漢字クイズ!
「女郎花」、なんと読むでしょう?
正解は……
正解は「おみなえし」。秋の七草の1つで、8~10月に、傘状に集まった小さな黄色い花を咲かせます。
ちなみに、能楽師のお子さんが能の演目と同じ読みで「おみなめし」と読んでしまった、というかわいらしい話があったのですが、実はこれも大正解。
「女郎花」の読みは「おみなえし」が一番スタンダードですが、「おみなめし」や「じょろうばな」と読んでも正解。今でも使う別名として辞書に掲載されているのです。室町時代ごろには「おみなめし」の発音がよく使われていたそうなので、室町時代に成立した能(当時は猿楽)の演目名は、きっとこの時代の風を今に伝えるタイムカプセルなのですね!
能の言葉についてはこちら。
クイズ熊野!「くまの」以外の読み方知ってる?奥が深い!能の世界のコトバたち
なんてみやび……♡ 女郎花合わせとは?
女郎花は古くから愛されてきた花で、着物にも「女郎花」という色の取り合わせ名があります(表が黄色、裏が青。もしくは表の縦糸が青、横糸が黄色で裏が青。裏を萌葱色とする説もあり)。
また、「女郎花合わせ」という、とてもみやびな風習もありました。
女郎花の花に和歌を添えて持ち寄り、左右2組に分かれて優劣を競うもので、『古今和歌集』にも見られる、平安貴族の優雅な遊びでした。
左右2つのグループに分かれて優劣を比べ合わせる「物合わせ(ものあわせ)」という遊びの一種で、他にも菊の花や菖蒲の根、鳥、虫、扇、貝、絵、香などいろいろなもので行われたようです。
「女郎花月」って何月?
女郎花が咲く季節は、現代では8~10月ごろですが、旧暦では7月ごろが盛りとされていました。そのため、「女郎花月」は旧暦の7月を指します。
季節の移ろいを感じられる、すてきな月の異名ですね!
▼女郎花月以外にも、月の異名はたくさん!
中二病の心をくすぐる12カ月の異名集!各月の異名とその意味も解説
参考文献:
・『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館
・『デジタル大辞泉』小学館
・『日本国語大辞典』小学館
・『国史大辞典』吉川弘文館