糖本舗」。スサノヲノミコトがヤマタノオロチを退治した伝説が伝わる斐伊川(ひいかわ)の近くで、300年前から店を構えています。

スクリーンショット 2017-06-26 15.08.03趣のある看板が目印。店内には昭和のはじめと思われるころの写真も。

「生姜糖の材料は、ここ出西地方でしか収穫できない幻の『出西生姜(しゅっさいしょうが)』と水と砂糖だけ。材料を煮詰め、型に流して固めればできあがり…というシンプルなお菓子です」と話すのは、11代目当主の來間 久(くるまひさし)さん。

えっ、それだけですか?…と思わず口にしてしまったところ、「つくっているところを見てみますか?」と有難いお言葉。白衣にマスクに白帽子の完全装備で工房に入れていただきました。

スクリーンショット 2017-06-26 15.10.09水と砂糖と生姜の絞り汁を煮たて、少し冷まして透明になったものを、板チョコのようなかたちの銅型に流します。

ものの数分で固まったところを型からはずすと、板チョコ状の生姜糖の出来上がり。キラキラと輝いてとってもきれい!

いちど溶けた砂糖を再結晶させているからだそうで、その出来立てをパリンと割って口に入れると、サクッとほどけてフレッシュな味わいです。が、「まだ味が若いでしょう? 少したつと辛みが落ち着いておいしい生姜糖になりますよ」と來間さん。このあとは、工房のみなさんが丁寧に薄紙で包み、袋や箱につめて…とすべて手作業で仕上げます。

「袋や箱のデザインも昔のまま。看板やパッケージに使われている來間屋の文字デザインも、何代目かの当主が考えたそうです」

出雲土産にはコレ! 300年続く銘菓「生姜糖」レトロなパッケージは昔のまま。生姜糖1枚袋入り473円、1枚箱入り486円(ともに税込み)。2枚3枚セットや抹茶糖とのセット、小さく割って個包装したものも人気です。

そんな來間屋生姜糖本舗が建っているのは、「木綿街道」と呼ばれる古い町並みの一角。江戸後期に木綿の集散地として栄えた地域で、商家の面影を残す黒瓦(くろがわら)やなまこ壁、出雲格子(いずもごうし)と呼ばれる格子窓の町家が並んでいます。江戸の風情を伝える町を散策しながら、真っ白な生姜糖をひとかけ口に放り込めば、懐かしくて優しい甘さで心が満たされる。これが300年変わらぬ手づくりの味なのです。

スクリーンショット 2017-06-26 15.13.3611代目当主の來間久さんとお母さまの定子さん。お店の最寄り駅は、出雲と松江をつなぐローカル線「一畑電車(いちばたでんしゃ)」の雲州平田駅(うんしゅうひらたえき)。

◆來間屋生姜糖本舗
住所 島根県出雲市平田町774
一畑電車雲州平田駅から徒歩7分

撮影/篠原宏明

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