今回は、安達盛長(あだち もりなが)殿! うん。面識があるというか、小さい頃に構ってもらった事があるというか。オレ的には、いつも朝に挨拶する近所のおじさんって感じでさ。あんなのほほんとしたおじさんの息子がなんであんな……。いや、それは横においといて。
おっと、自己紹介が遅れたな。鎌倉御家人・三浦胤義(たねよし)が語る! 令和4(2022)年大河ドラマ『鎌倉殿の13人』予習シリーズ! オレが何者かは第1回参照なッ!
謎のベールに包まれた安達盛長の出自
改めて安達盛長殿。伊豆で流人生活を送っていた頼朝様に仕えていた郎党(ろうとう)なんだ。郎党っていうのは、仕えている主人と血縁関係がない者。ちなみに血縁関係がある家来は家子(いえのこ)と言って、家来の総称を家人(けにん)という。御家人というと、将軍の家人の事だな。
大河ドラマの公式相関図では、安達殿は「坂東武士」の中に入っているが……実は出自が全くの不明なんだ。ご両親が誰だかも分かっていない。
室町時代に完成した『尊卑分脈(そんぴぶんみゃく)』という家系図では藤原氏の流れを汲んでいて、兄の所領があった武蔵国足立郡(現在の東京都足立区)にちなんで最初は「足立」と名乗っていた、とされている。で晩年になって、陸奥国安達郡(現在の福島県安達郡)を貰って本拠地を置いたので「安達」となった。
しかしなぁ……。ぶっちゃけ、『尊卑分脈』は平家と藤原摂関家の系図としてはとても信用できる貴重な史料なんだが……東国の家に関してはなぁ……。あまり参考にしないほうがいいんじゃないかなぁ……というのが正直なところ。
そんなミステリアスな安達殿だけど、ほんと頼朝様と常に一緒にいるぐらいの仲の良さでさ。『吾妻鏡(あずまかがみ)』でも、特に用事もないのに頼朝様が安達殿の家にフラッと遊びに行く様子が、度々出て来るんだよ。
鎌倉ファンの間で、頼朝様が13人の誰を一番信頼していたか? という議論になったら、まぁ真っ先に挙げる人が多いんじゃないかな。少なくとも頼朝様が安心して本音や素顔を晒せる相手だったんじゃなかろうか……。と、オレは大人になってからそう思ったなぁ。
ちなみに、安達盛長殿もbot仲間としてTwitterにいるぞ!
NHK2022年 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」完全読本 (NIKKO MOOK)
安達盛長役、野添義弘殿について
うわぁ~! まんま安達のおじちゃんだッ! ……ゴホン。うむ。オレとしては割とイメージに近い役者だと思う!
『13人』の一人。頼朝の愛すべき従者
老練で寡黙ながらもおもしろ味のある、安達盛長を演じることができればと思います。
NHK_PRサイト 野添義弘のコメントより抜粋
ふむ、「老練」か。オレからしたら、ほんと幼い頃に会った時のほんわかしたイメージしかないんだけれど……。確かに『吾妻鏡』を読むと、安達殿は晩年にちょっとばかしヤンチャするからなぁ。実は腹にイチモツあったりするんかのう……。どう描かれるか楽しみだな!
関連人物
主君:源頼朝、源頼家
妻:比企尼の娘(丹後内侍)
子:安達景盛、源範頼の妻、ほか
人物相関図:
『鎌倉殿の13人』予習にぴったり!源平合戦~鎌倉初期を相関図で解説!
▼吾妻鏡を漫画で分かりやすく
吾妻鏡(上)―マンガ日本の古典〈14〉 (中公文庫)
「鎌倉殿の13人」13人って誰のこと? 人物一覧
「鎌倉殿」とは鎌倉幕府将軍のこと。「鎌倉殿の十三人」は、鎌倉幕府の二代将軍・源頼家を支えた十三人の御家人の物語です。和樂webによる各人物の解説記事はこちら!
1. 伊豆の若武者「北条義時」(小栗旬)
2. 義時の父「北条時政」(坂東彌十郎)
3. 御家人筆頭「梶原景時」(中村獅童)
4. 頼朝の側近「比企能員」(佐藤二朗)
5. 頼朝の従者「安達盛長」(野添義弘)
6. 鎌倉幕府 軍事長官「和田義盛」(横田栄司)
7. 鎌倉幕府 行政長官「大江広元」(栗原英雄)
8. 鎌倉幕府 司法長官「三善康信」(小林隆)
9. 三浦党の惣領「三浦義澄」(佐藤B作)
10. 朝廷・坂東の事情通「中原親能」(川島潤哉)
11. 頼朝の親戚「二階堂行政」(野仲イサオ)
12. 文武両道「足立遠元」(大野泰広)
13. 下野国の名門武士「八田知家」(市原隼人)