鎌倉御家人・三浦胤義(みうら たねよし)が語る! 令和4(2022)年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』予習シリーズ! オレが何者かは第1回参照なッ!
今回は牧の方(まきのかた)の兄! 牧宗親(まき むねちか)殿!
牧氏については、牧の方の記事を参照して欲しい。
周囲を引っ掻き回すトラブルメーカー!宮沢りえ演じる牧の方は悪女なのか【鎌倉殿の13人予習シリーズ】
宗親殿は、牧の方の父親説と兄説があり、大河ドラマでは兄説に舵を切ったようだな。しかし宗親殿自身の記録もほとんどなくてなぁ……。
マゲは男の命!
宗親殿を語るとしたら、やはり「亀の前(かめのまえ)事件」だろうな。詳細は過去記事にもある。
2022大河ドラマ「鎌倉殿の13人」主役、北条義時。「Stay home」でご褒美が貰えた鎌倉時代の武将!
頼朝様と亀の前の密会が発覚した時、尼御台(あまみだい=北条政子)が宗親殿に命令して、亀の前が住んでいた家を壊したんだ。亀の前はどうにか三浦に逃げ込んで事なきを得たんだが、これに頼朝様が大激怒。すぐに宗親殿を呼び出した。
宗親殿は頼朝様の御前に着くなりジャンピング土下座で謝罪したんだが許されず、怒った頼朝様にマゲを切り落とされてしまった。
現代の感覚だと「断髪だけで許された」となるんだろうが、当時の男にとって他人にマゲを掴まれること自体が屈辱。しかもそれを切り落とされるなんて、筆舌に尽くしがたい辱めだったんだ。
今年(2021年)の大河ドラマ『青天を衝け』でも、フランスに行った武士たちが現地の風習に合わせるべく泣きながらマゲを切り落としていたけど、オレの感覚としちゃ笑いではなく同情を誘うシーンだったなぁ。
ヒゲも男の命!
江戸時代になると「ヒゲは剃るべき」とされているし、現代もヒゲを剃っているオノコは多いな。でも中世ではヒゲを生やしていることが一人前の男の証だった。現在でも中東の国々にそういう価値観があるらしいな。
なんでこの話をしたかって、もちろん宗親殿に関係がある。建久3(1192)年10月30日の事だ。宗親殿の自宅が火事になった。宗親殿は外にいたが、煙を見て慌てて帰った。そして家の中に入り琴を持ち出そうとた所、左頬のヒゲが燃えて無くなってしまったんだ。
片側のヒゲが無い状態というのは、相当情けない姿とされていたんだ。『吾妻鏡』でもこれを揶揄している。なんかもう宗親殿には悪いけど、ここまで男の大事な部分ばかり失うハメになるなんて、つい笑っちゃうよな。
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NHK2022年 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」完全読本 (NIKKO MOOK)
牧宗親殿役、山崎一殿について
こんなコミカルなキャラが約束されている牧宗親殿役に、イケオジを……! これは楽しみだ!
都文化に通じた牧の方の兄
牧宗親という人物は、文献では駿河あたりの武士となっていたので武士をイメージしていたのですが、送られてきた台本には公家となっていて(笑)、いま頭を武士から公家にシフトしているところです。
そうそう。牧氏って出自がホント謎なんだよなぁ。ドラマでは「公家」ということは、『愚管抄(ぐかんしょう)』の「武士にもあらず」って記述に従った形なんだろうか。そういや平清盛殿の継母である池禅尼(いけの ぜんに)の兄弟という噂もあったな。
どういう関係性で出てくるのかも楽しみだ!
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「鎌倉殿」とは鎌倉幕府将軍のこと。「鎌倉殿の十三人」は、鎌倉幕府の二代将軍・源頼家を支えた十三人の御家人の物語です。和樂webによる各人物の解説記事はこちら!
1. 伊豆の若武者「北条義時」(小栗旬)
2. 義時の父「北条時政」(坂東彌十郎)
3. 御家人筆頭「梶原景時」(中村獅童)
4. 頼朝の側近「比企能員」(佐藤二朗)
5. 頼朝の従者「安達盛長」(野添義弘)
6. 鎌倉幕府 軍事長官「和田義盛」(横田栄司)
7. 鎌倉幕府 行政長官「大江広元」(栗原英雄)
8. 鎌倉幕府 司法長官「三善康信」(小林隆)
9. 三浦党の惣領「三浦義澄」(佐藤B作)
10. 朝廷・坂東の事情通「中原親能」(川島潤哉)
11. 頼朝の親戚「二階堂行政」(野仲イサオ)
12. 文武両道「足立遠元」(大野泰広)
13. 下野国の名門武士「八田知家」(市原隼人)