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2021.05.22

北条義時とは?わかりやすく人物解説!小栗旬演じる男の人生【鎌倉殿の13人予習シリーズ】

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いよいよ大河ドラマ『鎌倉殿の13人』主役! 我が宿敵、北条義時(ほうじょう よしとき)!!

ついに、こいつを書く時がきたか。静まれ、静まれオレの右腕。義時に対する文句や愚痴なら万の文字を書き連らねようとまだ足りんだろう。しかしオレはネットリテラシーを得た坂東武者! 悪口はよくないって御成敗式目にも書かれてる!

義時はまあ元々良いイメージがないだろうが、ここ数年は再評価されているし、来年の大河ドラマ放送に合わせて、初心者や子どももとっつきやすいムックも多数出るだろう。

そんで、どうせ「義時って言われるほど悪いことしてなくね?」「義時って巻き込まれ体質じゃん! カワイイ♡」「苺の妖精よしときくん♡」とか言われるんだろ?

ケーッ!

お前がどんなに再評価されようと、お前がやった悪事……オレはぜってぇ……忘れてやらねぇからな!!

おっと、紹介が遅れたな。鎌倉御家人・三浦胤義(みうら たねよし)が語る、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』予習シリーズ! オレが何者かは第1回参照なッ!

北条義時への申立て① お前なんで待所まで掌握したの?

北条氏最大のピンチの1つ、和田合戦。建暦3(1213)年に和田義盛(わだ よしもり)率いる反北条勢力が起こした反乱だ。

詳細はひとまず省略するが、「巻き込まれ体質」と言われがちな義時だけど、合戦にいたるまでに、ずいぶんと和田一族を煽っているように見えるんだよな~。

しかも、問題は合戦の後。義盛は言わずと知れた侍所(さむらいどころ)初代別当(べっとう)。鎌倉幕府の軍事・警察機関の責任者だった。

和田一族が滅んだ後、侍所別当となったのは義時。しかも副官にあたる所司(しょし)には、自分の命令通りに動く忠実な部下、金窪行親(かなくぼ ゆきちか)を任命する。

この時の義時は、将軍の補佐役である執権(しっけん)として、政治の中枢を担う政所(まんどころ)別当もしていた。つまり官房長官が防衛大臣と警察庁長官も兼任している状態だ。

義時お前さぁ……この状態で「権力を自分に集中させるつもりはなかった」って言い切れる?

北条義時への申立て② お前なんで源氏の血筋を絶やしたの?

これは3代目将軍の実朝(さねとも)様暗殺事件に関わる話だ。といっても黒幕がどうのって話ではない。あの時点で義時が実朝様を殺す理由も利益もないしな。

これも事件の後の話。実朝様が暗殺された後に、義時は源氏の血筋にあたる人物を謀反の疑いで誅殺している。まずは阿野全成(あの ぜんせい)殿の子、時元(ときもと)殿。そして、2代目将軍・頼家(よりいえ)様の遺児、禅暁(ぜんぎょう)だ。

時元殿は実朝様暗殺事件の翌月に殺されている。しかし禅暁は事件の後に、将軍候補の九条三寅(くじょう みとら)殿が鎌倉ヘ下向したのと時を同じくして、鎌倉に呼ばれたんだ。

そしてその1年後、北条の手によって京で殺される。理由は実朝様暗殺に関与したからだ。

禅暁については、『吾妻鏡』には誕生からその死までの一切が書かれていない。寺の日記に鎌倉に呼び出されたことと、殺されたことが記録されているだけ。たったこれだけしかその人生がわからない。

でも、禅暁はこの時、唯一の源氏嫡流である男子だった。それを殺してしまったことは、まだ将軍=源氏の血筋にこだわる御家人の多くが反北条・反義時に流れる大事件だったハズだ。

禅暁が『吾妻鏡』に一切書かれていないのは、おそらく後世から見ても擁護しきれない大失態だったんじゃないか?

なあ、義時。禅暁を殺した理由、源氏の血筋を断たねばならなかった理由。このオレに説明してみてくれよ。

北条義時役、小栗旬殿について

は? はあああ!?(憤怒) 大河ドラマの主役なのはともかく、小栗旬殿だと!? は? 小栗……? はあ? 主役? 小栗旬? は?

発表された当時は、半刻ほどこんな感じだった。義時め。ぜってぇいつかぶん殴ってやる!(*マイルドな表現)

小栗旬殿のコメント

この皆様方とどんな鎌倉時代を作り出していけるのか、そして、三谷さんがどんな鎌倉時代を我々に見せてくれるのか、期待を持って臨んでいきたいと思います。

NHK_PRサイト 小栗旬のコメントより抜粋

うむ。三谷殿が、主役だからといって清く正しいだけの人物に描くわけがないだろうし、小栗殿はきっと良い所も悪い所も演じ切ってくれるだろう。このチームがどんな鎌倉時代を視聴者に魅せてくれるか、非常に楽しみだ!

それはそれとして、義時はいつかぶん殴る。

NHK2022年 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」完全読本 (NIKKO MOOK)

関連人物

主君:平清盛源頼朝源頼家、源実朝
父:北条時政 母:伊東祐親の娘
兄弟:北条政子北条宗時、北条時房、阿波局、ほか
妻:阿波局、姫の前、伊賀の方
子:泰時、朝時、重時、有時、政村、ほか

人物相関図:
『鎌倉殿の13人』予習にぴったり!源平合戦~鎌倉初期を相関図で解説!

「鎌倉殿の13人」13人って誰のこと? 人物一覧

「鎌倉殿」とは鎌倉幕府将軍のこと。「鎌倉殿の十三人」は、鎌倉幕府の二代将軍・源頼家を支えた十三人の御家人の物語です。和樂webによる各人物の解説記事はこちら!

1. 伊豆の若武者「北条義時」(小栗旬)
2. 義時の父「北条時政」(坂東彌十郎)
3. 御家人筆頭「梶原景時」(中村獅童)
4. 頼朝の側近「比企能員」(佐藤二朗)
5. 頼朝の従者「安達盛長」(野添義弘)
6. 鎌倉幕府 軍事長官「和田義盛」(横田栄司)
7. 鎌倉幕府 行政長官「大江広元」(栗原英雄)
8. 鎌倉幕府 司法長官「三善康信」(小林隆)
9. 三浦党の惣領「三浦義澄」(佐藤B作)
10. 朝廷・坂東の事情通「中原親能」(川島潤哉)
11. 頼朝の親戚「二階堂行政」(野仲イサオ)
12. 文武両道「足立遠元」(大野泰広)
13. 下野国の名門武士「八田知家」(市原隼人)

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