京都の食べもの屋さんの面白さは、何百年も前から続いてきた店と、できたばかりの店が同じ商店街に平然と並んでいるところ。今回は、そんな京都の取材を数限りなく行ってきた和樂スタッフが、おすすめのランチ4選をご紹介します!
アラビカ京都 東山
(祇園四条駅から徒歩約12分)
「世界に通用する日本発のコーヒーブランド」を掲げるアラビカ。豆の選別に始まり、最新技術を誇るマシーンにより焙煎から抽出まで一貫して行われているから、質の高さは当然のこと。味の評価が行列に表れているというわけです。
バゲットサンドイッチは必ず味わって!
バゲットは国産小麦を使用。生ハム、ブリーチーズ、黒胡椒の具が入り、調味料はなし。
2016年秋にメニューに加わったバゲットサンドイッチも世界標準の味わい。イタリア・フリウリ地方のプロシュート(生ハム)の名産地、サン・ダニエーレ産ハムの上品な香りがたまりません。バゲットは高雄にしつらえた工房で、パン職人の小林啓吾さんがその朝に焼き上げるとか。生ハムによく合い、名物のカフェラテをも引き立てるパンの風味が絶妙です。
ショートのカフェラテ。
おやじ
(清水五条駅から徒歩5分)
昼どき、人々が玄関に張りつくように並んでいる光景が恒例のこの店。一度入って、その理由がわかりました。13時15分の定刻どおりに閉店してしまうので、「近所を回って戻ってこよう」なんて甘い。待つのが早道です。
地元民が愛する、昼しか開かない焼きそば店
キャベツやちくわが入る基本のセットに、お好みで具(や麺の玉の数)を加えていくという注文の方法も、麺を野菜のだしにくぐらせる焼き方も、この店独自のもの。一番のおすすめは、油かす(小腸を油で揚げたもの)。これが入ると風味がグンと増します。あとはおかみさんの指示に従って、食べるのみ。長く続く店にある「様式美」に触れるのが、京都旅の面白さです。
初代の父親から受け継いだ鉄板も摩擦で薄くなっている。
「おやじ」
住所:京都府京都市東山区北御門町259
京都 中勢以 合
(河原町駅 出口4,7からすぐ)
熟成肉を手がけて30年を超える精肉店「京都 中勢以」のデリコーナーが京都髙島屋に。車中弁当の選択肢が増えました。弁当は「熟成牛肉牛そぼろ弁当」に始まり、「熟成牛肉ステーキ弁当特上」まで11種類。
新幹線の持ち込み弁当はかくも豪華!
写真はロースのサーロインと赤身のクリと呼ばれる部位が計8切、180g入る。「特上」は要事前予約。白飯や付け合わせも格別な味わい。
気になる特上のステーキ弁当は1万円。この価格の理由は「肉の希望が2種類までオーダー受付」にあり。赤身&霜降りにしたり、赤身2種でも可。初めて京都 中勢以の肉を食べるなら、特上の約半分の値段の「ステーキ弁当上」で好みの部位を見つけるもよし。冷めてから実力を発揮するよう熟成をかけているので、味付けは塩・胡椒のみ。肉の旨みでご飯が進みますとも。さあ、車中で活力つけましょう!
横16cm×縦8cm 新幹線のテーブルにぴったり収まる。
丸太町 十二段家
(丸太町駅から徒歩2分)
「昔から京都にあった食事は一汁二菜。おかずのひとつが、お漬物だったんです。野菜が主食だった京都の人にとってはお漬物も料理のひとつで、必ず数種類は盛り合わせます。日本人の食生活は時代と共に変わってきていますが、心だけは変わらずにいたい。うちの店はそれを伝える役目です」と3代目店主・秋道賢司さん。
ランチの締めは、京都人のソウルフード・お茶漬け
昔ながらの京都の食事は一汁二菜。その二菜がお漬物と出し巻の基本セットに。漬物は8種ほど、その半分がぬか漬け。
品書きは「お漬物盛り合わせ、出し巻、赤出し、御飯」が基本(そしてお茶漬け用のほうじ茶が付く)。これに季節のおかず一品かさらに刺身も付けるのか、その3択。茶事にのっとった食べ方をすすめているので、お茶漬けは食事の最後にどうぞ。小鉢に端正に並ぶ漬物で季節の巡りを感じるのも、実に京都らしい。
2階は予約席、1回は5卓のみ。