Culture
2024.06.04

秋の七草「女郎花」の読みは?これを使った平安貴族の遊びもあります♡

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漢字クイズ!
「女郎花」、なんと読むでしょう?

クイズになるということは、「じょろうばな」じゃないんだよね?

正解は……

正解は「おみなえし」。秋の七草の1つで、8~10月に、傘状に集まった小さな黄色い花を咲かせます。

風に吹かれてなびく姿を想像するととても優雅!

ちなみに、能楽師のお子さんが能の演目と同じ読みで「おみなめし」と読んでしまった、というかわいらしい話があったのですが、実はこれも大正解。

「女郎花」の読みは「おみなえし」が一番スタンダードですが、「おみなめし」や「じょろうばな」と読んでも正解。今でも使う別名として辞書に掲載されているのです。室町時代ごろには「おみなめし」の発音がよく使われていたそうなので、室町時代に成立した能(当時は猿楽)の演目名は、きっとこの時代の風を今に伝えるタイムカプセルなのですね!

能の言葉についてはこちら。
クイズ熊野!「くまの」以外の読み方知ってる?奥が深い!能の世界のコトバたち

なんてみやび……♡ 女郎花合わせとは?

女郎花は古くから愛されてきた花で、着物にも「女郎花」という色の取り合わせ名があります(表が黄色、裏が青。もしくは表の縦糸が青、横糸が黄色で裏が青。裏を萌葱色とする説もあり)。

また、「女郎花合わせ」という、とてもみやびな風習もありました。

女郎花の花に和歌を添えて持ち寄り、左右2組に分かれて優劣を競うもので、『古今和歌集』にも見られる、平安貴族の優雅な遊びでした。

古今和歌集に、女郎花合の時に詠んだ歌が載ってた。「小倉山 峰立ちならし 鳴く鹿の 経(へ)にけむ秋を 知る人ぞなき」頭一文字をつなげるとをみなへしに!

左右2つのグループに分かれて優劣を比べ合わせる「物合わせ(ものあわせ)」という遊びの一種で、他にも菊の花や菖蒲の根、鳥、虫、扇、貝、絵、香などいろいろなもので行われたようです。

「女郎花月」って何月?

女郎花が咲く季節は、現代では8~10月ごろですが、旧暦では7月ごろが盛りとされていました。そのため、「女郎花月」は旧暦の7月を指します。
季節の移ろいを感じられる、すてきな月の異名ですね!

▼女郎花月以外にも、月の異名はたくさん!
中二病の心をくすぐる12カ月の異名集!各月の異名とその意味も解説

参考文献:
・『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館
・『デジタル大辞泉』小学館
・『日本国語大辞典』小学館
・『国史大辞典』吉川弘文館

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人生の総ては必然と信じる不動明王ファン。経歴に節操がなさすぎて不思議がられることがよくあるが、一期は夢よ、ただ狂へ。熱しやすく冷めにくく、息切れするよ、と周囲が呆れるような劫火の情熱を平気で10年単位で保てる高性能魔法瓶。日本刀剣は永遠の恋人。愛ハムスターに日々齧られるのが本業。