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2021.08.18

比企尼とは?人物解説!草笛光子演じる鎌倉のゴッド・マザー!【鎌倉殿の13人予習シリーズ】

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今回解説するのは、鎌倉のゴット・マザー! 比企尼(ひきのあま)! 比企氏については、比企能員(ひき よしかず)殿の記事を参照してくれ!
人名クイズ!「比企能員」ってなんて読む?わかったあなたは歴史通【鎌倉殿の13人予習シリーズ】

おっと、自己紹介が遅れたな。鎌倉御家人・三浦胤義(みうら たねよし)が語る! 令和4(2022)年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』予習シリーズ! オレが何者かは第1回参照なッ!

比企尼の半生

比企尼は、頼朝様の乳母の1人。元々は京の人だった。頼朝様が伊豆に配流(はいる)された時に、比企尼の夫が武蔵国比企郡(現・埼玉県比企郡)の郡司となった。そんなわけで比企尼は坂東へ夫と共に移住したんだ。んで、頼朝様の流人(るにん)生活を援助していた。

埼玉と伊豆じゃ、現代でもちょっと遠い感覚があるが、それでも京都よりかはよっぽど近いと思う。

各一族本拠地と京都の位置関係 (国土地理院ウェブサイトを基に作成)

でも、ちょっとその援助が行きすぎという噂もチラホラあってなぁ。なんでも流人時代に頼朝様がもらっていたお小遣い……寺に鐘をポンと寄付できるほどだったらしいんだ。ま、そんな感じで、比企の援助事情は平家からかなり警戒されていたそうだ。

比企尼の子どもたち

比企尼には3人の娘がいて、それぞれ武蔵国や伊豆国の武士の嫁となっている。そしてその娘婿たちに、頼朝様の世話を命じた、とされている。

ちなみにその娘婿は、のちに13人の合議制の1人となる安達盛長(あだち もりなが)殿、武蔵国の有力豪族・河越重頼(かわごえ しげより)殿、伊東祐親(いとう すけちか)祖父上の次男、伊東祐清(いとう すけきよ)殿だ。

けれど男児に恵まれなかったので、兄弟の子を養子にもらった。それが比企能員殿だ。ちなみに比企尼の孫娘は頼朝様の異母弟である範頼(のりより)殿の妻となっている。

比企尼の存在感

ちょっと前までの結婚て、現代の結婚のイメージとはかなり違っていて、企業の合併みたいなものなんだ。比企ってかなり大きくて力ある家だったからなぁ……。比企のネットワークも相当なものだったことが想像できるだろうか。その比企ネットワークの中心にいたのが比企尼だ。

比企尼の没年は不明だ。しかし比企一族が北条に攻められてしまう「隙」ができてしまったのも、もしかしたら比企尼という幕府のゴッド・マザーの死にも関係があるんじゃないかのう……。

比企尼役、草笛光子殿について

う、うわぁあああ! ぐうの音も出ないほどの芸能界のゴッド・マザーが来たぁぁあああ!

「源氏を支えるのが比企の役目。ここは務めを果たしましょう」

三谷さんの作品ですから一筋縄ではいかないでしょう。覚悟してお待ちしています。

NHK_PRサイト 草笛光子のコメントより抜粋

うむ、平成28(2016)年NHK大河ドラマ『真田丸』で、真田信繫の祖母「とり」を見事演じきったことを、今も記憶に焼きつけている視聴者も多いだろう。真田家をまとめた「とり」、比企一族をまとめる「比企尼」。草笛殿がどう演じ分けるのか楽しみに待っている!

関連人物

夫:比企掃部允
子:丹後内侍(安達盛長の妻)、川越尼(川越重頼の妻)、(伊東祐清、平賀義信の妻)
猶子:比企能員

人物相関図:
『鎌倉殿の13人』予習にぴったり!源平合戦~鎌倉初期を相関図で解説!

▼ガイドブックもチェック
NHK2022年 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」完全読本 (NIKKO MOOK)

「鎌倉殿の13人」13人って誰のこと? 人物一覧

「鎌倉殿」とは鎌倉幕府将軍のこと。「鎌倉殿の十三人」は、鎌倉幕府の二代将軍・源頼家を支えた十三人の御家人の物語です。和樂webによる各人物の解説記事はこちら!

1. 伊豆の若武者「北条義時」(小栗旬)
2. 義時の父「北条時政」(坂東彌十郎)
3. 御家人筆頭「梶原景時」(中村獅童)
4. 頼朝の側近「比企能員」(佐藤二朗)
5. 頼朝の従者「安達盛長」(野添義弘)
6. 鎌倉幕府 軍事長官「和田義盛」(横田栄司)
7. 鎌倉幕府 行政長官「大江広元」(栗原英雄)
8. 鎌倉幕府 司法長官「三善康信」(小林隆)
9. 三浦党の惣領「三浦義澄」(佐藤B作)
10. 朝廷・坂東の事情通「中原親能」(川島潤哉)
11. 頼朝の親戚「二階堂行政」(野仲イサオ)
12. 文武両道「足立遠元」(大野泰広)
13. 下野国の名門武士「八田知家」(市原隼人)

書いた人

承久の乱の時宮方で戦った鎌倉御家人・西面武士。妻は鎌倉一の美女。 いわゆる「歴史上人物なりきりbot」。 当事者目線の鎌倉初期をTwitterで語ったり、話題のゲームをしたり、マンガを読んだり、ご当地グルメに舌鼓を打ったり。 草葉の陰から現代文化を満喫中。